【食育リレーブログvol.54】栄養素とフードファディズム | ママスタート・クラブ(Momstart club) ブログ

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名古屋市を拠点として活動を行っている育児支援団体「ママスタート・クラブ」のスタッフがお届けするブログです。
子連れで参加可能な講座やイベント情報の発信、講座内容のレポートや活動情報などをお届けします。

【食育リレーブログvol.54】栄養素とフードファディズム
 

令和元年も食育プロジェクトより、リレー形式でブログをお届けします。

投稿予定をとっても過ぎてしまいすみませんが、投稿いたします。
今回担当は、家庭科講師、加藤です。

今日は家庭科の授業で接してきた中学生のこと、栄養について、思うことを書いてみます。
自分の子どもは家庭科の力は低く発展途上中(泣)
説得力があるかわかりませんが、軽く読み飛ばしてもらえたらと思います。


今日のテーマは栄養素


さて、問題です!

Q.五大栄養素を答えて下さい。

 

 

答え(小学校家庭科より)

①たんぱく質 ②無機質 ③ビタミン ④炭水化物 ⑤脂質


と、教わった記憶があるでしょうか?

これは中学校でいまだに教えている内容ですが、テレビを観ていると、この内容に疑問が出てくるので、補足したいと思います。
(新学習指導要領の内容はそれほど変わりませんが・・)


近年はこれに第6の栄養素、第7の栄養素が加わるようです。
何でしょう?


第6の栄養素は、食物繊維です。
実は④の炭水化物が2つあり、そのうちの1つです。
炭水化物は①糖質と②食物繊維としています。

 

食物繊維が豊富な食材として、こんにゃくやゴボウなどは、便通がよくなるなどイメージがあると思います。腸内環境を整えたり、血中コレステロールの低下に関わっています。
食物繊維は、炭水化物の1つとしても分類されていたのですが、最近は「炭水化物」という単語はあまり使われず、「糖質」と「食物繊維」と分けられ、現代人に必要と注目されているので、「食物繊維」を第6の栄養素・・・とわざわざ取り出して分けているのでしょうね。
 

日本人の傾向としてですが、食物繊維の摂取量が年々下がっています。食物繊維の摂取量が下がることで、便の量が減っている。便の量が減るということは腸が汚れたままになる⇒病気が増えるということに繋がることは予想がつくと思います。摂ることも大事ですが、その分「出す」ことも忘れてはいけないということですね。
  【食育リレーブログ43段 うんちの教え】はこちら⇒https://ameblo.jp/momstart/entry-12377599701.html

 

食物繊維は野菜からはもちろんですが、特に穀物からの食物繊維摂取量が減っているということですので、雑穀や玄米を上手に使うことをお奨めしたいと思います。スーパーのお米のコーナーの隣に雑穀米コーナーがあります。また産直のお店では地元の穀類が売っていますので、産地も明確なものが手に入ると思います。種類も豊富です。ぜひ家族が食べられる雑穀を探してみて下さい。

長くなりましたが、第6の栄養素、食物繊維のお話でした。

 

 

そして、第7の栄養素がファイトケミカルです。
ギリシャ語で「植物」を意味する「Phyto」が語源の「植物に含まれる化学物質」というような意味です。抗酸化作用のある物質で、1万種類以上もあるといわれ未確認な成分もたくさんあるようです。多くの病気が酸化することが原因といわれますので、病気や老化を防ぐにも大切な栄養素といえそうです。例えばポリフェノール、リコピン、イソフラボンなど様々な言葉を聞いたことがあると思います。もともと植物自身が身を守るために存在する化学物質ですが、それを取り入れることで私たち人間もその恵みを頂けるのですね。

画像は吉田俊道さんブログよりお借りしました。
吉田さんのお話もとっても面白くて、子どもたちも釘づけですよ~
全国飛び回っていますので、チェックしてください↓

http://kinchangenki.hatenablog.com/entry/2019/05/10/093143


 

ファイトケミカルについて取り上げられている昨今ですね!
気になるのは、最近テレビでも様々な新しい物質がクローズアップされ、「これを摂るとこれに効く」・・・など特定の効果を想像させる番組やCMが多いですね。面白いしつい買ってみたくなる。「食や栄養に対して過大に抱く期待や幻想のこと」を「フードファディズム」と言いますが、、、


例えばCMの言葉


塩分脂肪はさようなら

⇒さようならできるとはどこにも書かれていません

 

燃焼系

⇒脂肪が燃えるとはどこにも書かれていません

このように映像と言葉、言葉と言葉の行間を読んでしまいますが、健康食品はあくまで補助的なもの。映像と言葉により巧みに「行間を読ませる」ことで健康を買えると購買意欲をかきたてます。健康は日々のバランスのよい食事で手に入ることを肝に銘じておかなくてはと思いました。

よくCMの下に小さな文字で書いてあります
「食生活は主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを。」

見るべきは行間ではなく、まず表示です。疑問に思ったら企業に電話しましょう。丁寧に説明してくれますよ~。
説明してくれることから、本当に色々なことがわかります。
 

健康のために毎日同じものを摂り続けるなど偏った食生活にならないことに気をつけ、バランス感覚を身につけることを日々大事にしたいと思っています。家族が胃に異常が出ました。これはたぶん濃いお茶の飲み過ぎです。
私はコーヒーが大好きでほぼ毎日飲んでいますが、1週間に1度は別の飲物にしています。好きな物や毎日摂るものは特に気をつけなければいけないですよね。行動にうつすのは大変ですが・・・。


中学生と接してきて思うことは、

心理的な悩みを感じている、授業に集中できない、慢性的にお腹が痛くなる、・・など目に見えるほどの問題を抱えるお子さんの場合、普段の食生活をみると多くの場合、バランスがよいとは言えない食事が続くお子さんが多いと感じます。家族がお子さんの問題を感じた時、食生活をまず見直して欲しい、そう切に願います。そのためにもお子さんだけでなく、周りの家族がおおらかな気持ちで過ごせていることが大切だと感じます。私自身も気をつければ・・・と感じていることです。

バランスのよい食事は、お金も時間もかかることでもあります。

経済的な問題もありますが、ぜひ毎日の積み重ねで日々成長するお子さんの食事を簡素なものでよいので、「手作り」のものが食べられるよう家族で助け合っていけるとよいなと思います。

ご飯を炊く係、味噌汁係、おひたし係・・・どれでもよいので分担したら、仕事から帰宅して1品目(例 トマト)か2品目(肉を焼く)作れば完成です。一汁三菜、完成!
いつもバランスが大事。トータル1週間でバランスがよくなるように見直せたらO.Kではないでしょうか?ママの心のバランスも忘れずに♪
こどもはいつだって可能性にあふれています。置かれた環境で頑張っていること、その力を信じましょう。ママは支えるだけ。
 

右下にシロツメクサ。いつも草刈機でかられる場所です。環境に合わせて、短い茎でも花を咲かせているのでしょうね。


 

今日は栄養のお話でした。いかがでしたか?

最後までお読み頂きありがとうございました!!!

 

参考文献 
開隆堂 教科書 技術家庭科 家庭分野
中央法規出版 フードファディズム メディアに惑わされない食生活 髙橋久仁子
東洋経済 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門 吉田俊道

幻冬舎 奇跡のリンゴ 石川拓治

三五館 乳酸菌生活は医者いらず 藤田紘一郎            など
これらの本それぞれ魅力的ですので、ぜひまたの機会にご紹介させて頂きます。
 

 (食育プロジェクト 加藤由紀子)