虫だ、まだ虫だ | ものぐさな春乱のブログ

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休みはいつも散歩してます。

「虫だ
まだ、虫だ」

早川義夫の歌「人間のバラード」の歌い出しがこれである

相変わらず度肝を抜かれる

思わずカフカの「変身」を思い出す

ある朝目が覚めたら、主人公は虫になっている

巨大になりすぎて、ドアから出られなくなり、
時々、妹がエサを持って来てくれる

なぜ自分は虫になってしまったのか、主人公は必死に考える

そして自分には人間として、大切な何かが欠落していることに気づく

そんな話だったと記憶している





虫といえば、

子供の頃、仮面ライダーが好きだった

この仮面ライダー、元ネタはカフカの「変身」ではないだろうか?

仮面ライダーはバッタをモチーフにデザインされたという

まさに虫である

今や、さわやかな青年になってしまった仮面ライダーだが、

原作は、暗〜いマンガなのだ

陰鬱な雰囲気が漂っていた

悪の秘密結社「ショッカー」に改造人間にされ、
一人でショッカーと戦っていた

「僕は化け物だ」

戦いに疲れたとき、本郷猛はそうつぶやくのだ

「僕の仲間である改造人間たちは、すべて僕の敵なんだ」

虫になって、部屋から出られないカフカの「変身」の主人公と、孤独であることが共通している

そして何か気持ちの悪い生き物として扱っているところも、同じだ




幼児体験とは、いろいろと影響を残すもので

どうも僕は暗さを抱えていない人を愛せない

どこか孤独でなければ、かっこいいと思えない

ニコッと笑うと、日焼けした顔から白い歯がキラリンと光る爽やかな茅ヶ崎のサーファーなど、ちっともかっこいいと思えない(笑)

大好きなジョン・レノンは、
アル中のジャンキーだし

好きな漫画家のつげ義春は赤面症だし

早川義夫も明らかにどこか病んでる

こんな趣味になったのは、きっと仮面ライダーのせいだ(笑)







ところで、僕は絵が下手だ

これはもう幼稚園児のころからのコンプレックスである

しかし仮面ライダーの絵は、何度も描いていた

どれぐらい好きだったかわかるというものだ

授業中、僕のノートは仮面ライダーで埋まっていた

小学校の4、5年のころだ

43年ぶりに、当時の記憶をたどって描いてみた

ロッテリアの紙ナプキンに(笑)

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ちょっと首が細すぎかな?(笑)

これはボールペンだけど、当時は鉛筆で描いていたから、もっとキレイに描けたと思う

これを見て、やっぱり仮面ライダーは虫であり、不気味なものとして描かれたものだと思う




さて、僕は人間だろうか?




いや、

虫だ
まだ、虫だ