モンテッソーリ・算数教育「誤りの訂正と暗算板のおしごと」 | モンテッソーリな時間~バイリンガルに魅せられて~

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中2の娘とワーキングママによる2歳からのホームモンテッソーリとバイリンガル育児の足跡を綴っています。

モンテッソーリ教育と出合い、目から鱗だと感じた瞬間は数えきれないほどありますが、その中でも母の中で印象的だったのが「誤りの訂正」という概念でした。
 
「教えながら教えなさい」
 
ロンドンで開かれた教師養成講座の講義中、モンテッソーリが伝えたこの言葉。通訳者がこのイタリア語をどのように英語に置き換えたら良いか分からなかったというエピソードは有名ですが、母自身、NAMCの教師養成講座にて初めてこの言葉に触れた時、鳥肌が立った記憶があります。
 
間違いを訂正するのではなく、再度正しい動きを見せてあげる。
 
これを知っているのと知らないのでは、子どもとの関わり方が180度変わってくるかもしれません。
 
エレメンタリー課程に進んでも、この「誤りの訂正」はもちろん変わらず存在します。モンテッソーリの算数教育では四則計算を強化するために「足し算板」「掛け算板」「引き算板」「割り算板」という教具が存在します。そして演算の結果を確認するために「正誤表」もしくは「正誤板」と呼ばれるものが用意されています。そして、これらを確認するのは演算を行った本人。まさに、自分で誤りを訂正できるフローが確立されているのです。
 
これはNAMCの副教材の”Division Contol Chart(割り算の正誤表)”。上欄には割られる数が青色の枠内に1~81まで書かれています(ただし、その数自身と1のみでしか割ることが出来ない数の1、2、3、5、7は無色)。

 

答えが1桁でおさまるための除数がその数自身しかない場合の数(11、13、17…等)は、上欄部分から省かれています。

 

欄外の1〜9の各段左側の数字は割る数、白い枠内の数字は答えです。

 

これは、「35÷5」を指で確認しているところ。右手人差し指を割られる数35に置き、左手人差し指を割る数5に置き、そのまま交わったところが答え。ここでは「7」を指しています。

 

AMIのマニュアルでは、対象年齢は5歳半以上となっているこちらのおしごと。海外のモンテッソーリ園を卒園しているお友達たちに聞くと、やはりすでに幼稚園時代に出合ったおしごととのこと。娘は、母の怠惰が理由で、小2まで割り算のおしごとをしたことがなかったのですが、もしかしたら幼児期だったら正誤表としての本来の役割しか果たさなかったかもしれないこれらのチャートも、小学生ならではの視点が加わり、新たに自分でおしごとを発展させていくなど、どんどん割り算の世界に夢中になっていっています。

 

また別記事にてそんなことも書いてみたいと思います。

 

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参考図書

 『モンテッソーリ教育(理論と実践)算数教育』石井昭子・岩田陽子、学研教育みらい、2012、147ページ