介護日記その188 最終回 | 駄目人間のブログ

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申し訳ございません。無駄なことばかり書いて無駄に容量を使わせてもらってます。ネットの害です。

数十年ぶりに会った妹が2人で話しがしたいと言っていたので、奥さんに申し訳ないけど帰ってもらい、長い時間兄弟2人で色々話をした。子供の頃の話から数十年会ってなかった話。妹は、墓場まで持って行こうと思っていた話までした。何度も自殺を考えた事やら、子供の頃、父が私に対して理不尽に怒られているのが納得できず、父に対し深い溝があったと話しをしたので、妹に父の介護をしている時に父に言った、私にとって父は絶対であって、父が謝るような事はない。だから私は理不尽に怒られた事は無いと言い切ったら、妹は驚いていたように見えた。そんな話を含め妹と、通じない話もあったけど、それでも血の繋がりのせいか子供の頃のように…いや、子供の頃より腹を割って話ができた。夜中4時くらいになると話すのも疲れ、長い長い沈黙が続いた。妹が父の顔を見ながら、さだまさしの親父の一番長い日をかけていた。妹の父との別れと思って黙って聞いていた。

一昨日の晩から何も食べられなかったので、身体がもたないと思い、朝方、残っていたお寿司を少し食べた。父に年越しに寿司を食べさせたのが、父の最後の寿司だと思い、祭壇にお寿司を取り分けて供えた。

明るくなってきたけど出棺は予約制で昼からなので、まだ6時間くらいある。まだ8時だと言うのに奥さんが来てくれた。それから3人で色々話をした。3人にこれから一つ約束して欲しいと頼んだ。この先、何があっても事故とか事件で命を落とす事だけはしないでと頼んだ。病気なら心の整理が少しはつくけど、事故だから仕方ないけど心が押しつぶされてしまうと伝える。病気も予防や検査が出来るから、出来る限り健康診断とかして欲しいと頼む。このくらいになると、妹から汚い顔洗ってとか言われ始める。出棺まで2時間くらい前になったので、喪服に着替えていたら葬儀屋さんが来たので、前日話をしていなかった香典返しの説明などきいた。私は海苔とかではなく、何処かのお菓子か何かと思ったけど、それを人数分用意するのは大変と思い海苔した。とりあえず、会社の人の香典分にプラスした分だけお願いした。

話が終わった頃、親戚が集まりはじめた。昨晩、遅かったせいもあって、皆さん眠たそうな顔していた。ほんと火葬場に3人で行くのはちょっと寂しかったので、本当に嬉しかった。

葬儀会社の人が出棺の準備を始めたら、そのあとはとても早く事が進み、皆で線香をあげ終わったら、葬儀屋の人と男数名で棺桶に父を入れた。棺桶に親を入れると父にただただごめんなさいごめんなさいと謝る言葉しか出て来ない。花を入れて、お金を入れて、好きだった本と生前着ていた服と何十年も身につけていたお守り、好物だった苺、供えたおいたお寿司に妹が買ってきたビール、それと残った処分に困ったぶどうを入れた。そして皆んなでいっぱいいっぱい花を入れた。最期に父の冷たくなった顔を触って、この冷たくなった顔を手に記憶してこれからの人生は後悔と思う。

妹を父と一緒に火葬場まで行ってもらい、私らはそれを追いかけるて火葬場に行く。火葬場に行くたびに、子供の頃、曾祖父が亡くなった時に、怖くて骨を拾えず、父に怒鳴られて婆さんが可哀想だからと目を抑えてくれて骨を入れた事を思い出す。火葬場に着くとあれよあれよと喪主の方と釜の前に立たされ、ゴーと言う音と共に火がついた。1時間半くらいで館内放送でお呼びいたしますと言われロビーで、ぼーっとして待っていた。親戚から精進落としは?と言われたけど、全く食欲が無かったので任せると言って、数十分記憶がなくなり寝てしまった。目が覚めると、隣で父の弟が小さなイビキをかいて寝ていた。考えてみると、この前、葬式があったのは、婆様の時で20年くらい前、みんな歳を取りすぎた。この日の最後から二番目。父の骨は、思った以上にあって、こんな太い大腿骨なのになんで歩けなくなったんだろうと思いつつ骨を眺めていた。喪主の方と数名並んで下さいと言われ父の骨を橋渡しで骨壷に入れる。骨を崩しながら皆で骨を入れる。あっと言うまに終わってしまた。暖かい骨壷を私が持って車まで頬擦りをしてみた。死んだ父の顔は冷たかったけど、骨壷は暖かく不思議な感じがした。

親戚と別れ、妹を送って帰る途中、父が住んでいたとこをみたいと言うので、来週から片付けをするから手伝って欲しいと頼む。なんなら、泊まって片付けをして欲しいと言うと嫌と言わなかった。私は、父が出てきて怒られそうで1人で実家には泊まれない。そんな事を話したり考えながら帰った。


葬儀は何事もなく終わった。あの時、こうしたらよかったとか、なんで優しくできなかったのかと、押しつぶされそうになる。皆んな優しい言葉をかけてくれるけど、父に対して酷い事を言ったりしたので、父の代わりに説教して欲しい。


ごめんなさい、エピローグを番外編で書きます。