第6回沖縄遠征 動物編
という訳で動物編!
前回の記事で今回の沖縄遠征はかなり無計画でしたと書き、その影響をもろに受けてしまったのは動物、魚や両爬(パぺ)の類でした。
今回の反省点はやはりきちんと見たい生き物の目標を立ててその準備をしろ!という訳ですね(-_-;)
今回の沖縄遠征は基本天気は良かったのですが、通り雨で急に土砂降りとなり、その後晴れるということを繰り返しておりました。
川ではそれほど水位は上がらなかったものの水はやや濁り、特にやんばる奥地の小河川については水中がよく見えずなかなか厳しかったです。
採集については魚影の多いベストポイントが過去の出水の影響からか大きく地形が変わっており、特にボウズハゼの類はほとんど見られませんでした。
河床が石礫で覆われており流れが速いボウズハゼポイントがほとんど吹き飛んで、流れが緩やかとなって河床が砂泥と藻類に覆われてしまっていたのは痛かったですね。
新規ポイントを開拓する時間もなく、結局あまり魚を見られず採れずで終わってしまいました。
一方通り雨が多かったことから陸上動物(ハぺ)には期待していたのですが…
こちらも林道流しなどを行ったものの、ヘビとクロイワ、ヤマガメ等には遭遇出来ず終わりました。
一人遠征ということで夜中の散策も無茶が出来ず、夜間早々に居酒屋に撤退していたのも原因だと思いますが(笑)
去年のヒメハブを踏みかけたとか一瞬遭難しかけたということもあり、夜中散策はかなり及び腰になってしまっております。
これはもう仕方がないのでパーティーを組んだり下調べをしっかりやる等をして対応するほかありません。
一人でのやんばるの森突入は本当に危ないので今後もしたくないですし…
まぁ、無計画で行くもんじゃないということです(笑)
魚類
タウナギ
通称琉球タウナギ。
今の研究では本州や海外の個体と遺伝子的に離れているため在来ということになっています。
遠征初期は見たことがなかったのですが、環境が分かったのか最近は毎回網に入ります。
このポイント自体はかなりの良ポイントではあるのですが、奥に行くには深さが分からない池を横断するほかなく、きちんと調べ切れておりません。
タイワンキンギョ
タウナギと一緒に採れるやつ。
今年は稚魚が多く入った他、泡巣も見ることが出来ました。
このポイントではあまり多くの個体を見たことがなかったのですが、想像以上には個体数がいるようです。
去年はバケツをこかしてしまって写真撮影後に逃げちゃったのですが、今年はきちんとキープ出来ました。
毎回同じポイントで見ているのでそろそろタイワンキンギョも他のポイント開拓をしたいなぁと思っております。
クロヨシノボリ
下の個体はアヤヨシノボリ
常連。
河口域だろうが上流域だろうがどこにでもいます。
ダムや堰等で陸封された場合アオバラヨシノボリやキバラヨシノボリのニッチを奪うため、在来種ですがやっかいものの一面があります。
アヤヨシノボリ
沖縄で採集できる種では最も好きな魚です。
頬の青色が非常にGood!
性格もヨシノボリにしては大人しく、河川下流域に多いため水質の悪化にもやや強く飼育しやすいです。
アヤヨシノボリも陸封化する噂がありますが(アオバラヨシノボリがその末裔)、一度見てみたいです。
シマヨシノボリ
産卵・繁殖期の美しさと言えばこの種ですが、本気のこの種を見るならやはり早春に行くべきです。
川の宝石と言えるほどのブルーを見ることが出来ます。
ただ流石に沖縄と言えど4月とかは寒いので、水中写真がなかなか撮れないというジレンマもあります。
ゴクラクハゼ
ヨシノボリ類の中では少し影が薄い気がします。
個体数も他のヨシノボリと比べて少ない気がする…と言いつつ、私は何だかんだ言って順淡水域をウロウロしていることが多く、この種を見るならもっと河口側に行かないと本種のメインテリトリーには入らないのだと思います。
次回の沖縄遠征では汽水あたりも狙ってみたいです。
ナガノゴリ
川底を真っ黒な魚が泳いでいて最初ギョッとしました。
チチブの類もあまり人気はないですが、こう見ると体表に星が散っているように見えて非常に美しいです。
今回の遠征でかなり考えを改めた種類でした。
ボウズハゼ類
ドノーマルのボウズハゼ以外見分けが全くつきません。
他の種以上に同定と採集が苦手な種群です。
Stiphodonの類は全部ナンヨウボウズハゼに見えます(-_-;)
今年は結構ボウズハゼを期待していたのですが前述の通り瀬が少なくなっており、あまり多くの個体数を見ることができませんでした。
沖縄の魚類では海と川の連続性が重要な種が多いですが、ボウズハゼは特に近年の気候変動、開発のダメージを負って個体数を減らしているような気がします。
アオバラヨシノボリ
前述のとおり撮影が厳しく、なんとか写せたのはこんだけ。
ポイントはきっちり抑えておりますし、まぁ、撮れない年があっても仕方がないでしょう。
それよりもキバラヨシノボリをきちんと探さねば…
ポイント絞りは一応しておりましたが降雨のタイミングが悪く結局行けませんでした。
両生類
カエルはいまいちよく分かりませんので種名は暫定ということで(笑)
今回は雨が多かったのでもう少し色々見れるかなぁ…なんて思っておりましたが…(-_-;)
やはり夜中のやんばるや林道流しをするほかないか。
リュウキュウアカガエル
アオバラヨシノボリがいるやんばるの小河川で見られました。
かなり自然度が高く良い場所なのですが、川の規模などが小さくたくさん生き物がいる!!という感じではありません。
リュウキュウカジカとか?
…この辺一切分からん。
分からんと捕ったら希少野生動植物やったとかいうオチもありますので、分からんもんは触らない!が鉄則です。
ヌマガエル
どこにでもいるカエル…と言いつつ水辺が少なくなることで少しずつ減っているカエル。
水田地帯を歩くとぴょんぴょん逃げます。
ナミエガエル
ホンゴウソウ発見の立役者。
この個体の真上で見つけました。
ずんぐりむっくりでかわいいです。採集は無理ですけど。
シリケンイモリ
今年はよくシリケンイモリを見る池で死骸を見ました。
水温の極端な上昇…という訳でもなく、繁殖期の水死っぽいわけでもなかったので何故か分かりませんでした…
爬虫類
カエルと同じく今回期待していたのですが、まぁこちらもあまり成果が出ず…
道路の温度が高すぎて道路が湿ろうが動物が出てこれないということもありそうです。
ヒメハブ
今回は木のうろに格好よく隠れていました。
一応足元も気にしておりましたが去年のような忍者隠れをしている個体はいませんでした。
アオカナヘビ
コモウセンゴケを探しているとよく見かけます。
かなり逃げ足が速く捕らえるのも苦労します。
キノボリトカゲ
アガマ系の格好良い顔をしており捕まえて少し飼ってみたい気持ちもありますが、紫外線(とヒーター)の必要な爬虫類は飼育が大変なので基本飼いません。
ウミガメ(の産卵痕)
いつのものか分かりませんが海でこんなものを見つけました。
ウミガメの産卵ツアーなどもありますし、そうした場合にぶっ挿しておくのでしょうか。
ただ遠めに見るとペットの墓みたいにも見えますね…(-_-;)
昆虫類・節足動物
キンカメムシ
カメムシのくせに(失礼)美しいです。
図鑑等で良く目立つので子供のあこがれのムシだったりしますね。
今回はやんばるの森の中でたくさん見られました。
リュウキュウアブラゼミ
今年の夏捕ったセミはこれが最初で最後。
南の方のセミってあまりうるさくないイメージがあります。
何故本州のクマゼミはあんなうるさいのか…
アオビタイトンボ
虫もさっぱり分かりませんが(他の分類群も何も分かっておりませんが)、トンボは仕事という意味でも覚えておきたいところ。
多分アオビタイトンボ。
額(鼻?)が美しい青色をしているためそう名付けられたみたいです。
ベニトンボ
翅まで赤いとベニトンボかタイリクショウジョウトンボで、腹がやや紫がかった紅色なのがベニトンボ…
と覚えております。
コシブトトンボ
お腹がやや太いのでコシブトトンボ。
普通種ですが涼しい水色のカラーリングがとても好きです。
リュウキュウベニイトトンボ
イトトンボとは一目で分かりますが、カラーリングこんなんでしたっけ。
何かオスはもうちょっと胸が赤いイメージがあるのですが…
オキナワヘリグロツユムシ
バッタ系もさっぱり分かりませんが翅の付け根にラインが入っているので多分そう。
緑色ではなくまっ黄色でかなり目を引きました。
沖縄の夏は日没が20:00とかになるのですが、時間をつぶしている間ずっとアカメガシワの葉を食べていました。
ミズカマキリ
タウナギ等を探していたら網に入ったミズカマキリ。
環境が良ければ別に珍しい種でもありませんが、良い環境が減ってきているので数も減らしております。
コガタノゲンゴロウ?
幼虫ですので分かりませんが、生息域的に多分そう。
ちょっと持って帰って飼育しようかと思いましたが、共食いしそうなので辞めました。
オカヤドカリの仲間
やんばるのかなりの奥地の岩の間にいてびっくりしました。
海からどうやって上がってきた…
生息数は多いですが天然記念物なので触ることはできません。
まぁ、欲しいならその辺のペットショップで売っているのでそれを買えばよいでしょう。
オオゲジ
クロイワトカゲモドキがいそうな隙間を覗いていたら足の長さが10cmもある特大ゲジゲジがいてびっくりしました。
奇蟲に耐性はあるとはいえ、足が細長いのは少し苦手です。
ザトウムシとかカマドウマとか…
オキナワミナミサワガニ
山奥で石をひっくり返したらいました。
かなり大きくて食いごたえのありそうな個体でした。
陸産貝類
陸産貝類…
さっぱり分かりませんが勉強のため色々調べて記事を書いています。アオミオカタニシとシュリケマイマイぐらいしか分からん。
ヤンバルマイマイ?
ぱっと見シュリマイマイなのですが沖縄北部の山奥にいたのでヤンバルマイマイ…?
といってもヤンバルマイマイもっと殻濃くないか?
オオカサマイマイ?
平べったいのはケマイマイとカサマイマイがいてこいつは毛がないのでカサマイマイ。
なので多分オオカサマイマイ。
ヤンバルヤマナメクジ
ヤマナメクジは本州の個体もでかいですが、沖縄の個体は目がどこか分からないぐらいつるんとしていますね。
沖縄の陸産貝類は雨が降っていない昼はこうして石灰岩の割れ目などに潜っております。
でもなんかアマオブネガイみたいなやつ写っていない?
ヤドカリかもしれません(笑)
鳥類・哺乳類
鳥カメラもきちんと持って行ってはいるのですがなかなか活躍の機会がありません。
遭遇率で言えばすごい見ているんですけど、大抵運転中なので…
日没まで暇を潰していたら現れました。
見慣れていないからこのサイズの動物がヒラヒラ飛んでいるのはやはり異様です。
毎回夜中の飲み屋を探している時に遭遇するので写りが悪いのですが、今回は比較的綺麗に撮れました。
タカブシギ
タイモ畑にいたシギ。
真夏の沖縄にいるんですね。渡りの途中でも時期的におかしいような気がしますが、クサシギとの誤認なんてことはないはず…
結局今年も見られず。
初回の道端でカラスのようにいた時から見ることが出来ておりません。
林道流しで出てくれれば良いのですが…
という訳で動物編も終わりです。
最初に書いたようにあまりぱっとしないというかなんというか…(-_-;)
とはいえ反省点があれば次回修正したらよいのです!
来年はしっかりきっちりポイントを押さえて林道流しですね!(笑)