結局ね。
その子は出てきませんでした。
きっと恥ずかしかったんでしょう。
そりゃそうだ(笑)
その後やたら避けられるようになりましたし(汗)
後は特に目的なんてもうない。
盗んだバイクで走り出す。
ただその行為に酔いしれる。
もう十分だ。
元の場所に返しに行こう。
そう言ったのも彼でした。
盗られた人が困るだろ。
そんなところも僕が彼と一緒にいる理由。
結果はこれがまずかった。
無灯火でニケツ、一方通行逆走、信号無視。
そして窃盗。
初犯ながら家裁送致です。
ここで問題になったのが彼の進路。
なんせ地元陸上界の期待の星。
すでに内定の決まっていた強豪高。
その道にいささかの曇りが・・・
と思ったんですけど。
結局揉み消しです(笑)
まるで何事もなかったかのように。
一芸は身を助けるということか。
おかげで共犯の僕もすっかり真っ白(笑)
いやあ世の中うまいことできてるもんだ。
なんて15歳にして世間の仕組みを学びました。
そんなこんなで卒業間近。
彼と疎遠になる出来事がありました。
ある日の帰り道のことです。
家が近いこともあり。
よく彼とは一緒に帰ってたんですけどね。
とくに話すことはないんですよ。
だってかなり気合入れないと聞こえないし(苦笑)
ふいに後ろから呼び止める声。
おい!ちょっと俺らに付き合ってや。
去年までよく一緒にいたやんちゃっ子二人組み。
続く。