Aさんは四月から

新しい部署で仕事をしています。

新しい業務を覚えるのに、

忙しい毎日を送ってきたAさん。

しかし自分のやるべきことを考え、

日々の業務に励んでいました。

そんなある日、

取引先でプレゼンテーションを

する機会があり、

Aさんは周囲への

アピールになるだろうと

思い取り組みました。

しかし、

力みすぎて自己の意図を伝えきれず、

悔いの残る場となってしまいました。

取引先の評価も散々なものでした。

それでもAさんは、

自分の姿を反省するどころか、

自分が良くなかったのではなく、

取引先の雰囲気が悪かった。だから、

気持ちが乗りきれなかったのだと

相手を責める気持ちでいっぱいでした。

そんなAさんを見た先輩が

「素直に自分の良くなかった点を

認めた方がいい。

そのほうが自分の成長につながると思うぞ」と

指摘してくれたのです。

その言葉を聞いたAさんは、

周囲を責めるだけの自分を

反省しました。

自己の欠点を素直に受け入れることで、

自分を成長させていこうと決意したのです。
 「親しき仲にも礼儀あり」

という諺があるように、

人と人との間には、

会話をする上でもそれなりの

節度がなければなりません。

組織において上位の

立場だからといって、

自分より年上の人を

「君づけ」で呼んだり、

怒鳴ったり威張ったりすることは、

節度があるとはいえないでしょう。

また先輩や年上の人に対し、

親しくしてもらっていることに甘えて

「友だち感覚」

で話しかけている人を見かけます。

相手にとっても周囲にとっても、

心地よいものではないことを知るべきでしょう。

仕事上のつきあいの中で、

相手との

「距離感」を誤らないことは、

職場人として気をつけるべき

基本中の基本です。

悪気はなくとも馴れ馴れしい

対応が不快な印象を与え、

人間関係を損ねてしまうことがあります。

年配者にも年下の人にも、

敬意をもって

接することが大切でしょう。

他人を大事にする人を、

周囲は決して放ってはおきません。

いつでもどんな人にも変わらない態度が

周囲に好印象を与え、

いざという時の大きな力となるのです。
M講師はセミナーで、

受講者五十人を

10グループに分けて、

日本地図を描かせました。

各人が記憶をたどりつつ

話し合いながら描き上げましたが、

与えられた時間内に完成したのは、

たったの1グループでした。

頭でイメージした地図を

サッと描ける人は、

普段から注意力・

観察力・

記憶力を高める、

何らかのトレーニングを

している人だとM講師は言います。

毎日通う通勤路でも、

ただ歩いているだけでは、

駅から職場までの情景を

覚えることはできません。

ましてや地図に表わすことなど

できないでしょう。

M講師によると、

優秀なセールスマンは、

得意先までの地図だけでなく、

建物内の見取り図までも

描き上げるといいます。

彼らは常に効率の良い訪問をし、

結果として優れた販売成績を

達成するというのです。

まずは自宅から駅まで、

あるいは自社から取引先までの地図を、

一斉に描いてみてはいかがでしょう。

それらを実際の情景で確認して、

注意力・

観察力・

記憶力を高めていきましょう。
T社では外回りの営業社員が多く、

日中に会議を開いても

全社員が揃いません。

そこで月に一度、

早朝に全体会議を行なっています。

ある月、

いつも使用している社内の大会議室が、

改装のために使用できなくなりました。

そのため、

車で五十分ほど離れた支店の

会議室を使うこととなりました。

しかし支店の駐車場は狭く、

自家用車での移動は禁止です。

そこで大型バスをチャーターし、

全員が同乗することになったのです。

庶務担当のH氏は、

バス会社に

「七時から会議を始めるので、

六時には本店にバスを到着させて下さい」

と依頼。

前日にも電話で確認し、

準備は万全でした。

ところが当日の

六時を過ぎてもバスは到着しません。

慌てたH氏がバス会社に電話をすると、

「夕方六時のご予約かと存じますが・・・」

と言われました。

結局、

交渉の末、

何とか代替バスを手配でき、

大幅に遅れて会議はスタートしました。

当事者は

「早朝」

だと理解していても、

バス会社では「夕方」

と解釈したのでしょう。

確認は二重三重にしなければならないと

痛感したH氏でした。