今だからわかること後編 | 誰にも言えず綴る

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余命宣告された夫は2023年8月、逝ってしまいました。これからどう生きていこうか…。

父が闘病中に、

母が大腸ポリープを切除した。


父ががんになってから、
母のメンタルはますます不安定になり、
自分も大腸がんじゃないかと、

脅迫症がひどくなり…

ついに大腸がん検査を受けた。


結果は良性のポリープが見つかり、

当分経過観察でいいと言われたが、

不安症の母には経過観察なんて通用しない。


無理を言って切除してもらい、

父と同じ病院に数日入院した。


それを知って私は母に腹が立った。

よりによって父の肝転移が見つかり大変な時にすることなのか❓

いつどうなるかわからない父を置いて入院するなんて。


父はそんな母を毎日見舞い、


お母さん、ポリープ取ってもらって

スッキリしてご機嫌だよ、と、

自分の事のように喜んでいた。


それを見て私は、

なんて仏様のような父だろうと思った。

反対に母のことを、

毎度のことだけど自分が一番大事な人だなと呆れた。


今、自分が母の立場になって初めて、

私も母の気持ちがわかるようになった。


夫の肺がん告知からずっと

頭の中は肺がんの情報でいっぱい。

ちょっとした咳が続いたり、

痰が少し絡むだけでも、

もしかしたら自分も肺がん❓と不安が過る。


母もまた、

ちょっとお腹の調子が悪いだけでも

大腸がんかも❓と思ってしまったんだろうな。


良性ポリープでも悪性変異もあるから、

お腹の中に飼っておくのは嫌だったろうな。


実際私も、

胃カメラで十二指腸ポリープが見つかった時は、

良性で経過観察と言われ1年は様子を見が、

毎年経過観察するのが鬱陶しくて、

先生に頼んで切除してもらった。


ただし、あの時は夫は健康体で、

今のような状態ではなかった。

もしも夫が治療不可な状態だったら、

間違いなく自分のことは後回しにしたと思う。


後回しにした結果がどうあれ、

それはそれで自分が選んだ人生だ。


母は母で、

あの時ポリープを切除してよかったかもだ。

金銭面も健康面も問題なく、

今も穏やかに時を重ねていけてるのは、

父に守られているからかもしれない。