コラム第1弾 オルフェーヴル
平成23年4月24日。
23年ぶりに東京競馬場で行われた皐月賞。
過去5回の開催時の勝ち馬は
シンザン・メイズイ・キタノカチドキ・トウショウボーイ・ヤエノムテキ
といった早々たる顔ぶれが並んでいる。
23年ぶりの東京決戦を制し
この名馬たちの中に名を連ね
自らも名馬の道の歩むことになった馬がいる。
「オルフェーヴル」
全兄ドリームジャーニーの華々しい活躍もあり
デビュー前から期待されてた馬である。
新潟競馬場で行われた新馬戦。
ショウナンパルフェに続き、2番人気に支持されたオルフェーヴルは
道中中団よりやや後方からレースを進め
直線、メンバー上がり最速タイのタイムで
2着に11/2馬身差をつけ新馬戦を快勝した。
陣営が2戦目に選んだのは「芙蓉S」
兄・ドリームジャーニーと同じ道である。
1番人気に支持されたオルフェーヴルだったが
前目で競馬を進めた2番人気の牝馬
ホエールキャプチャにクビ差届かず2着。
それでも上がり最速タイムで
「負けて強し」の内容だった。
そして初めての重賞挑戦となった京王杯2歳S。
しかし簡単に重賞のタイトルは取らせてもらえなかった。
1番人気に支持されるも、結果は10着と大敗。
朝日杯FSには出走せず
ここでは同一G1兄弟制覇とはならなかった。
明け3歳の1月。
京都競馬場にて行われたシンザン記念。
1番人気は京都1600mの舞台で2連勝中の牝馬ドナウブルーに譲り
前走大敗のオルフェーヴルは3番人気というのがファンの評価だった。
レースは若干折り合いを欠きながらも我慢の競馬を進め
ここでも上がり最速タイムを記録するも
2着止まり。
1番人気のドナウブルーには先着したが
内を上手く抜け出した、伏兵レッドデイヴィスに11/2馬身の先着を許してしまった。
次に陣営が選んだのは「きさらぎ賞」
新馬戦以降なかなか勝てないレースが続いているオルフェーヴルは2番人気。
レースはローレルゲレイロの全弟・リキサンマックスが大逃げを打ったが
前半1000mのタイムは60秒そこそことそこまで早いタイムではなかった。
「ブエナが負けたエリザベス女王杯の再現か…」
とも思ったが直線凄い脚で追い込んでくる馬がいた。
「トーセンラー」
ディープインパクト産駒でこの馬も期待の1頭である。
オルフェーヴルも上がり33.2秒の豪脚を披露するも
仕掛けが遅れたのかリキサンマックスも捕らえれず
勝ち馬トーセンラーとは
クビ+11/2馬身差の3着に屈した。
「兄みたいな輝きを放つことは出来ないのか…」
と若干思いつつあったボク。
父ステイゴールドの様に晩成型で
最初は善戦マンになってしまうのか…
続いて皐月賞トライアルである
「スプリングS」
に挑戦。これが重賞挑戦4度目だった。
中山競馬場が使えないため
舞台は阪神競馬場。
オルフェーヴルはなんと1番人気。
2歳王者グランプリボスや
朝日杯FS上位組が出走しているにも関わらず
1勝馬のオルフェーヴルが1番人気に支持された。
これは、兄が得意としていた阪神競馬場という舞台と
「早く重賞を勝ってくれよ。」
といったファンの期待も込められた1番人気だったのかもしれない。
しかし馬体重は444キロと
デビュー以来最軽量の馬体重。
ただでさえ小柄な馬だが大丈夫か。。
結果はご存知の通り
ベルシャザールを3/4馬身交わして1着。
見事1番人気に支持してくれたファンの期待に答え
重賞挑戦4度目にして初のタイトルを手にした。
このスプリングS制覇で一気に皐月の主役に踊り出た。
しかしことしの皐月賞は例年と違い
中山競馬場ではなく東京競馬場で行われる。
トライアル勝ち馬ながら
左回りが不安視されているオルフェーヴルは4番人気。
それもそのはず。
兄のジャーニーは府中を苦手とし
6戦して
【0-0-1-5】
の成績である。
オルフェーヴルも新馬戦の新潟競馬場で左回りは経験してるとはいえ
府中で行われた京王杯で10着と大敗している。
さらにこのレースでは集中力を欠き
折り合いにに弱点があることをさらけ出してしまっていた。
スプリングSも勝ちはしたが
最後の直線で内に切れ込みヒヤヒヤする内容だった。
4番人気は妥当な評価だったのか…。
牡馬クラシック一冠目
「皐月賞」
オルフェーヴルは6枠12番。
東京の2000mはただでさえ内枠有利。
開幕週であり先行馬が有利とくれば
12番枠で差し馬のオルフェーヴルには
決して有利な条件ではなかった。
ゲートは無難に飛び出したオルフェーヴル。
道中はいつも通りの位置
中団よりやや後方の12番手。
「折り合いに集中した」
と主戦の池添。
今回は折り合いを欠くことなく
上手く折り合っていた。
4角を回り内内を進んだオルフェーヴルと池添。
直線入るも、前の馬が壁となってなかなか抜け出せない。
馬1~2頭分位外に持ち出すと
目の前の馬が若干よれて1頭分のスペースが出来た。
この一瞬だけ出来たスペースを池添は見逃さなかった。
即座にムチを入れGOサインを出すと
抜群の反応と瞬発力を見せたオルフェーヴルは
その隙間から一気に抜け出し
最後は流す余裕をみせ、3馬身差の完勝。
幾多もの不安材料を
最高の結果で払拭してみせた。
鞍上の池添謙一
調教師の池江泰寿にとっても
牡馬クラシックは初のタイトルだった。
勝利ジョッキーインタビューで池添は喜び爆発。
「うれしい!デビューからずっとコンビを組ませてもらって、いつかこの馬とクラシックを獲れたらいいなと思っていたので」
と終始笑顔。
兄・ジャーニーでも破れなかったクラシックの壁を破ったオルフェーヴル。
府中で行われた皐月賞で勝利収めた名馬たちの様に
オルフェーヴルも名馬への第一歩を歩きだした。