この話はたぶん以前にも書いたと思うんですけど。
図書館でさー君がやくざの息子にボコボコにされた話。
そして僕がそこから逃げた話。
正確には逃げたんではなくて隠れたんです。
ほんとに最低です。
隠れてさー君がボロボロになるのを黙って見てたんです。
とにかく怖くて・・・
あの時。
泣きじゃくるさー君にかける言葉なんてもちろんなく。
大丈夫か。
・・・
ごめんね。
・・・
その後、彼と遊んだ記憶が全くありません。
中学も同じ学校だったんですけど。
その時は意識して避けました。
申し訳ないという後ろめたさ半分。
昔の汚点を消し去りたいという姑息さ半分。
本題。
折れた煙草を抱きしめて。
結局彼との交流はあの図書館が最後となりました。
今でも彼の煙草屋前をよく通ります。
と言ってもスーパーはもちろん
煙草屋なんて跡形もありませんが。
あの時。
あの図書館で真っ二つに引き裂かれた友情。
僕はそれを拾おうともしなかった。
むしろもみ消そうと躍起だった。
今なら拾って半分だけ吸えるかな。
彼も半分吸ってくれるんじゃないかな。
さー君はそういう奴でした。
またどこかで会えるかな。
きっと彼はこう言うはず。
え?そんなことあったっけ??
さー君はそういう奴でした。
完。