タイ王国放浪記14 | 注文の多い蕎麦店

注文の多い蕎麦店

人間は何を食べて命を繋いできたのか?
純粋に生きるための料理を実践し
自然に回帰することで
人間本来の生活を取り戻します。

なんだこれは。
ただでさえ人見知りの僕。
しかも日本語は全く通じない。
片言の英語ならいけるようだが。

しかしなんだこのシチュエーションは。

後から聞いたんですけどね。
日本人って結構タイ人からモテるんです。
男も女も。
でね。日本人と友達になりたい女の子を
連れてきたらしいんですけど。
そんなのわかるわけないじゃない。

いきなり女の子連れてきてはいどうぞって。
僕はてっきりこの女やるから
葉っぱ買ってくれってことかと邪推し。

適当にあしらったんですよ。
君はタイプじゃないと。実はど真ん中ストライクですけど。
女自体嫌いなんだよと。実は大好きですけど(笑)
で面倒くさくなってね。
実は僕はゲイだと。女には興味ないんだと。
ようやく彼女納得しました。
これが後々悲劇を生むとは。

次の日からね。
その日本かぶれの店員。全く近寄らなくなったんですけどね。
代わりに僕の前に現れたのはこの店のオーナー。
ニヒルな中年男。彼が醸し出す雰囲気は。

間違いなく男色家のそれ。

ああなんか面倒なことになってきたなあ。
と思う反面。
この状況を楽しんでる自分もいるわけでして。

その彼がね。唐突に。
よし。ゲームをしようじゃないか。
そしてポケットから取り出したのは数個の王冠。

よく見とけよ。
おもむろに王冠を並べてはひっくり返して
並べてはまた返して。

ははああん。要は日本で言う○×ゲームだな。

で繰り返す練習試合。
なるほど。なんとなく分かってきたぞ。
すると彼が。

よし。次は真剣勝負だ。
君が勝ったらここでの食事代全部ただにしてやろう。
ただし負けたら俺の言うことを聞いてもらおう。

うひょおおおおお。
こりゃめちゃめちゃやばいじゃないか。
でも今更後には引けない。
うひょおおおおお。

続く。