ホームモンテッソーリのお手伝いで皆さまからいただくご質問の中で多いのは、
「なぜモンテッソーリ教育ではワークブックと呼ばれるドリル類が推奨されないのか」
というもの。
母も、娘の幼児期、漠然とワークは推奨されないということは知っていながらも、なかなかその背景にある理由をしっかりと理解できていませんでした。
ワークは親にとってはとても手軽なもの。
驚いたことに、最近、海外のモンテッソーリ園では、朝のおしごと時間の前に子どもたちにワークを数ページ敢えて義務付けているところすらあると言います。AMIのモンテッソーリ園では考えられないことなので、モンテッソーリ教師たちはこの事実にショックを受けているのだとか。
実際、ワークを課している園によると、
「子ども達が基本的なことを確実に身につけるため」という表向きな理由と共に、実際は「子どもが何を学んでいるのか分からない」と保護者の懸念をなだめるために使われているケースも多いといます。
日本でも書店に足を踏み入れれば、そこはワークがぎっしりと並べられています。
中には、1ページ終わらせるとシールがもらえるといったご褒美のシステムが組み込まれており、子どもは大喜びです。
けれども、このような人為的な動機付けはモンテッソーリ教育では懸念材料となります。
シールをもらえることが嬉しくて、自分の中で競争を助長し、本来の内発的動機の発達を損なう可能性がある。だからこそ、この教育法では、このようなシステムは推奨しがたいのでしょう。
また、モンテッソーリ教育でワークが推奨されない別の理由としては、発達段階に見合っていないから。特に0歳から6歳の乳幼児期は、「動きながら学ぶ」ことがこの時期の不可欠な要素です。ペン先しか動かないこれらの学びよりも、長さの棒(赤い棒)のような1㍍もある棒を両手いっぱいに抱え、部屋の中を何往復もするような学びの方が、子どもにはインパクトがあり、また幼児期の記憶として残ることは確実です。
自己教育力の備わった子ども達。
大人が想像する以上に彼らの能力が高いことを考えると、大量生産されたワークによる受動的な学びよりも、自らが主人公となれる主体的な学びの方が子どもにとってはプラスになるのでしょう。
「そうは言っても…」
理論としては理解できても、実際、ワークに頼らざるを得ないという場合も当然あると思います。
すべてのワークは子どもにとっての敵なのか。
母は必ずしもそうだとは思いません。
実際、小学校に入学してワークの宿題が沢山出ると、娘は大喜びでした。
書くことの敏感期が続いていた当時は、1ページずつ書き込んでいくのが嬉しくて、またページが埋まることに満足感も得られたのだと思います。
ただ、彼女の場合、ワークを日頃家庭内にあまり持ち込んだことがなかったという背景が起因していたのも事実でしょう。ワークを数多く体験しているお友達には、決して目新しいものではなく、そこに喜びはなかったというお母さん方のお話を伺うと、やはりバランスが大事なのだと感じます。
もし、具体物を体験させてあげられるのであれば、決してモンテッソーリ教具でなかったとしてもまずは五感を使った学びを提供してあげる。
その補完として、もしお子さんが自らワークを好むようであれば、適度に取り入れることもOKなのではないかと個人的には思っています。ただ、ここでのキーワードは「自ら好む」という自己選択の有無。
大切なのは、なぜモンテッソーリ教育ではワークが推奨されていないかという理由を知っておくと、家庭で使用する場合も、少し違った視点を持ち込めるのかもしれません。すべてを「0か100」にするのではなく、出来る範囲の最善の選択をしてみる。
そんな姿勢こそがホームモンテッソーリには大切だと感じています。
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