俺たちが少々真面目に施設を見学しているときも子供たちはかまって欲しくて仕方ない様子。
小さい子はみんな自然と手をつないでくる。必ず両手には子供が2人ずつくらいいて、時には手を奪い合ってケンカもしてた。
そして覚えたてであろう英語で頑張って自分の名前をアピールしてくる。
本当に純粋でかわいらしかった。
そして、付き合いしていただいてるフットサルアイテムメーカーのイミオさんがくれたボールを使ってサッカーをした。
小笠原くんのチームマサトと俺のチームケンの闘い。
試合はチームケンが常に劣性を強いられた。
何より厄介だったのはゴール前に陣取る自称「チャンピオン」というエース。
至近距離からえげつないシュートを放ち、決まると必ず相手チームの俺に胸を張って
「I'm Champion!」って言ってくる。
結構憎たらしかったけどかわいらしくもあったからゆるしてやった。
(チャンピオンは上の写真でボールの真下にいるやつ)
うちのチームも「パ」っていうやつを中心に攻め立てるもなかなかゴールが決まらない。
あまりにパスが通らない。キーパーが投げたボールに長身の子がヘディングするという姑息な戦術に終始。
結局敗戦を喫した…
でもすごい楽しい時間が過ごせた。子供たちも楽しそうで嬉しかった。
レディースは何だか座って歌を歌ったり色んな遊びをやったりしていた。
俺は子供たちと話してみたいと思った。
ブッティーさんに通訳をお願いして色んな子供に
「なぜここに来たのか」
を聞いてもらった。
色んな子に聞いてみたけど、やっぱり多いのは貧困で育てられないという理由。
その理由で孤児院に来た子どもの親の職業はほぼ全て農業だった。
中には父親を内戦で亡くしていたり、両親が暴力を振るうためにここに来たという子もいた。
僕の質問に淡々と答えていく子ども達。でもその目はどこか寂しそうで、幼くしてたくさんの辛いことを背負っているんだなって感じていたたまれない気持ちになった。
そして、もう1つ聞いてみたい質問を聞いてみた。
「将来何になりたい?」
色んな辛い経験をしてきた子ども達が自分の将来に対してどう考えているのかに興味があった。
聞いてみるとやっぱり多いのは学校の先生。
みんなの生い立ちを聞いた後だったからすっごい応援してあげたくなった。
思わず抱きしめてあげたくなった。
本当に今の気持ちを忘れないで頑張り続けてほしいって願った。
他にも普段の生活のこととかたくさん話した。
時間はあっという間に過ぎてそろそろ帰ることに。
気づくと小笠原君の頭に花が飾られていた。
帰り際に「僕の名前覚えてる?」って必死に聞いてくる子ども達、
相変わらず「I'm Champion!」って言ってくるやつ、
もう腹ペコのはずなのに車を追いかけてくるやつら・・・・
絶対忘れない。本当にありがとう。
中編おしまい
中村健介
MONKEYMAGIC代表




















