昨日のことが原因で、加奈の周りはゴタゴタらしい。
週刊誌では『弟分は加奈の恋人!! ラジオで大胆告白!!』
とまで煽られていた。

加奈は泣いて事務所の社長に頼んで俺を事務所に入れてくれた。

「レン君。 もう記者会見始まるよ」
「え? あぁ、今行くよ」
俺は加奈の隣に並んだ。
もう俺は一般人でなく芸能人になる。
「ねぇ… kissしてくれない?」
あのラジオ以来、kissは全然していなかった。
「いいよ」

おれは加奈の唇に優しくkissをした。
「………」
加奈は顔を赤くして照れた。
「……黙んないでよ」
俺も心臓が張り裂けそうなくらいドキドキしている。
好きな人が近くにいるのは緊張するんだな…

「だって…… 恥ずかしいぢゃん……」
加奈は頬を膨らせていじけた。
可愛いな……

「自分で言わないでよ。 ほら、早く行くよ」
俺は加奈の頬にkissをして記者会見に行った。
後で起こられるだろうな………

でも、加奈と一緒ならそれでいい…………
「意外に律儀だね。 加奈ちゃんは弟をどう思ってるの?」
「レン君は私の弟で私のタイプです。 ね?レンくん」

・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆・:

「え? 何か言った?」
俺は練習に夢中になって全く聞いていなかった。
なんて言ったんだろう……
「錬哉君? もういいかい?」
「あぁ、大丈夫です」
俺は小走りで自席に戻った。

「んじゃぁ歌ってもらいましょう!! 星野錬哉でCOSMOS」
俺は深く深呼吸を一回して、立ち上がり歌い始めた。
『夏の草原に 銀河は 高く浮かぶ
胸に手を当てて 風を感じる
君の温もりは 宇宙が燃えていた
遠い時代のなごり 君は宇宙
100億年の歴史が 今も体に 流れてる
光の声が空高く聞こえる
君も星だよ みんな みんな……』

しばらくラジオは静かになった。

そして口を開いたのは加奈だった。
「レン君…… 私の初めて歌った曲を何で知ってるの?」
「昔好きだった人が言ってたんだ…… 『星野加奈のCOSMOSが大好き』だって」
昔好きだった人は……
何でそのことを思い出したんだろう……

「ねぇ… それってチャット?」
加奈の口から意外な言葉が出てきた。
何で分かるんだ?
「え? あぁ、そうだよ」
いきなりの言葉に驚きながらも答えた。
何で聞いたんだ?

「え? まさかレン君ってあの…… 錬哉?」
その言葉で確信を持てた。
加奈は………
「愛理……」
死んだはずの愛した人にあった気分は、言葉にできなかった。
涙が溢れ出しそうになった。
「その呼び方はやめてよ。 もうあのときの自分じゃないんだから」
加奈の目には涙が浮かんでいた。
今俺はなんて言えばいいんだろう……
「加奈…… ごめんね…」
俺は下を向いて涙を流した。
加奈に合わせる顔がない……

「いいよ… 私もごめんね… 私もレン君に愛しか求めてなかった… 本当にごめんね……」
加奈は俺を静かに抱いた。
身長のせいで抱きにくそうだけど、精一杯抱いてくれている。

「加奈… なにをすれば許してくれる……」
俺は涙を流して加奈に聞いた。
涙で目の前が霞みそうなくらい泣いた。
「そうだね… ずっと私の恋人にいてくれたら許してあげるよ」
俺は驚いた。
一度捨てられた男の元に戻るのか……
「え? でも俺は……」
「ごちゃごちゃ言わないの。 ……愛してるんだもん」
加奈はこっちをゆっくりと向いた。
そして、唇にゆっくりと加奈の唇が触れた。
しばらくたって俺たちはあるビルについた。
どうやら一階はスタジオで観客が居るらしい。
「あれ? 君は?」
ビルに着くとアシスタントの人に止められかけてしまった。
「加奈ちゃんの弟分の爛崎くんだよ」
糸川さんが俺の肩を軽く叩いて教えた。
「爛崎 錬哉です。 よろしくお願いします」
俺は挨拶をして頭を下げた。
「へー、加奈ちゃんの弟分か…… どちらかというと兄貴分にに見えますけどね」
「まぁ、身長差もあるからね」
糸川さんは苦笑いをしながら答えた。
俺も正直、周りから見たら俺の方が年上に見えてる気がしていた。
「まぁ、中に入って下さい。 後で話しましょう」
俺たちは加奈の楽屋に案内された。

「すぐ呼びますので、諸事情は済ませてくださいね」
それだけ言ってスタッフは楽屋から出た。
「今回こそは見学になるよな」
「どうかなぁ? でも、どちらかと言うと出るかも」
「なんで?」
「なんとなく。 女の勘だよ」
勘ですかぃ……

「では、加奈ちゃん。 それと弟君も来て」
スタッフが来て加奈と……俺?
「早く行こうよレンくん」
加奈に腕を捕まれ俺はそのまま小さなスタジオに連れて行かれた。

『キャーキャー!!!』
観客は盛り上がっていて、非常に入りにくかった。
が、そのまま連れられて俺はスタジオの中に入った。
「はい。 今日のゲストは加奈ちゃんとその弟です」
『え? 弟なんて居たの?』
『弟が居るのか… 何か意外だな』
会場はいきなりざわめいた。
まぁ、無理もないよな……

「まぁ、始まったのですが… 弟君の名前は?」
「錬哉です えっと…まだ右も分からぬ端くれ物ですが、よろしくお願いします」
「ほぉ、意外にまじめ君なんだね。 年はどんくらい違うの?」
「えっと… 1歳差だよね」
俺は加奈の方を向いた。
「私を向かないでよ;; それくらいは分かるでしょ?」
「仲いいですねぇ では本題に入りますが、今リスナーの方から質問が来ているので、答えてください」

「えーっと、まずは、加奈さんにです。 弟が居るとは初耳ですが、どうして今になって弟と出たんですか?」
「あのぉ…… それは…」
「この前まで引きこもってたんですよ。 最近やっと復活できたんです」
俺は加奈に合図を出した。
「へー、意外に複雑な家庭なんだね。 んじゃぁ次の質問です。
おっとこれは錬哉君にだね。
錬哉君の歌唱力を教えて欲しいだそうです」
「か、歌唱力ですか? と言うことは歌えと……」
「そうなるね。 加奈ちゃんの曲でもアカペラで歌ったら?」
「アカペラですか…… ちょっと練習してきます」
俺はスタジオの端に行って練習を始めた。
意外に難しいなぁ……

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「意外に律儀だね。 加奈ちゃんは弟をどう思ってるの?」
「レン君は……」