社会的には大問題ですが、彼らが繰り出す新たな手口は、近時、刑法学の発展に少なくない影響を与えています。昨年の司法試験刑法の第一問に、特殊詐欺の擬律が出題されたのも、その傾向を表しています。

 

 本作品は、実際に詐欺を行った受け子、掛け子、見張り役などへの取材をもとに作られたものであり、判例を通じてしか知りえなかった、犯罪現場の裏事情を知ることができます。

 

 犯罪は社会問題と切り離すことはできないといいますが、この問題も、貧富の格差や、家族の孤立化といった、構造問題が横たわっていているといえます。

 

 今後、刑事司法に関わっていくにあたり、個人を取り巻く社会にも目を配っていく必要があると感じました。

 

 


 たしかに、この男の主張は支離滅裂ではありますが、だからといって、日本の警察官は、当然にこれを排除する権能を有しないのです。
 
 その表現が支離滅裂であるかどうかは、これを取り締まることができるかどうかとは、直接の関係を持ちません。支離滅裂であるどうかを、国家が判断できるとすれば、多くの表現が支離滅裂であるとされるおそれが生じ、国民の表現の自由が委縮するからです。

 

 だからといって、日本の警察官が袖手傍観する他ないわけではありません。

 

 行政警察の責務には、交通の安全を確保し、犯罪を予防することも含まれていますから、この男の挙動を監視しながら、私たち受験生が何らの支障なく試験を受けられるように、見守ってくれていたのかもしれません。

 




 コロナの時代における実務との架橋を意識して、先ずは、社会保障法制の全体像を理解したいと思います。

 私も、人並みに何度か失業を経験して、失業保険等を受給しました。また、求職者支援制度に基づく民間の職業訓練学校の運営に携わったりしました。

 これらの経験を肥やしにしながら、これから労働法をきわめていく中で、役立てることができればと思います。
 


 事案(ヒヤリングに間違いなければ)

 

 報道によると、台北永康街にある“髙記”という台湾の小籠包などで有名な老舗は、その2階、3階が、用途制限(住宅区であり商業区でない)に違反した違法建築物であるとして、行政から、是正できなければ水道停止の勧告を受け、やむなく閉店した。この店は、40年の歴史があり、2階、3階の店舗としての使用についても、バリアフリーや消防など多額の投資を行ってきた。お客さんは、大変残念に思っている。

 

 これが日本だったら、どんな争い方をするだろうか

 

 1.水道の停止は、正当な理由がなく、許されない

 

 水道契約の締結の申込みは、人々の生活や営業の維持に直結するため、正当な理由がなければ拒めない。このことは、水道契約の一方的解約にも、妥当すると解すべきだろう。現在使用している水道を、建築違反を理由にして、停止することは、直ちに正当な理由があるとは言えないだろう。それでもなお、行政が一方的に水道契約の解約をすることができるのは、判例(最決平成元年11月8日判時1328号16頁)によれば、給水をすることが公序良俗違反を助長するような特段の事情がある場合でなければ、許されない。水道を開通して、違法建築物を利用させることが公序良俗違反を助長するかどうかが、争点になろう。

 

 2.水道の停止は、信義則に反して許されない

 

 この老舗はすでに40年の歴史があり、2階、3階の増改築にあたっては、行政が便宜を供与してきたと考えられる。そうすると、行政は、この老舗に対して、2階、3階を適法に営業しうる地位があるとの公的見解を表明していたといえる。かかる見解に従って、この老舗は多額の費用を投資して営業を営んできたのに、手のひらを返したように、違法建築物にあたるから、水道を停止するということは、行政の信義則に反しないか。水道を停止することになれば、営業を継続することができず、著しく重大な不利益をこうむる。しかし、当初から違法建築物であることを認識し、忠告を受けていたにもかかわらず、あえて敢行したなどこの老舗の責めに帰すべき事由があれば、信義則に違反しないと解される。この点が争点になろう(最判昭和62年10月30日判時1262号91頁参照)。

 



 

 一般に知られていない、司法試験の答案を一枚公開します。これは、本物の実物大で作った答案用紙です。 

 

 答案用紙に、受験生が答えを書きこんだものを通称、「答案」といいます。だいたい、上から、第1.→1.→(1)→ ア →(ア)という、階層に整理して、論じていきます。

 

 僕は、2時間で最大8枚、平均して6枚程度の答案を作成します。ただし、実務に出ると、手書きで法律文書を作ることはほとんどないようです。

 

 このため、一部の受験生からは、このやり方に批判もあります。