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『博士の愛した数式』の小川洋子氏と、臨床心理家の河合隼雄氏の対談を収めた本。 超おすすめです!★★★★★!!
対談は2回分。 2回目のときに、「3回目では、この話をしましょうね」って言っているのに、河合氏はその後亡くなり、実現がかなわなかったゆえ、最後は長い「あとがき」になっている。
私は、河合氏のことはずーっと気になっていたのに、著書も映像も見たことがなく、ようやく手に取ることができたら、とっくに亡くなっていた。 亡くなっていたのは知っていたけれど、もう10年も前のことだったんですね…。
この本を読んでいたら、本当に圧倒的に河合氏のことが好きになってしまい、「おわりに」で小川氏が河合氏を振り返る文章を読んで、涙してしまいました。
河合氏の話を読んでいると、他人のことを本当に心から尊重しているのがわかる。 私たちは「あの人はこんな人だ」って判断してしまったほうが自分が楽で、あんな人かもしれない、こんな人かもしれない、とゆらいだ状態を保持しているのはなかなか出来ないそうだ。 だけど、河合氏は断定せずに、ゆらいだ状態をクライアントと共有するということを本気でやってる。 人に寄り添うというのは、こういう感じなんだ、と垣間見せてくれるのだけど、それがすごく伝わってきて、読んでるだけなのに、すごく引き込まれて好きになっちゃったんだよね。 この人、すごいなぁ。 生きてるうちに、1度お会いしてみたかったなぁ。。。
私は、といえば、やはりいろいろゆらぐことを受け止めきれなくて、自分がこう!と決めたことを他人に押し付けてきたんじゃないかと、これまでの人生を反省とともに振り返った。 そのせいで嫌な思いをした人もたくさんいるだろう。
今現在の仕事をしているうえでも、本当にお客様に寄り添っていたんだろうか?と。 営業なので、どうしてもクロージングをすることが大事になってくるのだけれど、私がこれまでにお客様からヒアリングしてきたと思っていたそのやり方、背中を押すということなどが、もっと違った形でできたんじゃないだろうか?なんて考え込んでしまいました。
小川氏の小説を書く理由、というのもとっても素敵。実直な方、という印象を持ちました。 『博士の~』だけをとっても、様々なよき偶然が重なって、作者の思い以上のものが完成してしまうあたり、持ってますね、何か。さすが第一線で活躍する方です。 『博士の~』しか読んだことがないけれど、もっともっとたくさんの作品を読んでみたいと感じました。
どんな人も、自分を癒すのは、結局自分自身なのだと最近よく思うのですが、この本でそのヒントがたくさん得られるのではないかと思います。 私は、これ、何度も読み返したいなぁ。その都度、気づきが出てきそうな予感がします。
生きるとは、自分の物語をつくること [ 小川洋子(小説家) ] |