上海5日目。
そういえば上海に来てからというもの、観光地めいたところに一度も行っていないと気づいて、とりあえず、田子坊に行ってみることにしました。
以前、初上海で押さえるべき観光スポット
で紹介したエリアです。
場所はこちら。
田子坊は古い住宅街をリノベーションし、おしゃれなカフェやギャラリー、雑貨店、お土産物店がひしめきあっている若者に人気のエリア。
おしゃれな店しかない。
よく見ると、アーティスティックな郵便受けがあったり……
すぐ止まりそうな時計が陳列されていたり……
眉毛が太い謎の人形があったりします。
ガガ様の後ろに、愛様。まさかここで飯島愛さんに出会えるとは。
トランスフォーマー的なオブジェが販売されていて、
ビビッドでキッチュなアクセサリーがある。
合間にスタイリッシュなカフェもあって
休み放題です。
と、目に付いたものを写真に撮りながら街歩きをしていて、次第に悲しくなってきました。
初めて訪れた2007年からたったの4年で、こうも街は変わるのか、と。
初めて訪れた2007年頃は、まだ、住宅街と開発された街が共存していた。
いたるところに、上海のいつもながらなの生活の匂いがあったし、
日常のすぐ下に観光客がいる、というコントラストが面白かった。
先進的なものと今が同居した猥雑さ。これこそが上海、だったのです。
おしゃれだけど、あちらこちらにたなびく洗濯物。
きれいに整備された店舗とボロボロの壁、通路。
一歩通路を入り損ねたら住人がいて、気まずい思いをして。すぐ近くの雑貨店に入ったりして。
この極端さを、わたしは好いていました。
それがさ、小綺麗になっちゃって。
もう、生活が感じられない。上海で生きる人を感じられない。ただの街です。原宿です。
それなら、どこにだってあるから、わざわざ来ないよ。
ばいばい、田子坊。
そう、心で別れを告げました。
もし、「初めての上海」という人と一緒の旅行なら行くかもしれないけれど、わたし個人としての、この街への興味はなくなってしまいました。
それは悲しくもあり、何年も通い続けたからこそわかることでもある。
好きな場所に興味が失せることってあるんだな、と思った上海一人旅でした。
「もう、田子坊はいいやー」と思って……
ひっきりなしに客が訪れていた店に立ち寄ります。
おなかが減ったし、クレープをば。
キャベツとハムをロールした食事系クレープで腹を満たしました。
まぁ、あれです。原宿的なあれでした。