「ペンパル」。
とっても懐かしい響き。
今では、もうその言葉自体が存在しないのかもしれません。
母が現在のアメリカの大学院に入学し、オンライン修士生となったのは去年の夏。
久しぶりにアメリカの大学の厳しさに触れ、やってもやっても終わりが見えない課題と戦う中、助けてくれたのは「ライティングセンター」の存在でした。
今年の夏、リサーチライティングのクラスを受講し、ネイティブ・ノンネイティブに関わらず毎回ペーパーのドラフトを提出前は、必ず第三者に自分の原稿を提出する前にチェックしてもらうことが必須となっているにも関わらず、夏学期はなんとライティングセンターがクローズ。
アメリカの大学は、学部課程の学生でも、授業料は自分で稼ぐことが多いため、夏は多くの学生がクラスは受講せずに働いて学費に備えます。だから、当然夏学期の学生数は減り、そのため大学側もクローズしている場合も多いのです。
「誰にチェックしてもらおう」
周りに英語ネイティブの友人は多くいるのですが、彼らはモンテッソーリ教育とは無縁な人たち。まして、ほぼ毎日のように課される課題に付き合える人たちはもちろんいません。
そんな中、Officde of Student Services(OSS)と呼ばれる学生課に問い合わせると、すぐにチューターを紹介してくれました。実は、彼女は秋学期、春学期の間はライティングセンターで働いていて、今まで何度もペーパーをチェックしてもらっていた顔なじみ。
といっても、すべてメールでのやりとりなので、お顔は見たことがないのですが、「これほどまでに親切な方がいるだなんて」と、毎回ペーパーのフィードバックをもらう度に、本気で涙が出そうなほどの懇切丁寧な指導に心震わせていたのです。
そんな彼女が、夏の間、母の専属チューターになってくれることに決定。
5週間のリサーチペーパーのクラスは、半分以上のクラスメートが授業登録を抹消する中、何とか食らいつき…。このクラスを終了できた唯一の理由は、彼女の存在があったから。ほぼ毎日、母の書いたペーパーを読み、フィードバックをし、さらに母からの質問に答えるというこのローテーションを繰り返した5週間。
気付くと、この5週間が終わっても、彼女とのやり取りが名残惜しくて、大学院が休みになった今では「ペンパル」としてやり取りを続けています（笑）。
最近では暑中お見舞いと共に、日本からギフトを送ったり、彼女もアメリカから送ってくれたり。カード1枚書くのに、これほどまでに悩み抜いたカードは、なかったかもしれません。彼女とのやり取りの一言一言が、母を幸せにしてくれ、もしかすると卒業時に大学院で得た最高のギフトはモンテッソーリの学位よりも彼女との出会いだったのではないかと感じています。
素晴らしい教授陣に囲まれ、多くのモンテッソーリアンのクラスメートとの出会いもあったアメリカの大学院という場所。オンラインという環境ながらも、驚くほど心理的に近いのは、やはモンテッソーリ教育を愛する心がそうさせてくれているのかもしれません。
教授でもなくクラスメートでもないチューターという存在。
秋学期になれば、ライティングセンターがまたオープンするため、専属チューターとしての役目はもう終了のはずだったのですが、院側と交渉の結果、卒業まで専属チューターでいてくれることが最近決定しました。
アメリカの大学は、自分が必要なことをきちんと伝えれば、驚くほど学びの環境を整えてくれます。母の学びの道において絶対的に必要だったチューターの存在。本当に心強いです。
といってもあと残り2学期。
嬉しいはずの卒業も、彼女との時間が無くなると思うと、後ろ髪引かれる想いでいっぱいです。
こんな記事を書いていたら、彼女にメッセージを送りたくなってきました（笑）。
いくつになっても学びの道には、支えてくれる誰かが必ずいる。
そんなことを、心から感じています。
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今回、彼女に贈った日本の夏を感じさせるアイテムの1つがこちら。
毎朝起きると、冷蔵庫に貼ってあるこの風車を見て『行ったことのない日本という遠い国に想いを馳せる』という彼女からのメッセージに嬉しくなりました。
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