なんだこれは。
ただでさえ人見知りの僕。
しかも日本語は全く通じない。
片言の英語ならいけるようだが。
しかしなんだこのシチュエーションは。
後から聞いたんですけどね。
日本人って結構タイ人からモテるんです。
男も女も。
でね。日本人と友達になりたい女の子を
連れてきたらしいんですけど。
そんなのわかるわけないじゃない。
いきなり女の子連れてきてはいどうぞって。
僕はてっきりこの女やるから
葉っぱ買ってくれってことかと邪推し。
適当にあしらったんですよ。
君はタイプじゃないと。実はど真ん中ストライクですけど。
女自体嫌いなんだよと。実は大好きですけど(笑)
で面倒くさくなってね。
実は僕はゲイだと。女には興味ないんだと。
ようやく彼女納得しました。
これが後々悲劇を生むとは。
次の日からね。
その日本かぶれの店員。全く近寄らなくなったんですけどね。
代わりに僕の前に現れたのはこの店のオーナー。
ニヒルな中年男。彼が醸し出す雰囲気は。
間違いなく男色家のそれ。
ああなんか面倒なことになってきたなあ。
と思う反面。
この状況を楽しんでる自分もいるわけでして。
その彼がね。唐突に。
よし。ゲームをしようじゃないか。
そしてポケットから取り出したのは数個の王冠。
よく見とけよ。
おもむろに王冠を並べてはひっくり返して
並べてはまた返して。
ははああん。要は日本で言う○×ゲームだな。
で繰り返す練習試合。
なるほど。なんとなく分かってきたぞ。
すると彼が。
よし。次は真剣勝負だ。
君が勝ったらここでの食事代全部ただにしてやろう。
ただし負けたら俺の言うことを聞いてもらおう。
うひょおおおおお。
こりゃめちゃめちゃやばいじゃないか。
でも今更後には引けない。
うひょおおおおお。
続く。