モンテッソーリ教育のエレメンタリー課程に"Fundamental Needs of Human Beings"と呼ばれるおしごとがあります。新学年の初日に、このおしごとからスタートすることが多いと言われるこのおしごと。我が家も、年長の終わりあたりから時期を挟んで取り組んできました。
「人が生きていく上で必要な物って何かな?」
毎年同じ質問を投げかける母。
面白いのは、年々娘の答えが変わっていくということ。
幼児期には、一番最初に「お金」と書かれ苦笑したことは記憶に新しいのですが(笑)、今回は「家」という答えが返ってきました。
「確かに…。家がなければ冬は寒くて凍死…」
と、母がコメントを挟もうとしたとき、娘が一言。
「家がなかったら、家族の帰る場所がないでしょ。」
マテリアル的に考えていた母とは対称に、スピリチュアルな部分で捉えていた娘。
どこか彼女の心を少し覗けた気がしました。
まさに親子が2分した通り、今回彼女の書いた答えを「物質的なニーズ」と「精神的なニーズ」という2つのグループに分け、今回は「物質的なニーズ」について見ていきました。
「食物」「住居」「衣服」「交通」「防衛」というグループの中で、娘とのディスカッションが最も盛り上がったのが「防衛」。"Defense"という言葉からは、どこか物々しいイメージが浮かび上がりますが、実際には身の回りには私たちを守るものがたくさん。「家の鍵」「マスク」「シートベルト」「薬」「避難訓練」「予防接種」「入国禁止令」など様々なアイディアが彼女から聞くことができました。
なかなか公教育では経験しない切り口だけに、いつもこのおしごとではディスカッションがヒートアップします。どこに住んでいようとどの時代に生きようと、人間の基本的なニーズは変わらないもの。唯一変化していくものといえば、今自分の目の前にあるものをどのように利用するか…。こんな大きなクエスチョンを、娘がこれからどんな風に考え、紐解いていくのか、とても興味があります。
モンテッソーリ教育の体系的なツール”Fundamental Needs of Human Beings“。
今後も我が家のホームモンテッソーリの核となりそうです。