大ヒット商品の作り方?
実は私にはわかりません。
例えばパン業界でも最近食パンのヒット商品が良く取り上げられています。
名古屋で言えばポンシェさんのゴールド食パン。
彼は独立する前、弟の店バーゼルで10年働き独立前半年はモンシェル春日駅前店の店長を10年やってくれました。
だから今の彼の店の商品はその折の体験が元になっています。
ただ、ゴールド食パンは居抜きで譲ってもらった前のお店の食型を使用しています。
少し小さめのケースで短時間で焼ける為、皮が薄く日通りの良いパンになりました。
そして油脂をモンシェル、バーゼル使用のコンパウンドからバターに変更しました。
それで口どけの良い美味しいパンになり、テレビで取り上げられて大ヒット商品になりました。
ある時パン学校の講師も務める彼は小麦粉を学校使用のものに変更しました。
しかしその日のうちに味が変わったと苦情があり、彼は即翌日から元に戻したそうです。
ちなみに彼に習ってモンシェルでも上食パンはバターに変更しました。
もう1つのヒット商品、パンのトラ食パンですが、これも決して新しい製法の食パンではありません。
実は昭和30年代に当時三越の子会社の新宿ニ幸で製パン部長をしていた、私の師匠、綾野光男さんが発明した湯種製法の食パンです。
この製法は綾野先生が顧問をしていたポンパドールにパンドミという名前で伝わり、単にフランス語で食パンを意味するパンドミが湯種食パンの代名詞で使われているのはそのせいかもしれません。
このパンは宝塚のパンネルさんで爆発的に売れこの製法と奥本製粉の開発した小麦粉、パンセが非常に合うということで、奥本製粉さん中心に広まりました。
パンのトラがパンセを使用していることは言うまでもありません。
だからパンのトラとモンシェルのパンドミは実は兄弟商品でもあります。
しかしポンシェさんにしてもパンのトラさんにしても商品の開発のみでなくそれを大ヒット商品に育て上げたその販売手法は大したものです。
まさに執念と言えるかもしれません。
とにかく良い商品を作るだけでは絶対にヒット商品は生まれません。