同業者も驚きの超多加水蕎麦 | 注文の多い蕎麦店

注文の多い蕎麦店

人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。

 

十割蕎麦は蕎麦粉と水だけで作ります。

ということは蕎麦の実の品質はもちろん水の質が蕎麦の仕上がりに大きく影響を及ぼします。

ポイントは基本的に以下の三点。

 

①水の硬度。

一般的には軟水の方が繋がりが良くなる傾向がありますが僕の経験上ミネラルが少ない軟水ほど繋がりはよくなるが仕上がった蕎麦の風味も乏しくなるようです。

もちろん塩素消毒された水道水では塩素が蕎麦の香りも消してしまいますし非加熱とはいえ繰り返し濾過して不純物を取り除いたペットボトル入りの市販ミネラルウォーターでは蕎麦の風味も落ちます。

なので僕は硬度は高くても加熱濾過されず微生物も含まれる天然水を利用して蕎麦を打ってます。

今使用している水は硬度でいうと104度くらいのカルシウムの多い中硬水ですので蕎麦切りにすると多少短く切れ気味になってしまうのですが繋げることよりも蕎麦の風味を最大限に活かすことに重点をおいてますのでヴィジュアル面には目を瞑ってます。

 

②水の温度。

基本的に水の温度が上がれば上がるほど加える水の量(加水率)も少なくてすみますが感触が軟らかくなってシャープな蕎麦にならないので冷水を使用している店がほとんどでしょう。

ただし冷水で蕎麦を打つとどうしても閉まり気味になるので食感は硬めの蕎麦になります。

僕の場合は先にも言ったとおりヴィジュアルよりもいかに蕎麦の風味を消さないか。ということに重点をおいてますので水温は20~25℃ほどの常温で使用しできるだけ蕎麦にストレスのかからないようにしてます。

 

③加水率。

つまり加える水の量。

蕎麦打ち教室なんかでは加水率は50%でと教えるところもあるようですが先にも述べたように水温や湿度が高くなるほど加水率は少なめに逆に気温が高いときは加水率はやや多めに設定したほうが蕎麦自体は打ちやすいです。

僕の場合は何度も繰り返しになりますが打ちやすさや仕上がりのヴィジュアルよりもいかに蕎麦本来の持ち味を消してしまわないか。

ということのみ考えてますので出来るだけ捏ね時、延し時に蕎麦にストレスがかからないような打ち方をしてます。

だから加水率は最近の気温湿度だと驚愕の約70%!

 

同業者の方に加水率70%と言うとまあ大抵の場合びっくりされてしまうんですけどそれも当然の反応です。

だって玄挽きとはいえ通常50%前後の加水率よりも20%も多い水を加えると蕎麦はいわゆる「ずる玉」という状態になってしまいべとべと引っ付いてしまうのでとても蕎麦切りにはできないですから。

ただこれくらい水を多めに加えると捏ねるとき延ばすときにほとんど圧力をかけずにすみますので蕎麦の風味自体は最大限に発揮できると僕は考えてます。

問題はどうしても切ったときに蕎麦同士が引っ付き気味になるんですよね(^_^;)

引っ付かないように打ち粉を多めに使えばいいんですけど元々繋がるか繋がらないか際々の状態まで粗く挽いてるので余分な粉をはたけないんですよね。

 

打ち粉が多いと余計な風味が混じっちゃうし粉っぽくなるし何より茹で水がすぐどろどろになるので何回も替えなくてはいけません。

もう最近は開き直って蕎麦が引っ付いて何が悪い!

男は見た目よりも中身やろが!!

って半ば強引に納得してもらうようにしてますアハハ(^▽^;)