祈る思いで過ごした8日間① | Every smile & Happy day

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とある町でひっそーーり、のんびーーーり暮らしている
主婦の日常を思うままに書いてます。
いまどき珍しい大家族+3ワンコ&5ニャンズ。
笑顔いっぱいのハッピーな毎日を過ごせますように☆


もう11月も終わりですね。
本当に1年があっという間に過ぎていきます。

今回はちょっと重めのブログになります。
去年から何度もアップしようか悩み、書いては下書き保存していました。

だけども残しておきたい。
そう思ったのでアップすることにします。

しかも長文のため、数回に分けて書いていきます。

我が家にとって11月は《魔の月》となってます。

のんちゃん・とっちゃんが亡くなったのも11月。
まぁちゃんの具合がいつも急激に悪くなるのも11月。モナの具合が悪くなったのも11月。

まぁちゃんは翌月の12月初旬に亡くなり、モナは頑張って夏まで生きました。

そして、息子の体調が思いっきり崩れるのもいつも11月です。

だけどもワンニャンが亡くなるのはもうしばらくないだろうから、今年こそ魔の月ではないかも!と思っていた去年と今年の11月。

今年は息子が盛大に体調を崩し、あたしは11月中しばらく息子宅に滞在しています。

まだ本調子ではないけれど少しずつ体調も良くなってきた息子にホッとしていますが、今週いっぱいは息子宅で過ごすことにしています。

そして本題は去年のこと。

うちには若いニャンさん達しかいなくなり、暫くは悲しい思いをしないだろうと思っていました。

なのに出会ってしまった。
辛い出会いから始まり、苦しい1週間を過ごし、悲しい別れがありました。

別れを選択したのはあたし自身。
出来ることなら選びたくはない別れを選ばざるを得ませんでした。

11月8日。ちょうどのんちゃんが亡くなって丸4年目を迎える前日の事。

夕方、甥っ子から電話がありました。
「猫が轢かれてる!どうしよう」

甥っ子が大学帰りに道を歩いてる時に、ちょうどバイクに乗った郵便局員の方が道端に何かを持ち上げ置くところを見たそうで。

もしかして...と思い駆け寄ると血まみれの猫だったそう。

その方に話を聞くと、道の真ん中にうずくまってたから事故にあって倒れてたんだと思う。

これ以上轢かれたら可哀想だから・・・と避けて下さったそうです。

もう死んでるのかな?と思いきや、逃げようとする猫。

だけど立てずに倒れ、またじっとうずくまったとの事でした。

どんな子かも分からない。
飼い猫か野良猫かさえも分からない。
野良ちゃんだったとしたら、もしかしたら凶暴かも。

何か病気を持ってる可能性も。
それ以上にどの程度の傷をおってる?
それを治すための治療費は?
でもこのままほっとける?

色んなことが一瞬で頭をよぎりましたが、見て見ぬふりをしなさいと甥っ子には言えなかった。

命の大切さを幼い頃からずっと言ってきた。
人間だからとか動物だからとか関係なく命の重さは同じだと。

我が家でワンニャンに接し、どの子が病気をしても何か出来ることはないか必死で模索してきた。

その姿を見せときながら、知らない子だったらほっときなさいと言えるわけもない。

どんな子も同じ命。
うちの子だから大切とか、よその子だから大切ではないとか、そういう区別は付けたくない。

甥っ子に、こっちまで連れて帰れる?
もし無理なら迎えに行くけど、行ったり来たりになるのなら直接病院運んだ方が短時間で行けるし命が助かる可能性もある。
出来たら直接病院に運んで!あたしも直で病院向かうから!

甥っ子は一緒にいた友人に頼んで車を出してもらい、いつも通っている病院まで連れてきてくれました。

あたしは甥っ子が到着する間に身支度を整え、息子と共に病院に行って 今から交通事故にあった猫を連れてきますと伝え待ちました。

しばらくして甥っ子到着。
甥っ子は自分の着てたパーカーで猫を包み保護していたようで、白のパーカーは血まみれでした。

よっぽど怖かったのでしょう。
猫は失禁もしていました。

かなりの重症ということが一目でわかる状態。
こんな状態でも、必死で抵抗します。

右目は潰れ、顎もどうなってるのか分からないくらい歪んで大きく開きっぱなしになってました。

手はどうなんだろ?折れてるのかどうか分かりませんが、必死で爪を立てパーカーを握りしめてる感じでした。

病院内に入ると、たくさんのわんにゃんを連れた方が待合室にいました。

みんなザワザワなりましたが快く順番を譲って下さり、すぐに診察台へ。真っ先に先生が対応して下さいました。

大きめなハチワレにゃんこ。
うちのちぃちゃんにそっくりの綺麗なハチワレ。
大きさはクックくらい。
どう見ても野良ちゃんだったんだろうという風貌。

手足だけじゃなく、体の白い部分は汚れて灰色になっていて、たくさんのくっつき虫を付けてました。

直前までは周りの車や人に怯えながらも自由に走り回ってたんだろう。

ほんの一瞬の時間でそれらを奪われて、知らない人に抱えられ車に乗せられ訳のわからない場所に連れてこられて・・・

どれ程怖い思いをこの小一時間の間にしているのだろうと思うと、胸が締め付けられる思いでした。

耳カットされていて、大きな体にしっかりした体格は、おそらく地域猫としてきちんとご飯は貰えていたんだろうなという感じの子で、飢えに苦しんでないだけまだ良かったと。

先生がパッと見て、上下の顎が折れてるねと言いました。

大きく開いた口元を覗くと下顎は断裂されたような感じで白い骨が見え、開放骨折してると言われました。

歯はほとんどありませんでした。
事故でそうなったのか、元からなくなってたのか分かりません。

今できる検査をやってみましょう。と、レントゲンに血液検査をやってくれました。

分かったことは、顔以外は全くの無傷。
内臓も全くなんともありませんでした。

しかし、血液検査の結果がものすごく悪かった・・・

白血球の数値が異様に高く、貧血、猫エイズを持っていました。
恐らくストレスからでしょうと、何かの数値も跳ね上がっていました。

こんな顎の状態ながらも、シャーシャー威嚇します。

先生からどこまで治療しますか?って話になり、もうこの子に手を差し伸べてしまった以上、全てやってもらおうと決めました。

出来る治療は全てやって下さいとお願いし、今日はこれ以上するとこの子のストレスにもなるからと、脱水を防ぐための補液と白血球を下げるための抗生剤の点滴を入れそのまま入院となりました。

とりあえず3日間様子を見ましょう。
それから治療を考えてみましょうと。

3日間もこのままで大丈夫なの?と心配にはなりましたが、後でその理由が分かりました。

この状態だと長くて3日が山だとの判断だったとのこと。
あたしが泣きそうな顔で必死でお願いしたのでその言葉は避け、とりあえずの処置をし 後はこの子の生命力に掛けたと。

待合室で処置されてるのを待ってる間、全て出来ることはとお願いしたのはいいけど、冷静に考えると一体どれくらいの費用がかかるのかと不安になってきました。

この様子だと恐らく長期入院になるだろう。
顎の手術もいるだろうな・・・

息子はちょうど受験生で、11月も入試がありました。これから先も入試は続きます。ものすごく物入り。どうしよう・・・

とりあえず旦那には報告しておこうとLINE。

おとーさんごめんなさい。

この一言だけ送ると、旦那は何事か!?とびっくりしたようですぐに連絡がありました。
どうしたん?何があったん??と。

猫を拾ってしまいました・・・
しかも轢かれててかなり重症だから、長引けば長引く程 治療費はかかると思う。
100万は行かなくとも軽く50万は超えるかも・・・
だからごめんなさい。それでも救いたい。と送りました。

これ以上はもう増やしちゃダメだよって言ってた旦那には確実に反対されるだろうと思ってたけれど、そっかー。大変だったね。助かるといいね!と。

本当にありがとう。感謝しかありません。
きっと旦那もその金額を見てビックリしただろうなとは思います。

それでも一度言い出すと聞かないあたしの性格を分かってるから、何も言わずにいてくれたんだと思う。

それから毎日お見舞いが始まりました。
連絡がないって事は生きてくれてるよね?と毎日そわそわ。

事故から2日目。
前日と何ら変わらない姿でその子は酸素室に入っていました。

前日連れてきた時から呼吸が荒くすごく辛そうにしていて、やはりずっと呼吸が安定せずに酸素室へと移動となったようです。

この日の先生からの診断結果は、鼻口からの出血が酷く呼吸が安定してないこと。

顎は骨折しているけども自然にくっつく可能性があること。

目は光を当てても瞳孔が縮んだり大きくなったりの反応がなく、両目とも失明してる可能性があること。

鼻と頭に相当強い力がかかったようで脳に損傷のある可能性が大きいこと。

そのため顔面麻痺が見られるそうで瞬きも出来ず目は開きっぱなし、舌に水を垂らしてみても動かすことも無く、もちろん飲み込むことも出来ないこと。

だから顎が治ったとしても、自力でご飯を食べたり飲んだりが出来ないだろうとのことでした。

血液検査の結果も貧血が進んでおり、白血球の数値も高く、顕微鏡で調べたところリンパ球がたくさん見られた為、どこかで慢性的に炎症が起こってると思うと。

そして口の奥の方に腫瘍が見られることを告げられました。

猫エイズを持っている子なので免疫不全から傷が感染を起こした場合、治りも悪く命取りになる可能性もあると。

もしかしたら血液の数値からして発症してる可能性もあると。

脳の損傷により、自発呼吸もできなくなる可能性もあるとも告げられました。

このまま口から栄養を摂ることは不可能なので、次の段階としては様子を見ながらチューブを入れ栄養を摂るようにするしかないと。

治ったら元の場所に戻すのが一番いいのではと言われていましたが、この状態では戻すことはできないこと。

家で引き取るのなら胃ろうチューブをつけるのが一番だけれど、この子の年齢や病気のこと。

尿道カテーテルを通すだけでも暴れて軽く鎮静をかけないと出来なかったので、恐らくお世話も大変な上 この子にとってストレスにもなるだろうから、本当に最善なのか考慮した方が良いと言われました。

血液検査の状態から見て積極的治療は今の段階では出来ないため、数日間この子の状態と向き合いながらしっかり決断して欲しいと。

最後に、交通事故にしては不自然な気がするとも言われました。

頭部だけに怪我が集中していること。他は全く損傷がないことからしておかしいんだよなぁと。

余談ですが、この子が事故にあった現場はあたしが住んでいる地域ではありませんでした。

さくら猫でしっかりした体格だったのでその地域でお世話されていた方がいたはず。

この子に関わって下さってた方がお見舞いに来てくれたら、この子の事が少しでも分かるかもしれない。

それにこの子自身も少しは安心できるのではと考えました。

あたしはこの数年、ブログを通して保護活動をされている気になった何ヶ所かのところに 毎月微力ながら支援をさせて頂いてました。

その中でこの子の住んでいた市で活動されていた方がいたので、もしかしたら・・・と連絡を取り色々と相談に乗って頂いていました。

同じ市ではあったけれどその市は広域なので、全然違う地域で残念ながらお世話してくださってた方に繋がることはなかったのですが、本当に親身に相談に乗っていただきました。

ありがたいことにお知り合いの獣医師2名の方にも、この子の状態と画像を送ったものを見てもらいご意見を頂くことができました。

やはりどの先生からもこの子の状態が厳しいこと、安楽死を基本勧めない先生からも安楽死も視野に入れた方が・・・との事でした。

そしてこの子の治療に当たって下さってた先生からも同じ意見が出ていました。

たった数日間だったけれど、もう既にあたしの中でこの子は大きな存在になっていました。

まだ頑張って生きようとしている。
まだ決断はどうしても出来ない。
どうか回復して欲しいと。

それから状態は一進一退し、動けないのに触られる事をシャーシャーと抵抗していた子が、最後は撫でられるところまで気を許してくれ可愛らしい声で鳴いて反応するようになりました。

酸素室から普通のケージに移り、全く動けなかったのにずり這いで動けるようにもなりました。

どうにか救おうと先生も親身になってお世話して下さり、骨折で歪んだ鼻からは栄養を入れるためのチューブが入れられない可能性がある上、喉を切開してチューブを入れるには血液の数値が悪すぎるから出来ず。

どうにか鼻から挑戦してもらったチューブが入り、栄養を流し入れる事に成功。

このまま回復してくれたら、どんなにお世話が大変でも家で引き取って、ここの家に来てよかったと最期の時に思ってもらえるくらい大事にしよう。そう決めていました。