さくらんぼ*ブログ -7ページ目

さくらんぼ*ブログ

何とかしよう!

 福島民報社は福島県内に25万人以上の購読者を持つ県内で最も有力な地方紙だ。1月26日に県民健康調査問診票の回収20.8%低迷続くと一面トップで打った。県民健康管理調査検討委員会で明らかにしたものだ。座長はかの福島医大副学長の山下俊一氏だ。


 また、同会議で18歳以下甲状腺検査の結果が報告された。二次検査の対象となったのは5.1ミリ以上のしこりを持つ26人0.7%だ。29.7%が5.0ミリ以下のしこりが確認された。山下座長は26名については原発事故に伴う悪性の変化ではないとした。また、29.7%も良性とした。超音波検査だけでこれほど簡単に断定できるのだろうかと大いに疑問に思った。


 何しろ福島県放射線健康リスクアドバイザーとして3月下旬から県内を安全です心配ないと講演して回った方だからあまり信用されてはいない。それがなぜ福島大学副学長になるのか怪しいと感じる。ところが通販生活春号で山下氏に市民グループの不信感をぶつけるとして神谷さだ子がインタビューし、「先生のお気持ちはよく理解できました」、山下氏の考えがきちんと説明されていないから誤解につながっていると記事はまとめられる。


 しかし、山下俊一氏が中心となって進めている県民健康調査は被曝地フクシマの県民の健康を第一に考えているとは到底思えない。回収率が上がらない理由のひとつだ。山下氏の言う「世界の防護基準」、100mS以下しきいちなしモデルはえせ科学だからである。


 極端な言い方を好まないが、例えば医療問題研究会は「あいまいなうちに決定された基準値(20mSvや100mSvが、実際は大変な健康被害がありながら、国連科学委員会がえせ科学的知見を発表し、ICRPが勧告し、各国が法令で定めるという不合理がまかり通っている」(「低線量・内部被爆の危険性」)とする。つまり、山下氏が国際的というICRPが信頼できないのである。この本は医学的根拠と副題にあるとおり、チエルノブイリの小児甲状腺がんの調査の読み方などの偽りなどを示し数多くのデータを示し説得力がある。


 東電福島原発大事故でわかったことは国際機関や国の公的組織、専門家が同じ穴のムジナであることと彼らの化けの皮が剥がされ権威が地に落ちたことだ。ところが、県民健康管理調査には相変わらず従来の放射線防護の主流が中心に居座って描いたものであり、とても安心して任せることはできない。


 最大の問題は県民健康調査の基礎調査が昨年の3月12日から7月1日外部被爆をしか調べないことだ。低線量・内部被爆の危険をほとんど配慮しない。ホールボディカウンターでは内部被爆で大きな障害をもたらすα線、β線は測ることができないのだ。


 次に山下氏はチエルノブイリで疫学的に障害があると認められたのは小児甲状腺がんだけだとして、その検査にしか興味がない。同じくチエルノブイリに関わった菅谷氏は低線量・内部被爆について、「たとえ、微量の内部被曝であっても甚大な影響を受ける可能性は否定できない」という。


 さらに、内部被曝の実態が十分科学的に解明されていないけれども、チエルノブイリ事故後10年以上経過して、高度汚染地域で「子どもの甲状腺ガンの発症率が100から130倍にはねあがったことは紛れもない事実だ」から、安全対策にやりすぎはなく、例えば食品の基準等は厳しくすべきだという。


 つまり、甲状腺がんだけではなく白血病や先天性異常、免疫機能の低下その他の障害がチエルノブイリや原発労働者にも起きている。県民健康管理調査ではこれらの障害が起きても原発事故とは無関係とされるのは確実といっても良いと思う。なぜならば、山下氏の立場がICRPに基づいているからである。制度設計をみても低線量・内部被爆の障害を調べる調査がないのである。


 どちらが正しいかの議論をしている時ではない。菅谷昭、児玉龍彦、肥田舜太郎、武田邦彦氏らの低線量・内部被爆の障害についての警鐘を真摯に受け止めて、国と首長は早急に手を打つべきである。野田政府と財務官僚は何らの根拠もなかった20キロ圏内の避難指示に固執して、除染や帰還を描きさも対策をとっているようにみせかけている。


 健康管理の先行調査を行なったのは飯舘村、浪江町、川俣町山木屋地区である。この地域は20キロ圏外で避難指示地域ではないが極めて高い放射線量を浴びていた。菅政府は事故後ひと月も経った4月12日になってようやく計画的避難区域としたものである。指定から1ヶ月をかけてようやく避難が完了した20キロの円が恣意的だった証拠だ。ここに子どもたちが暮らしていたことに胸は痛まないのか。


 さらに、線引きは20mSvととんでもなく高い年間線量である。チエルノブイリでさえ5mSv以上が避難義務としたのにである。菅谷昭氏は福島県の小児甲状腺がん検査についての考えの中で通販生活春号で言う。「福島市、二本松市、郡山市等でも、チエルノブイリで深刻な健康被害が起きている地域と同じくらい一部が汚染されてしまっています」。ところが菅=野田、財務官僚らはこの実態を無視し、20mSvまで我慢せよという。「国は汚染度の高い地域から、子どもや妊産婦を早期に、かつ地域ぐるみで汚染のない場所へ、一定期間避難させたほうがよいと思います」という菅谷氏の言葉を受けとめて実行する政治はないのか。


 山下氏は福島の子供を守ると今ごろ言う。これが本当とは到底思えない。彼は3月下旬に福島入りしたとき、県内の放射線量を知っていたのだろう。だから100mSv安全だを言って回ったはずだ。彼の立場からは事故直後に避難せよとかヨード剤を服用させよという発言は望むべくもない。また今でも菅谷氏のような発言を望めない。科学者として失格だと言っても仕方がない。何しろICRP、学会主流なのだから。


 県民健康管理調査についてはフクシマの個人にはセカンド、サードオピニオンを求める権利がある。山下氏らと国の立場がわかった以上、菅谷昭、児玉龍彦らのような慎重な考えに立つ医師らに診察を求めたいものであある。わが国のどこかにそうした医師たちはいるはずだ。


 山下氏は5年後に子どものがんの発症率が0.2%だとなれば、5年前の放射線の影響だと推論されるなどと疫学的に言う。だが、菅谷氏は言う。「政治家や官僚、あるいは研究者は、『統計』や『集団』という形で物事を考えたり処理しがちだ」、大切なのは個々のケースであり、「本人の辛さや悲しみ、家族の切ない思いを目の当たりにすると、ひとり、ひとり、個々の命こそが大切であることを改めて痛感する」(「新版チエルノブイリ診療記・福島原発事故への黙示」)


 菅谷氏のような視点で人間のための政治は行われないのか。30キロ圏外に放置されている福島市、二本松市、郡山市等からの救出を切なくも、また静かな怒りを持続させて願っている。

 福島民報は「3.11大震災断面」の連載を続けている。今日は「ガイドライン効果不十分」と大見出しがあり、除染技術問題を論じている。つまり、国のガイドライン(1~20mSv)で行なっても道路線量が下がらないというのだ。


  除染については、児玉龍彦東大教授が国会等で訴えて以来広く知られるようになった。東電福島原発から大量に放出された放射性物質による内部被曝が危険だとの厳しい認識からだ。体内に入った放射線は細胞内のDNAを傷つける。ヨウ素は甲状腺に、セシウムは腎臓に集まり特定の部位が繰り返し傷つけられてがんを発症するのだ。特に増殖の盛んな細胞に対して危険が大きく妊婦や胎児、幼い子供ががんの発症が高くなりやすいという。


 「内部被爆の真実」(児玉龍彦幻冬舎)、「内部被曝の脅威」(肥田舜太郎ちくま新書)、「内部被曝の危険」(矢ヶ崎克馬本の泉社)、「低線量・内部被曝の危険性」(医療問題研究会耕文社)、「新版チエルノブイリ診療記」(菅谷昭新潮文庫)を読むとよくわかる。「たとえ微量の内部被曝であっても甚大な影響を受ける可能性は否定できない」と菅谷昭がいうとおり事は深刻である。


 国連科学委員会とICRPが作ったえせ科学的知見をもとにした我が国の20mSvの基準など到底信頼できないのだ。彼らはチエルノブイリ原発事故の影響を過小に見積もった。東電福島原発大事故を小さく見せて金を出そうとしない菅=野田政府と財務省はそれにのったのだ。国民の健康など考えない政府に激しい憤りはおさまらない。


 100mSv以下ならば安全と国や学会や山下俊一などがいうが根拠は全くない。この人たちと論争などしている暇はない。ICRP、日本学術会議、日本医学放射線学会等を根拠に持ち出したら大いに注意して信じてはいけない。核開発や原発推進のために犠牲もやむを得ないなどとリスクと人ごとで片付けたもので科学や医学ではないのだ。


 国が除染を言い出したのはどうやらフクシマの人々の不安を何とか抑えようとの魂胆ではないかと思えてきた。30キロ圏内の避難地域は国が直轄で、30キロ圏外は自治体でと分けている。避難では金がかかりすぎるから除染でもと本気さは感じられない。自らも南相馬市に出かけて除染を行う児玉龍彦氏の言う「徹底的」が決定的が欠けている。


 児玉氏は最優先対策である放射線の総量を減らすための徹底的な除染について、「通販生活春号」で次のようにいう。除染で最も大切なのは、「環境中にある放射性物質を隔離して、保管しながら放射能が弱まることを待つこと」である。今行われている除染はどうか。水で洗い流して移動しただけで総量など減りはしない。次に放射性物質がどこにどのぐらいあるかを正しく測定して地域全体ですることだ。山や耕地はいつ実施するのか。


 高圧洗浄機で洗い落とした汚染された土壌を入れ替え、土はコンテナに入れて厳重に保管する。一度では終わらない。3サイクル目の除染を南相馬市の学校で行なっているという。土壌剥離や屋根の交換をおこなって年間1mSv以下に抑えたという。希望はある、除染はできる可能だということだ。

  

 だが、現在の除染は誠にこころもとない。抜本的な仕組みを作り直さなければ徹底除染の見通しが立たないからだ。日本原子力研究開発機構が原発建設に関わってきた企業に恒久的除染を再委託する手法では巨大利権事業の恐れがあるのだ。


 さらに、原子力機構、放射線医学研究所、原子力学会といったこれまで原子力関係者を排除した新たな専門委員会を作れと提案している。もっともなことだ。放医研などはいまだに破綻した100mSvる理論によりかかり、チエルノブイリ膀胱炎はないなどと平気でホームページに載せる有様だ。彼らが安全だと大合唱し、事故は起こるはずがないと言ってきたにもかかわらず取り返しのつかない大事故が起きた。専門家と称する人の信用は地に落ちている。よく陽の当たる道を歩けるものだ。

 

 高い信頼を得られる委員会に加えて民間の力を入れて地域振興や雇用を生み出すことも提案している。誠に正しいまた希望のある提案である。しかし、東電賠償はエコカー減税に1台10万円も出しながら、フクシマの大人にはたったの8万円だという。しかも福島を二つに分断してである。また、18歳以下の医療費無料も財務省はゼロ回答だという。勝栄二郎ら財務省は何を思い上がっているのか。フクシマの人間など少しも大事にしない輩である。国民に選ばれた国会議員の要望を聞く耳を持たず横暴な振る舞いをしている。民主主義の破壊者である。


 フクシマはこうした不確かな効果しかない除染に過大の期待をていはいけない。除染が確実になされなければ当然帰還など不可能だ。さらにもっと大切なのは、30キロ圏外にはチエルノブイリでは避難義務、避難権利となった地域が広範に広がる。国はこの汚染度の高い地域から妊婦や子供を早急に、かつ地域ぐるみで汚染のない場所に一定期間避難させたほうが良いという菅谷昭氏の切実な提案をあくまでも求めていくべきである。


 東電の法的処理は当然であるし、野田首相のしっかり除染などというまやかし言葉ではなく、事実として徹底除染と避難を求めるべきだ。避難の権利はフクシマ自身にあるのであって、行政や首長や偽学者に避難させない権限など微塵もない。理性的な怒りを持続せねばならない。そして、フクシマから遠く離れた人々は正しい政策が実現するよう声を出して欲しい。同情するより、金をくれ。金とはこれらの正しい政策のの実現のことだ。


 

          フクシマひとりの会アピール


「フクシマひとりの会」は東電福島原発事故の汚染対策が進むことを切望し、東電、政府、国民に強くアピールしたい。「フクシマひとりの会」は組織は作らず、下記の8点の趣旨のひとつでも賛同するひとりからひとりへと要望を手渡し広げて、それぞれの場所における行動に生かされることを願う。つまるところ我が国が人間の国になることを強く望むものである。

東京電力福島第一原子力発電所事故から7か月が経過した。野田政府は緊急時避難準備地域を解除し、事故が収束に向かっているとの印象をふりまいている。だが、関東近県も含めてセシウムの汚染マップを文科省が発表したのは7月以降であり、福島県のストロンチウムとプルトニウムの汚染を発表したのも同時期である。この広範に広がる汚染の影響はこれから始まり対応もこれからだと考える。

東電、政府はそれなりに事故後の処理等に対処しているが、最も大切な国民の健康と生活を守るという観点が必ずしも貫かれてはいない。県民健康管理調査の結果等をみても、福医大と放医研が共同で行い、健康に影響なしの判断は100mSv閾値論に立っており、医学的知見である内部被曝、低線量被曝を認めない方向での判断だと言わざるを得ない。



○考え方について 学術会議、放医研等の学会主流によらず、例えば武田邦彦氏、児玉龍彦氏、特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ震災プロジェクトの以下◇の考えに立つ。原子力発電を推進し支持してきた専門家と称する人々の信頼は完全に損なわれた。それらの専門家には一時退場を願う。

 ◇一般公衆の被ばく限度は1年間に1mSvである。

◇内部被曝、低線量被爆の危険性に鑑み、疫学的エビデンスではなく、逆システム理論に基づき予防の観点に立って人々を放射線被害から守ること。

◇電離放射線障害防止規則第28条に基づくこと。



記



1 年間1mSvを超える地域について、きめ細かな放射線汚染の恒常的モニタリングと住民への開示を行うこと。

2 年間1mSvを超える地域について、避難の権利を認め、東電と国が補償しさらに生活再建を保障すること。チェルノブイリにおいては年間5mSvを超える地域が移住地域であったことから、年間20mSvを避難の基準は到底認められない。

3 毎時0.6mSvの地域について放射線管理区域に指定し、立ち入り制限等を行うこと。

4 土壌表面が4万ベクレルの地域を、法律に基づき東電が土壌飛散防止剤を散布し除染を行うこと。また、政府の責任でも除染活動を行い、年間1mSvまでに回復すること。

5 健康管理調査を行うにあたっては、特に3月11日から3月中の各地域ごとの計測した放射線量を開示すること。また、被曝の健康へのリスクをどう判定するのか開示して広く議論できるようにし、福医大と放医研以外の機関において住民がセカンドオピニオンを得られるようにすること。

6 安全を確保するため、食品の暫定規制値を早急に見直し、国際基準の法規制に従うこと。

7 食品の全品検査を行い安全な食品の流通を図る等、国の責任で食料供給体制を整えること。

8 過去の疫学的なエビデンスにとらわれず、過去の被曝の健康へのあらゆる影響の知見に鑑み幅広い観点に立って健康へのケアを行い、さらに医療を無償で行うこと。

2011年10月 作成者 秋沢玲