折れた煙草を抱きしめて4 | 注文の多い蕎麦店

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人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。

この話はたぶん以前にも書いたと思うんですけど。

図書館でさー君がやくざの息子にボコボコにされた話。
そして僕がそこから逃げた話。

正確には逃げたんではなくて隠れたんです。
ほんとに最低です。
隠れてさー君がボロボロになるのを黙って見てたんです。

とにかく怖くて・・・

あの時。
泣きじゃくるさー君にかける言葉なんてもちろんなく。

大丈夫か。

・・・

ごめんね。

・・・

その後、彼と遊んだ記憶が全くありません。
中学も同じ学校だったんですけど。
その時は意識して避けました。

申し訳ないという後ろめたさ半分。
昔の汚点を消し去りたいという姑息さ半分。

本題。
折れた煙草を抱きしめて。
結局彼との交流はあの図書館が最後となりました。

今でも彼の煙草屋前をよく通ります。
と言ってもスーパーはもちろん
煙草屋なんて跡形もありませんが。

あの時。
あの図書館で真っ二つに引き裂かれた友情。
僕はそれを拾おうともしなかった。
むしろもみ消そうと躍起だった。

今なら拾って半分だけ吸えるかな。
彼も半分吸ってくれるんじゃないかな。

さー君はそういう奴でした。

またどこかで会えるかな。
きっと彼はこう言うはず。

え?そんなことあったっけ??

さー君はそういう奴でした。

完。