モンテッソーリの日常生活の練習の中に「社交的なふるまい」というグループがあります。子どもが一つの人格を持った人間として、社会の中で円満な生活を送るために必要な社会生活上のマナーやルールを意味します。
モンテッソーリ教育〈第2巻〉日常生活の練習―理論と実践 (1985年)において紹介されている練習は以下の10個。
戸の開閉
挨拶
返事の仕方
人への接し方
感謝とおわび
人への物の受け渡し方
咳・くしゃみ・あくびの仕方
外遊具の使い方、順番を待つ
集団遊びのルール(話の聞き方)
お茶のすすめ方
そして現在受講中の通信講座で学習したのは、以下の通り。
立つ
歩く(線の上を歩く、じゅうたんの周りを歩く)
じゅうたんを運ぶ/巻く
椅子を運ぶ/腰掛ける/座らせる
テーブルを運ぶ/席に着く
物を運ぶ/先の尖った物を運ぶ/先の尖った物を渡す
引き出し/ドアを開閉する/ドアをノックする
電話に出る/電話をかける/電話を代わる
咳/くしゃみをする/鼻をかむ
食卓で物を渡す/口を閉じて食べる/テーブルから立つ
食べ物を取り分ける/取り分けてもらう
グループから失礼する
人の話に割り込む/人の間を通る
「お願いします」「ありがとうございます」
「こんにちは」「さようなら」
自己紹介する/目を合わせる/人を呼ぶ
面白いなと思ったのは、最初の6つ(立つ・歩く・運ぶ・座るなど)が「基本的運動」として分類されるのに対し、この講座では「社交的なふるまい」に分けられていたことです。先生にその理由を確認してみると、「これらのスキルは、人と共にする、人を尊敬する、人と共に働くという点において、最も基礎となる最初の技術であるから」とのお答え。確かに「歩く」ひとつを取ってみても、「人とぶつからないように歩く」「人のおしごとのじゃまをしないように歩く」などなど、自分一人だけの問題ではないんですよね。
またもう一つ面白いと感じたのは、「外遊具の使い方、集団遊びのルール、お茶のすすめ方」など、いかにも日本らしい側面が練習事項に加えられていたこと。この「社交的なふるまい」から、その国独自の習慣や生活様式なども垣間見え、日本社会で生きていくために必要な術を再確認する時間にもなりました。
忙しい日常生活に追われ、こういったことを一つ一つ教えるということは案外できていなかったと痛感。「子どもが知っていること」と「理解していること」とは全く別。分かっているだろうと思っていることが、実は全然分かっていなかったり、知らないと思っていたことを案外知っていたり。見ているようで我が子を見ていなかったと思い知らされることが頻繁にある母です^^;まずは「子どもの観察」を大事にと自分に言い聞かせることから始めたいと思います(笑)。
ご訪問ありがとうございます。また遊びに来ていただけると嬉しいです。
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