第4章・6信者客化する接遇。 

 

美容師の「使命」は 「施術と接遇を通じて、お客を楽しませ・安らぎを与え・喜んで頂くこと」です。それによって「新規客から常連客へ、常連客から信者客へ」とステップアップして行きます。

 

そのスタートは、「人に好かれる自分づくり」から始まります。これこそが「信者客づくりの核」となります。お客様との信頼関係構築の成否を決定するのが、「第一印象」であることは周知の事実です。

 

では、「良い印象を与える人・感じの良い人」とは、どのような条件を指すのか。

「幸せを掴む人の条件」として、次のような言い伝えがあります。

◎相手に近づいて挨拶が出来る人。

◎歩き方の姿勢が良く、明るい感じに見える人。

◎明るく、はっきりとした言葉づかいの人。

◎清潔で清楚で質素な身なりの人。

◎優しい笑顔が絶えない人。

 

以上の事は「躾教育」で刷込まれた言葉ですが、そこには一つの共通点があります。それは「見た感じ」です。これこそが幸せを呼び込む最強の武器です。

 

「人生は、自分を演じる劇場である」と、セークスピアも喝破しています。

 

   再々述べますが、コミュニケーション度を強化する要素として以下の法則があります。

 

◎視覚的要素(ボディランゲージ)・・・・・・55% 

  (身振りや姿勢・明るい表情・清潔で清楚な服装)が、良好なコミュニケーションを醸成する。

 

◎聴覚的要素(口調と呼吸のペース)・・・・・38% 

  (声のスピード・イントネーション・言葉の抑揚・音調・語調・発声)

 

◎論理的要素(話の内容)・・・・・・・・・・ 7%

(簡単に解り易く伝えることば)・・・・・・

心理学者・アルバート・メラビアン=米国)

  

 以上の法則の通り、「見かけ」が如何に重要かを示す数値です。

 

 また、「着るものによって人間の心理状態は変化する」と言います。

以下は舞台演出家・竹内一郎氏の著書から引用します。

 

◎アルカイーダなどのテロリスト達が、目しか見せないユニホームを着ています。それだけで残虐な行為をする人間になります。

 

◎一人の役者に医者の役を当てる。普段着で練習する時はそうでもないが、白衣を着せると途端に医師に見えてくる。

 

◎私の要望に応えられる美容師は、白のユニホームを着た人だけだった。

このようにコスチュームが人間心理に強く影響を及ぼすことが明らかです。

 

先般、福岡ソフトバンク球場の広場で携帯電話機の販売をしました。社員全員が白色のジャンバーに白のシューズ、黒のスラックスで店頭に立った結果「集客倍増」。

 

この結果の意味することは何か? 「清楚で活動的に見えたから」です。

 

薬局やタバコ店で「動く物体を使った宣伝があります。これらは「動く物体に対して視覚が働く」という人間心理を狙ったものです。

 

効果的なサロン経営には、「動く従業員のコスチュームは目コミ戦略の最大の武器」です。

 

一流と言われる商店が、従業員のユニホームの「清潔感・着こなしに対して、厳格な点検を行なっている理由はここにあります。

 

コミュニケーションと言えば、「言葉を使った意思の疎通と考えられがちですが、話の内容が相手を動かす度合いは、僅か7%に過ぎません。

 

それに比べて「視覚的要素は55%」です。

 

従業員のコスチュームは、従業員自身の好みで決めるものではありません。あくまでも「職場の認知度」によって決めなければならないものです。

 

何故ならば、尺度の基準は、「顧客に対して爽やかな印象を与えること」にあるからです。

 

このような要素を備えることによって、「新規客は常連客へ、常連客から信者客」へのステップアップを容易にします。

 

 続く