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何とかしよう!

 「18歳以下県民の医療費無料化」を見送ると、 平野復興相が福島県知事に伝えた。知事はもちろんフクシマも大変残念だとの声があがる。福島再生を最重要課題に掲げる野田首相が11月に知事と会談した際「健康管理が最優先だ」「政府内でしっかり検討する」と述べたが今回もまた財務省に押し切られた。


 財務省は1けがや風邪など軽い疾病と原発事故に因果関係は存在しない、2一部の国民にのみ医療費を補助することは公平の原則を欠くとの論拠で認めない。大きく言えば医学でもない100mSv偽理論に依拠して、東電原発大事故で撒き散らした放射性物質による低線量・内部被曝の影響を見ようともしないことにある。


 広島や長崎の被爆者、東海JCO事故においても自民党政府と官僚は低線量・内部被曝を認めなかった。被害者が裁判に訴えても長い時間がかかって認められない場合がほとんどであり、苦難の道筋であった。東電原発大事故においても病気が原発事故との因果関係が存在すると立証するのは被害者である病気にかかった本人である。原子力損害賠償紛争審査会がまとめた指針に書いてある。(「被ばくと補償」直野章子、平凡社新書)


 かつての被爆者や被曝者が歩んだ被害者がさらに苦しむ苦難の道をまた歩まされることは目に見えている。財務省が相当因果関係などと言っているのは、因果関係がなければ賠償の対象にならないから、他の疾病は無料にしないつまり余分な金は出さないということだ。一見正しいように思うが、なん年も経ってから放射性物質の影響ではないかと思える病気にかかったとき、当事者が因果関係を立証しても恐らく認められないするというひどい状況が待っている。


 さらに悪いことに県民健康管理調査は、外部被爆のみを調べ内部被曝はホールボディカウンターによるものだけである。ホールボディカウンターではγ線しか調べられず、結果は心配ないなどと言うが、水や食物から摂取した放射性物質のα線とβ線による内部被曝は無視するのだ。内部被曝の危険性が大いに心配だと警鐘が鳴らされるが、ICCPの似非科学に基づいた山下俊一氏らは認めない。おそらく小児甲状腺がん以外は影響を認めないのではと今から心配だ。


 だからこそ、ここは18歳以下は無料化をと福島県知事と県議会は国に求めたのだろう。低線量・内部被曝の影響はないなどとは到底言えないし、がん、免疫低下、遺伝的影響をICRPや国が認めなかろうが現実にあるという間違いのない実例は世界中の研究にはあふれている。従って、本当にフクシマの子どもの健康を守ろうという政治ならば、広く医療費を無料にしながら、調査をするという方向が正しいと考える。疫学調査とやらで、何十年もかかってから影響があると認められたところで何になろう。


 チエルノブイリの歴史が語るように、これからフクシマの子供たちや親たちが苦しみ続けるのだ。世界の歴史上かつてない東電原発大事故の今後の健康被害を考えただけでとておも恐ろしい。問題はつまり政治主導を掲げた民主党が、菅首相以来それを捨て去り、強大な権力をもつ財務省の軍門にくだったことだ。野田首相は口癖で「しっかり」といったが結局財務省に押し切られた。 操り人形、パペットといわれるのも無理はない。


 20キロの線引き、除染手法、汚染された状況は変わらないのに早々の帰還などおそらく全てが財務省の悪質な差し金だろう。それにしても選挙で選ばれてもいない財務省の勝榮二郎氏らが国会議員や知事の正当な要望を聞かないとは信じられない。政権交代した民主党のマニフェストを破壊したのも連中であろう。民主主義の破壊者として許しがたい。フクシマの子供に変わって声を大にして言っておく。(「日本の再生」植草一秀、青志社)

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/01/post_3126.html

 フクシマの双葉町には東電第一原発5,6号機があり、東電原発大事故に最も近い町だ。今は埼玉県加須市に全町民が避難している。町長は2期目の井戸川克隆で発言が話題になっている。東京新聞に手記を寄せ、東電が和解案を拒否していると抗議し、国会事故調査委員会で痛烈な証言を行なった。


 正直私も立地町で恩恵をたっぷり受けて、東電とべったりだったのに何を今更と思っていた。中間貯蔵施設だってあそこしかないだろうと。だが、井戸川克隆町長の訴えようとする内容は真っ直ぐで正しいのだ。井戸川氏は事故前の人と同じ人ではない。反面教師にしてくれと言ったとおり、渾身の力を振り絞って、原子力発電や推進政策、原発を推進しようとするがゆえに間違いを犯し続ける事故への対応に対し鋭い矢を放っている。


 井戸川町長の発言に耳を傾け、誤りを正さなければ、取り返しのつかない事故の対応はフクシマの人々に大きな犠牲を今後長く強いることになる。さらに危険な原発の事故は防げない。住むところも収入源もなくなったのに生活の保障もない。原発の世界最大の被害者になったことは誠につらく、慰問者が歌う「故郷」は、「耐えられない、悲しい歌になっている」。この被害者とそうではない人の間にある亀裂にしっかり目をむけよう。


 東電と原子力安全・保安院には原発が心配だと言い続けたが、「心配ない。絶対安全」だと言われてきた。「事故は、町と町民に対する信義違反で、どんな言い訳も通用しない」と。世界一安全だと言い続けてきた東電、政府、原子力ムラは加害者である。本来は事故ではなく犯罪なのに、誰一人責任をとらず責任を追及もされない。その不正義、理不尽に対する怒りは当然だ。決して許してはならぬ。

 

 「安全な場所と従前に近い環境を準備して、町を元通りに返すことが必要」だと言った。誰も反対できない当然すぎる要望だ。いや元通りにするのは不可能なのに無理なことを言うと思うだろう。だが、井戸川町長のささやかな願いをどうすれば叶えられるのか。叶わないとすればどうするのか。東電、自民党、現政府、原子力ムラの人々が真剣に誠実に応えなければならないのだ。この原点が疎かにされていることへの激しい怒りなのだ。


 東電にはまるで当事者意識が感じられないと、撒き散らしたおびただしい放射性物質への対処や賠償への不誠実な対応に怒っている。いち早く町長は加害者が決めた賠償基準には従わないと、町をあげて弁護団に依頼した。文科省が決めた賠償基準に大きな問題がある上に、東電が値切ることばかりを考えている。フクシマを二つに分断し、保障するのはエコカー減税の10万円より安い8万円などという人を馬鹿にした中身に象徴されるような、東電と政府のいい加減な賠償に怒りをもって当然だろう。


 政府は20mSv以下で帰還せよという。「一般生活では1mSvを超えてはならないとされているのに、どうしてこういえるのか。双葉町の住民を国民と思っていない線引きだ」と厳しく反論した。「専門家と称する安全基準はまったく意味がない」とも。20mSvの線引きは、20キロ圏内の避難地域だけではなく、圏外の福島市、郡山市、二本松市など中通りはチエルノブイリでさえ避難義務とされた5mSvをはるかに超える線量に放置されているのだ。政府の根拠のない線引きの犠牲は100万人にもなるのではないか。避難させよと訴えても、除染でいきますなどと国も首長もうそぶいている。


 「除染はしなければならないが、技術的に確立されていないので、まだ行わない」、さらに「除染作業に従事する町民がさらに被ばくすることを恐れ」、「町民が大企業の下請けで使い捨てにされることは許しません」。児玉龍彦氏の提案する完全な除染など全くおぼつかないし、しっかり除染と野田氏の口先だけのいい加減なものに終わる心配が募るばかりだ。


 原子力が安全だと言った人たちが、東電原発大事故後である今もなお反省もなく、その同じ人々が安全基準を作り、避難の地域を決め、除染を進め、賠償基準をつくる。被害者に多大の犠牲をおわせたまま生活の保障さえ全くしない。20mSv似非理論、高すぎる食品の暫定基準、除染、賠償といい加減な菅=野田政府の事故対応に対する井戸川氏の批判と憤りを、フクシマもまた共有し持続する秘めた怒りをもって戦わねばならない。


 事故対応を進めているのは政府だと見せかけているが、実は実質的に操っているのは財務省であると見えてきた。政治主導を放棄した菅=野田政府が選挙で選ばれたわけでもない官僚に操られている姿を見るのは地団駄を踏むほど悔しい。

(引用 東京新聞、読売オンライン、NHK,福島民報)

 山下俊一氏はどうやら人柄もよくて誠実な信頼出来る人のようだ。鎌田實氏や神谷さだ子ら氏が対談でいっている。3月21日に福島市で県放射線リスク管理アドバイザーとして早くも講演を行い、一般住民への健康被害は微々たるものだと安心安全を強調した。この日は2号機、3号機が一時発煙した日だ。HPで視聴した。正直実に索漠とした印象が強い。原発事故を火事や火山に例えたり、煙草の害の方が大きいといってみたり、100mSvで細胞一つが傷つくが治ると言った。質疑応答で100μ/hを超さなければ、5,10,25など問題ないし心配なと答えた。だがこれは誤りだとして10μ・/hと訂正してある。奇妙である、100mSvの間違いかと思うがわからない。


 彼の役割はつまり心配ないのだから安全だからフクシマに住めということを言って回ったということだと思う。怖いのは内部被曝だというが国が泥縄で決めた食品の暫定基準値以下ならば安心だという。つまり、専門家を自称するが、何ら医学でも科学でもない。東電原発大事故でが国や学会主流の言ってきたことが信頼されなくなって権威が地に落ちた。記者クラブ以外の記者、ネット、黙殺されてきた学者の発言が本などで発信されたから、バレてしまったのである。


 山下俊一氏が独特の説を唱えているのではない。例えば「年間100mSv以内では健康リスクは証明できず」はICRPが言っていることだ。またその勧告に基づき、日本学術会議会長が「100mSvでは0.5%程度増加する」が「10万人規模の疫学調査によっては確認できない程小さなものです」と言う。(6月17日)つまり、国連科学委員会やICRPの国際組織の勧告にわが国が言いなりになっているにすぎない。彼はその一員なのである。また、日本学術会議会長が談話の中で「大量の集団避難による不利益、その過程で生じる心身の健康被害等」のリスクと秤にかけて20mSvを容認せよと言う。

 

 いかにも避難する人々を心配するように見えるが、実は何より東電と政府を守ってフクシマは犠牲になれというに過ぎない。断じて容認できない。あのチエルノブイリでさえ5mSv以上を避難義務にし、避難した人々のために7階建てなどのアパートを建築したのにである。フクシマの30キロ圏外のひどく高い線量を放置したままだ。


 山下俊一氏は国際基準の説をやや俗っぽく言ってはいるが、人柄なんて真実とは無関係なのだ。だからこそ、激しい批判があってもいつの間にか福島医大副学長に収まり、県民の健康管理を行うのだ。「通販生活春号」で堂々と4ページわたって登場し、ぬけぬけと「福島の子どもを守っていく」などとのたまうのである。


 だからこそフクシマは、私は恐怖するのだ。ICRPが信頼できない一例はチエルノブイリ後の甲状腺がんの発生数や内部被曝についてひどい過小評価をしていることだ。ECRRと比べると誠に驚く。詳しくは「低線量・内部被曝の危険性ーその医学的根拠」に当たられたい。


 肥田舜太郎、矢ヶ崎克馬、児玉龍彦、菅谷昭氏らが低線量・内部被爆の危険を訴え避難と本当の除染を求めている。たちはだかるのは菅=野田政府と財務官僚であるが、それを支えると称する山下俊一氏らの似非専門家なのだ。


 フクシマは救出を心から願っている。30キロ圏外に放置されている福島市、二本松市、郡山市等からの救出を切なくも、また静かな怒りを持続させて願っている。


 菅谷氏は言う。「政治家や官僚、あるいは研究者は、『統計』や『集団』という形で物事を考えたり処理しがちだ」、大切なのは個々のケースであり、「本人の辛さや悲しみ、家族の切ない思いを目の当たりにすると、ひとり、ひとり、個々の命こそが大切であることを改めて痛感する」(「新版チエルノブイリ診療記・福島原発事故への黙示」) 菅谷氏のような視点で人間のための政治は行われないのか。