こうしてみると冊数は非常に多いのですが、もちろんすべてを1冊ずつまるまる読み訳ではありません。
大学院では、毎週モンテッソーリ教育における重要な概念をいくつかピックアップし、それについて言及されている書籍をまず順番に読み込んでいきます。
この日の課題は「観察」における部分。
モンテッソーリ教育が他の教育法と違うのは「カリキュラムありき」のものではなかったという点です。
実際ローマに最初に「子どもの家」が誕生した際も、モンテッソーリ教育は生まれていませんでした。
毎日の子ども達の様子を観察しながら、徐々にメソッドが確立されたのがモンテッソーリ教育でした。
「教具を取りに行き、元に戻すまでが一連のサイクル」という流れが定着しているモンテッソーリのおしごとですが、この当時はまだ教師が教具を取りに行き子どもに配り、また戻すのは教師の役目。そして1日が終わると教具を戸棚にしまい鍵をかけて帰ったというから、今とはだいぶ違った様子であったことが分かると思います。
とにかく『観察』なしにはあり得なかったモンテッソーリ教育。
今ではモンテッソーリ園において当たり前の金ビーズでさえ、当初は小学生用に作られたものでした。まだ幼児期の子どもには早いとモンテッソーリ女史は考えていたといいます。けれども、いざ作ってみると、4歳の子たちがこのキラキラ光る金ビーズに心奪われ、おしごとに熱中。言語も同様に、当初は幼児にはまだ文字指導は時期尚早だと確信していた女史。ただ、観察を繰り返す中で、こちらが教えなくても自ら発見し、どんどん文字を習得する観察の中から確立したのが砂文字板です。
こんな数々の奇跡的な瞬間を長い時期に渡って観察して生み出されたのがモンテッソーリ教育です。だからこそ、モンテッソーリ教育における「観察」とは必須の部分なのでしょう。
日頃、「観察」というと、自分自身が娘の何を見るかという部分にまずは飛びついてしまい、どのようにモンテッソーリ女史が観察を行ってきたかという切り口で見たことがありませんでした。こうして大学院のクラスで、様々な切り口のヒントをいただけていることが、何よりも宝だと感じます。
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今朝の読書はモンテッソーリの主要著書以外に、こちらの3冊です。
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