現代人の心にも響く空海の教え | 注文の多い蕎麦店

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人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。


京都駅に用事があったときはいつも
少し足を伸ばして東寺に参拝するのが定番になってるのですが。


 

この地を真言密教の根本道場として築き上げたのは弘法大師空海。

 


 

彼の残した言葉は現代の人間にも(逆に現代人にこそ)十分応用できる真理を捉えていて。
それぞれの生きる指針になりうる非常に有用なものがたくさんあります。


 

例えば上記の場合だと。

執着して三界を愛す。誰か煩悩の鎖を脱れん。
というのは性欲も食欲も金銭欲も物欲もあらゆる欲は元々人間に備わった本能なので
これらを全否定する必要はない。
ただしこれらの欲を全て受け止めた上でコントロールすることこそ人間に与えられた宿命である。
ということ。

そして
凡夫狂酔して我が非を悟らず。
というのは自分を見失った人間は悪いことは全て他人に原因があるのだ。
と思いがちだが実は全ての原因は自分自身から出ているものだ。
ということ。

そして
地獄はいずれの処にか在る。いずれか自心の中に観ん。
というのは地獄も天国も実はどちらも同じ環境であり
自分が辛いと思えば地獄だし楽しいと思えば天国というだけのこと。
自分の視点を変えるだけで地獄も天国に変わる余地があるのだよ。
ということ。


 

結局はこれらの言葉に共通する真理は。
この宇宙上に存在する生や死も人や虫も風や土も
怒りや喜びもお金や名声も戦争や喧嘩や妬みや嫌悪や幸せや愛さえも。
あらゆる全ての物事が自分自身の中に落とし込めるのだよ。
いやむしろそれらは全て世界中の人間一人一人の心の中から生まれているのだよ。
ということなんじゃないでしょうか。


 

世界中のあらゆる問題の紐を辿っていけば結局はそれぞれ個人の感情の中に行きつくと思うんですね。
だからそれらの人間に備わった本能的な感情を全て否定するんじゃなくて
それらをちゃんと受け止めた上で。


 

じゃあ僕らは人としてこの感情をどうコントロールすべきなんだろう?

ということを世界中の皆が模索していくしかこの宇宙の全生命体が共存できる術はないんじゃないでしょうか。
なかなか空海さんの境地に辿り着くには時間がかかりそうですが
せめて自分自身の欲望や感情をまるまる否定しないで
それらを含めた丸ごとの自分を好きでいたいなあ。
と何となくそんなことを想う今日この頃。


 

とりあえずは今耳元でブンブン飛んでる蚊を。

ぶっ殺してやる

という感情も否定しないでおこう照れ