もう会えないってわかっているのに | 注文の多い蕎麦店

注文の多い蕎麦店

人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。

傷つけてしまったね。
もう会えないってわかっているのに。

忘れられない旅の思い出。
無邪気だった青春の思い出。

白銀の世界に舞い降りた妖精。
きらきらきらきら眩しくて。

目を背けたわけではないけれど。
君はいつも顔を上げないから。
隠そうとする右目に隠された真実。

知らなかったわけじゃないけれど。
哀れんだ記憶もないけれど。

そっと手を伸ばした君の瞳へ。

隠さないでいいよ。
その瞳の奥には本当の涙が詰まってる。
見たことも無い美しい涙だ。

東と西は遠すぎて。
月に一度のシンデレラ。

でも一緒にはなれないんだ。
だって僕には。

姉妹と偽った儚い嘘。
どうせすぐに弾けてしまうのに。
しゃぼんのように。
風船のように。

君から届いた最後の手紙。
開けることはできなかったよ。

弾けて飛んだ夜明けの稜線に。
ふわふわふわふわ。
弾けて飛んだ。

もう会えないってわかっているのに。