これまでDIYでバイク用電熱装備をいくつか作っておりまして、昨シーズンは-5度以下の環境におけて2時間走行でも寒いということはなく耐えられました。これまで自作した格安の電熱装置について一度まとめてみたいと思います。格安でDIYしたい方はどうぞ参考になさってください。

 

本記事は手足向けの電熱装置の参考情報です。ウェアのことは書いておりません。

 

  基本形

以下の写真のものを基本形としています。電熱つま先カバー+電熱グローブの組み合わせになります。これらはバイク車体から給電(12V)します。

 

  1.電熱つま先カバー

電気毛布用加熱ワイヤーを使って自作したものです。いくつか試作してみた結果、以下の作り方が簡単で良いと思います(以下の写真の左端のものが該当)。

・100円ショップの使い捨てスリッパをつま先の型として利用

・スリッパに電気毛布用電熱線(1,000円程度/10m)をアルミテープで貼り付ける

  捨てる電気毛布(12Ω/mでした)からとればタダで材質も良いようです。

・電熱線と配線の接続部は断線しやすいので接続部はグルーで固めると良いと思います。

 

熱線については私は13Ωになる長さにして使っています。12Ω/mなら1.1m、10Ω/mなら1.3m。これで片方10W程度の消費電力です。アルミテープについては100円ショップの厚いやつ(キッチン用の折りたたまれて売られているやつ)を使うと良いです。ガムテープ型の方は薄いので不向きです。履いているうちにすぐ切れてしまいます。

 

この電熱つま先カバーをワークマンの防水防寒サファリブーツに詰め込み、厚手の靴下と併用すると-5度でも十分耐えられます。

 

 

  2.電熱グローブ

市販の冬用グローブに以下の手袋用電熱線(12V用)を入れました。加工方法は文末のリンクを参考にしてください。

これとナックルカバー(風防)と併用することで0度ぐらいまでは大丈夫かと思います。それ以上を求めるならこれをやめてハンドルカバー+グリップヒーターを導入した方が良いです。

頑張れば電気毛布の電熱線を流用することもできると思いますが、手袋の指部分に入れるのは大変ですし、ケーブルの太さが気になるかも知れません。

 

 

  製作コスト

部品代だけのコストです。全部で4,000円程度です。

・電熱つま先カバー: 1,000円程度

・電熱グローブ: 600円程度(ドナーとなるグローブは別途必要)

・配線: 0.2sqダブルコード 500円程度(10m)

・コネクタ:JST SMコネクター 2P、3P等   合計1,000円程度

・切替スイッチ(以下の写真のもの): 700円程度

  スイッチは好みのものを利用すると良いです。

  私は2つの装置を切り替えられるように以下のスイッチ(ON1-OFF-ON2)にしました。

 

 

  今年の拡張

<拡張1>

今年は基本形に電熱ベストを加えました。こちらはモバイルバッテリーからの給電になります。10000mhAのモバイルバッテリーを使い、寒いと思った時のみモード弱で使えば丸1日持ちそうです。今年の春に買ったので約1000円(モバイルバッテリー付属なし)でした。

 

<拡張2>

さらに市販の電熱グローブも追加しました。こちらは専用バッテリーで給電されます。

 

出先でバッテリーが切れてしまうと困ってしまうので、降圧回路(12V→7.6V)を間に入れてバイク車体からの給電でも動くように改造しております。

 

  ジクサー150からの給電について

各部位それぞれの消費電力は約10Wなので、電熱つま先カバーで約20W、電熱グローブで約20Wの消費電力になります。

 

私のジクサー150にはグリップヒーターもついています。この消費電力は20W程度あります。グリップヒータ、電熱つま先カバー、電熱グローブ全てを同時に動かすと走行中でも12Vを切ることがあるので、最大利用は2つまでと制限をかけています。

この制限のために上記の切替スイッチを入れています。

 

今年の拡張2(電熱グローブ)と配線の間に切替スイッチが入ってしまうと、そのスイッチを操作する毎にグローブのスイッチもまた操作しなければならないので使いにくくことがわかりました。あくまでもバッテリーが切れた時(非常時)の利用となっています。

 

 

  昨年利用しての感想

<電熱つま先カバー>

・少し熱めなので極寒時にちょうど良いです(そんなに寒くない時は熱すぎてしまいます)。

・歩くと力がかかるので断線しやすいです。これまで2度断線しました。はんだ付けした部分は折れ曲がらないようにグルーで固定すると断線をかなり防げると思います。

・今年は電気毛布から取り出した電熱線を使うようにしました。こちらの方が強度がある感じがします。

 

<電熱グローブ>

・電熱線の折れに弱いです。折れた状態で通電するとそこでショートしてしまうようです。1度焼けこげました。手袋の中で折れ曲がらないようにきちんと挿入できれば大丈夫だと思います。

・極寒時(マイナス気温)、この電熱グローブ+ナックルカバーだけでは耐えられません。

 極寒時期だけはグリップヒーター+ハンドルカバーに替えようと思います。

 

<使い勝手>

・バイクから降りる時に車体とつなげたケーブルを外すことをよく忘れます。

そこで忘れても良いように、コネクタ部のロック機能を削ってしまい、コネクタを挿すだけの状態にして使っています。ロック機能がなくてもライディング中に外れることはないし、車体から下りたときに勝手に外れてくれて助かっています。

カールコードも一応買っていて交換しようと思っているのですが、ロック問題があるので、今はこのままで使っております。

 

各装置の製作記事は以下になります。常に改良しているので少し古い情報になっているかも知れません。