近年、「メンタルヘルス」なる言葉が随分とメジャーになりましたよね。
福利厚生制度として、メンタルヘルスの電話相談窓口を設けている会社や、個人的にカウンセリングに通っていらっしゃる方も増加しているように思います。
うつ病などの気分障害の患者数は、100万人をゆうに超えている状況となっています。

 

ところで、「保険料を払っていても、どうせもらえないんでしょ」というネガティブな意見をよく耳にする公的年金ですが、遺族年金や傷害年金といった、老齢年金以外の年金も支払われるのはご存知ですか?


私たちは日頃、病気になったり死亡したりということを想定して生活することがあまりないので、その辺の知識は薄いことが多いのですが、場合によっては、メンタルヘルス関係でも年金が使える、というお話と、その注意点を。

あまり認識がないかもしれませんが、精神疾患でも、障害認定がされることがあります。
うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などです。
認定にあたっては具体的な労働制限及び日常生活状況等の生活上の制限を判断するとともに、その精神疾患の原因と病状の進捗状況等が判断材料にされます。

障害認定基準については、日本年金機構のHPで確認することが出来ます。

 

 

*日本年金機構HP*
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20160715.html
http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html

 


ここで注意しておきたいのは、「厚生年金に加入している方」で、「障害年金に該当するような精神疾患」の場合、「病院に初めてかかった日(初診日)がいつなのか」、が重要な意味を持つということです。

会社に雇用されていながら、精神疾患の認定を受けるのは、ある意味勇気の必要なことかもしれません。


「精神疾患とバレたら、同僚から変な目で見られるのではないだろうか…」
「精神疾患を理由に、解雇されてしまうのではないだろうか…」等々。

 

しかし、「お金」の面だけで考えれば、会社に籍を置いたまま精神疾患の診断を受け、更に障害年金の認定がされるとなれば、障害基礎年金(国民年金/平成29年は779,300円)にプラスして、障害厚生年金(厚生年金)が出ますので、経済的安心感はかなり違うものになると思います。
退職後に精神疾患の診断を受けた場合には、厚生年金資格がなくなりますので、傷害厚生年金の支給対象からも外れ、給与もなし、障害厚生年金もなし、という苦しい経済状況に陥ることになります。
どちらが良いかは、個々人の判断になると思いますが、知らずに選択肢を失って欲しくはありませんので、是非覚えておいていただきたい情報です。

 

また、そもそも受給要件に該当していなければ、障害年金は支給されません。
ここで受給要件を確認してみましょう。

 

【受給要件】
1.被保険者であること
2.初診日前の加入期間のうち、保険料納付済み期間が加入期間の2/3以上あること
3.初診日の属する月の前々月までの1年間の保険料の未納がないこと(平成38年3月31日までの特例)


→ つまり直近では、初診日前の1年間の未納がなければ、受給対象となります!

 

厚生年金加入者の場合には、有無を言わせず会社から保険料が天引きされますので、「不払い」は、したくても出来ない状況となりますから、1年以上会社勤務をしている方は、要件に当てはまりますね。

 

しかし、「加入資格が国民年金のみの方」や、「学生の時に国民年金に加入しておらず就職して1年未満のお若い方」、「離転職の間が長く未納期間があり、かつ、勤務したての方」などは、お気を付けください。
「どうせ支払われないから」と未納している場合には、障害基礎年金の受給すらされなくなります。そうなったら、目も当てられませんよね。

 

老齢年金以外にも、役立つ年金がある公的年金ですから、「どうせもらえない」と未納にすることなく、支払っておくことをオススメします!!

お子さんが成人しているものの年金を自分で支払えない場合には、親御さんが払ってあげるのもよいかもしれません。お子様のために支払った年金保険料は、親御さんの社会保険料控除になります。

 

ところで、公的年金の良いところは、「終身保障」であることです。
「終身保障」が実現できるのは、自分で契約する各種年金等とは異なり、賦課方式を取っているからです。
そのかわり、一時金で受取ることは絶対に出来ませんが…。

 

この低金利の時代、ご自身で加入するどんな保険よりも内容は良いと思います。
公的年金の内容をよく知って、いざという時には使えるようにしておきたいですね!