【ご質問より】「エレメンタリーの算数教育の提示はどのようにしていますか」 | モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

中2の娘とワーキングママによる2歳からのホームモンテッソーリとバイリンガル育児の足跡を綴っています。

 
ホームモンテッソーリのお手伝いでは、算数教育に関するご質問を多くいただきます。
こちらは、昨年記事にした「準備編」
 
今日は、この週末に娘と行った実際のおしごとを例に、我が家のエレメンタリーの算数教育のおしごとの流れについて綴ってみたいと思います。
 
現在小学6年生の娘。
昨年はオンライン授業だった期間もあるため、学校では4月は復習期間に充てられているようです。
 
ということで、今週娘がやりたいと言っていたのは「素数のおしごと」。
 
日本の小学校では5年生で初めて出てくる「素数」ですが、モンテッソーリのエレメンタリーのカリキュラムでは低学年に出てきます。我が家でも、今まで色ビーズやペグボードといった教具を使って、行ってきたおしごとですが…。
 
モンテッソーリ教育は「スパイラルカリキュラム」のため、同じ概念を子どもの興味が続く限り行ったり来たりします。今回は、教具の操作よりも、素数とはどこから来て、どこへと繋がっていくのかという「素数の世界」を旅する時間。
 
時は、2000年以上も前まで遡り、古代ギリシャの数学者ユークリッドとご対面(笑)。
ここでは、ユークリッドについて母によストーリーテリングから始めます。

 

倍数表A、倍数表Bと呼ばれるチャートにそれぞれ積を書き入れていきます。モンテッソーリ教育では、自己訂正が出来るように、コントロールチャートと呼ばれる正誤表があるため、それと自分の答えを照らし合わせます。

 

倍数表Cには、それぞれの積の計算式(例:「6」の列には「2×3」「3×2」など)を本来書き入れていくのですが、低学年では得意気に行っていたこれらの作業は面倒なので高学年はもうやりません(笑)。低学年はまだ自分が出来ることを誇示することに喜びを感じていたのが、高学年は時間を無駄にしたくない時期^^;本来は、約数がないため、式が書き入れられていない部分が「素数」だと視覚で確認できるこのチャート。ただ、我が家の高学年は初めから素数をハイライトしています。

 

途中、何も考えずにハイライトしていて「あれ、間違えたかも」と正誤表を使って、自分でチェック(笑)。こうやって浮かび上がってくる素数には、規則性がないことに、どこか違和感を覚える様子^^;

 

そして、この日のハイライトはここでした。
この素数が、私たち日常のどことリンクをしているのかという部分。
暗号化、データ保護という観点からこの素数とは向き合ったことがなかった娘。
そんな部分を少しストーリーテリングを行うと、もうこの後のフォローアップ活動が止まりません。この暗号化の仕組みとひたすら向き合う週末でした(笑)。
 

特にエレメンタリーのおしごとは、算数教育のつもりで始めても、数学者の人生を辿り始めたりとか、その時代背景を探ったり、また今回のように暗号化の仕組みについてのリサーチを開始したり、算数とは別のところに辿り着くことも多々あります。

 

大人が蒔いた種のどこを咲かせるかは子ども次第。

 

「子どもがおしごとに興味を持たない」という声は多く寄せられますが、実はおしごとを「おしごと」として切り離してしまい、日常とリンクしていないため、子どもが興味を持てないということが良くあります。

 

金ビーズで4桁の足し算が出来るようになった幼児期のお子さんは、お金で実際計算をしてみるとか、チェッカーボードで桁数の多い計算ができるようになった学童期のお子さんは、もし週5日3時間ずつアルバイトをしたら、1ヵ月いくらの給料がもらえるとか…。実際のお金を触れるのは幼児期のお子さんにはとても楽しい経験ですし、また想像力の働く小学生には、そんな夢物語を想像するのは楽しいものです(笑)。

 

我が家は、机の上だけでの学びではない、想像力を大いに駆使できるこのホームモンテッソーリが大人も子どもも楽しくて仕方がないのだと思います。学校とはまるで違うアプローチですが、やはり親子でこうして驚きと興奮で心動かされた時間は、頭に残る知識とは違い、心に残る思い出になるのだと感じます。

 

◆◆

 

今回の提示準備に辺り、母が使用した書籍はこちら。

提示の導入で行ったユークリッドも、データー保護に関することも、こちらの書籍で紹介があったことをベースに少しだけリサーチをして、ストーリーテリングに仕上げました。

 

 

 

 
素数の提示については、こちらのモンテッソーリ女史の書籍を参考にしています。
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