どうにか辿り着いた大理古城。
高速バスは古城の大門前で停車。
ほっと一息。バックパック担いでいざ大理へ。
と思ったら意外に降りる人が少ない。
ちょっと気になったんですけど。
運転手は確かにダーリークースーって言ってたよな。
まあ現地人は観光地に用はないだろし。
いざ大理へ。ん?何かおかしい。
門はあるんだけど肝心の町が見えない。
門の向こうは果てしない一直線。
バス行っちゃった。
慌ててガイドブック広げてみたら(降りる前に広げておきなさい)
市街地一つ手前のバス停じゃないですか。
でもこの時はそんなに気にしてなかったんです。
一駅分のんびり歩いてきゃいいか。
景色も綺麗だし。
中国の一駅をなめてはいけません。
行けども行けども同じ並木道。
なんせ人生初の放浪旅。
念入りに用意した荷物でバックパックはぱんぱん。
そのくせ水も食料も備蓄はわずか。
2時間経過、3時間経過。
行き交う車さえまばらな一本道。
もちろんヒッチハイクする勇気もなし。
たまに通り過ぎるバスもどこ行きかわからない。
もうだめだ。いやもうちょっと。
もう歩けない。あともう少し。
そんな逡巡の末ようやく辿り着いた大理市街。
結局5時間歩きました。
あの時の感動は今も忘れません。
家がある。人がいる。ごはんがある。
当たり前のことがこんなに有難い。
この町でバックパックの中身が半分に減ったのは
当然の結果。
とりあえずガイドブックに載ってるゲストハウスへ。
とにかくびっくり。宿の住人は日本人だらけ。
結構な中国の僻地ですよ。なんでこんなにいるの?
日本の生活が嫌で飛び出した若者(おっさんもたまにいます)
が作り上げた小さい日本。
君たちはなんのために日本を離れたんだ。
君たちはここで何をしているのだ。
もちろんそんなことは言いません。
とにかく寝られさえすりゃそれでいい。
もう疲れた。
2、3日そこにいたんですけど。
結局誰とも馴染めませんでした。
同室の男の子は京大の医学部。
しかも在学中ですよ。
君はここで何の医学を得るのだ。
やっぱり言いません。
昼間から皆で中庭に集まり、ギター片手に
日本の歌謡曲大合唱。
君らはここで一体何を・・・
人生初の放浪旅。
最初に知ったのは荷物を最低限にすることと
異国の地で出会った奇妙な日本人たちの存在でした。
続く。