NHKの日曜美術館で日本伝統工芸展が放映されると秋に近づいたなと感じる。子供の頃、父が見ていて「すごいな」と言って見ていたが、何がすごいのかよくわからかった。ここ数年色々あって、この番組の存在すら忘れていた。それを先週、なんとなく見た。
なんかね、私にはよくわからない現代美術が注目をあびている中、頑なに日本の伝統工芸を追求する人たちが、こんなにいると思うと、見ていて涙がでてきた。こうして、時代にある意味逆行して、それを可能な限り追い求める姿は本当に素晴らしい。
毎回見て思うのは、金工と木竹工の作品には自分の想像できる域を超えてくる作品が受賞される。竹細工なんか、ただ竹を編み込んでいくだけと言うと怒られそうだけど、それを、ものすごい技術をつかって編み込んで、見たこともない作品が出品される。それに金工も、鉄の板をどうしてここまで作れるのかと思う。日本の最高峰は海野勝岷の蘭陵王置物だと思うが、これだけ技術が発達してもこの作品を復元することができないと聞く。そして、どのように作られたのかもわからないらしい。江戸末期から明治にかけて刀の鍔とかにどれだけの技術をつかっていたのだろうと思う。
日本は本当に素晴らしい国だと思う。