いざ、コウシンソウの自生地へ!! | もなのブログ

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 第257回浜田山集会…

 基本今まで集会というものは第78回関西集会に参加してからというものサボったことはありませんでした…(浜田山記念集会と被った時は関西集会をサボりましたが)。

 

 しかし今回は別!

 

 日本の至宝、コウシンソウを見に行ってきました!

 第13回 食虫植物国際会議のロゴマークもコウシンソウ!

 日本固有種やからね。

 

 

 コウシンソウはムシトリスミレ属の一種で、海外にも生育しているノーマルムシトリスミレとは異なり日本固有種です。

 100年以上前に庚申山の標高1,800m付近で初めて確認されたため、そのまま”コウシン”ソウという和名がつけられました。

 現在庚申山のコウシンソウ群落は特別天然記念物に指定されています。

 

 コウシンソウはそもそも株や種子を入手できず、大昔に栽培にチャレンジされたという方々も口々に絶望的に栽培が難しい(意訳)と仰られていたそうで、見てみたいなら山を登って自生地を見に行くしかありません。

 

 コウシンソウは栃木県から群馬県あたりの標高が高い山にのみ生育が知られており、私は今まで自生地には行けておりませんでした。

 関西からは流石に遠すぎる。

 

 延期が続いています食虫植物国際会議のイベントでもコウシンソウの自生地見学会が含まれているのですが、平日含めて1週間以上の休暇をとるというのはなかなか難しいこともあり、国際会議での自生地見学は参加が難しいと言わざるを得ません。

 また、自生地に1人で行くにも正確な場所を良く知らないですし、ガレ場も多く一人で行くのは危険です。

 

 そのため会長にコウシンソウ見に行きましょーよ!見学会をしましょーよ!と駄々をこねていた結果、食虫植物国際会議の下見としてコウシンソウ見学会が開催されることとなりました。

 

 

 

 当日。

 電車で山のふもとまで移動し、そこから車組と合流して登山道入り口へ。

 登山道の入り口でも約900mほど、ここから自生地まで約500m登山します。

 自生地への道は9割舗装されており、急な坂道も少なく非常に歩きやすいため、この自生地が一番コウシンソウを見るには初心者コースと言われています。

 …ただ片道2時間かかりますし、崩壊地が多い箇所ですのであちこち崖崩れが発生していました。

 

 

フェンスを突き破って車ほどの巨岩が落下していました。

かなり最近の模様…

 

 コウシンソウの自生地見学当日までの週末は梅雨前というのにしょっちゅう大雨が降り、当日もどうなるもんかと思いましたが、奇跡的に雲一つない晴天となりました。

 

 

 

クリンソウの群落

 

ヤマツツジ

 

テンナンショウ系

 

 晴れたお陰で標高が高いといえど登山中は汗だくにはなりましたが、参加された皆さんすいすいと登り切り、想定より早くコウシンソウの自生地にたどり着きました。

 

 

 

 ここのコウシンソウは急峻な山に挟まれた渓谷の上部近く、谷間に向けてオーバーハングした水の滴る崖地に生育しています。

 かつてこの近辺で山腹崩壊が発生し、下流側の村が全滅したと言い伝えられているほど崩れやすく、危険な所でもあります。

 

 

 生育地の状況としましては、崖の向きや正面の山等の存在から自生地に直射日光が当たることはほぼありません。谷に沿って下界から風が吹きあがってくるため、常に湿度の高い風が吹いている他、崖から滴る水による気化熱により、自生地近辺では今までそこそこあった気温が急激に下がったように感じられました。

 今回はすがすがしいほど晴れていましたが、普段はこれらの要因からしょっちゅう霧が出る環境だそうです。

 コウシンソウは崖地の苔に埋もれるように生育していますが、苔はそれほど湿っておらず比較的乾燥しています。

 私はノーマルムシトリスミレより標高の高い、寒い所を好んでいるのかな的なイメージしかなかったのですが、”土(崖)の湿り具合”、”日当たり”の要素がノーマルムシトリスミレとは明確に異なる感じです。

 ヨーピンよりメキピン(日当たり悪い)の自生地に近い印象を受けました。これは特殊やわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時期的にはちょうど満開の素晴らしい時期に当たったようで、崖地で一面のコウシンソウの花畑を見ることが出来ました。

 コウシンソウの特徴として一本の花茎から二つも三つも花が咲くということなのですが、確かにノーマルムシトリスミレより1株あたりたくさん花が咲いております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食虫植物とはいえ虫がたくさんへばり付いて栄養条件が良いという訳でもなく、たくさん日の光を受けて光合成をたっぷりして力を蓄えているという訳でもなさそうなのですが、どこにこんなにたくさんの花を咲かせて種子を作る活力があるのか不思議です。

 

 散々コウシンソウを楽しんだ後は、下山してそのまま新宿へ移動し浜田山集会の反省会飲み会へ合流。

 非常に疲れていましたが楽しい一日でした。

 

 

 なお、コウシンソウの前々日までは出張先で何十個もの土嚢を作成し、簡易魚道づくりに従事し、前日はテニス、コウシンソウ直後は飲み会、次の日も飲み会で3次会迄遊び惚けた結果、週の真ん中には疲れから体調を崩しました。

 無茶はいかんということです…(-_-;)

 

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