物怪観光的ロボット博覧会 特別展示室「日本物怪観光版・學天則」 | 日本物怪観光のブログ

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12月末まで、MoMO(物怪博物館-the Museum of Mononoke Object)では、『物怪観光的ロボット博覧会』と題して、物怪観光所蔵のロボット関連資料を紹介する、ブログ上の特別企画展を開催致しております。不定期ですが、記事同士はリンクを張って行きますので、チェックしてみて下さいませ。

第3展示室から順路に沿って次の作品の前にやってきました。

こちらには、天野行雄(日本物怪観光)制作の學天則が展示してあります。
この展覧会を開催するきっかけになったのは、小説「虚実妖怪百物語・文庫版」の表紙用に、この學天則を作ったからなのでした。

石粉粘土とエポキシパテで作られた最初の原形。
関節の可動は色々と考えた末に、球体関節にしました。
組み上げる前のパーツ。
霊感灯は発光ギミックを考えてクリア素材で複製しました。

着物で見えませんが、胴体下部からは、空気を送り込むチューブが無数に伸びています。

頭部の装飾はプラキャスト製のパーツを複製して貼り付けて行きました。

着物を想定して、身体の骨組みは頭部より細身にしています。
台座の哲学的な思想を反映した装飾も再現しました。
學天則の顔は、様々な国の色々な人種のパーツで出来ています。物怪観光版は、そこを意識しつつも、立体作品として、なめらかな顔立ちにしたかったので、様々な国の造形物の雰囲気を盛り込むことで、西村真琴教授の意志を反映させようと考えました。
あれこれ考えた結果、アフリカ彫刻やワヤン人形、仏教彫刻など取り入れました。

左手に持つ霊感灯は発光する仕掛けになっています。
腕が可動する為、有線には出来ないので、ボタン電池を手の甲に仕込んでいます。
机の上には紙1枚を置いただけのようでしたが、学者のような雰囲気から、羊皮紙で出来た古めかしい本のようなイメージの物を置きました。

今回は撮影後も作家さんに引き取られることを想定していたので、手の甲の電池交換ができるように取り外し式にしました。
こちらは電池の入っていない右手ですが、バランスをとるため、同じようにイミテーション彫刻を施しました。

告暁鳥は本来は學天則の座る台座の屋根にとまっていて、翼を広げると10メートルくらいあったと言います。
今回は予算的にも時間的も何よりスペース的にも難しかったため、背部に鏡状の衝立を立てて箔貼りした上から鳥の絵を描きました。
銅鏡のようなものに告暁鳥が映し出されると、霊感灯が灯るみたいなイメージです。

以下は撮影中のオフショット。
カドカワのカメラマン・後藤利江さんの撮影したもの、装丁を担当したデザイナー・坂野公一(welle design)が撮影したもの、物怪観光が撮影したものが混在しています。




日本人の叡智を込めたスーパーロボット。
ご堪能戴けましたでしょうか。

この學天則は、張り子作家・荒井良さん制作の朧車、造形作家・山下昇平ちゃん制作の邪神と共に、京極夏彦さんの著作『虚実妖怪百物語』文庫版の表紙を飾っています。