コレクション展に降りると、珍しく彫刻作品が並んでいた。ブランクーシ展からの流れだろう。
ドガ「右手で右足を持つ踊り子」1896-1911
戸張狐雁(とばりこがん)「曇り」1917
どの角度から観るのが良いだろう。作者の意図を考えてみたり、色んな方向で眺めてみる。
ピカソ「道化師」1905
キュビスム前の作品。著名な画家が彫刻作品まで手掛けるのはよくあることだが、彫刻の全方位アートとしての性質がそうさせるのかもしれない。
キュビスムは偉大なる発明だが、彫刻であればその必要はない。あるいは彫刻を手掛けたことで、キュビスムを生み出したのだろうか。
鑑賞者側からいえば、全方位から観て初めて鑑賞したことになるのだろうか。この時点で、余程ブランクーシ展に戻ろうか迷った。
ジャコメッティ「ディエゴの胸像」1954-55
ジャコメッティ「歩く人」
絵画と彫刻でアーティストのアイデンティティが変わらないとすれば、絵画に描かれていない裏側を見ることができる。メイキングビデオみたいな楽しさがあるような。
ヘンリー・ムーア「横たわる人体」1976
彫刻の森美術館に数多く展示されていたが、やはりヘンリー・ムーアは良い。
アレクサンダー・アーキペンコ「ゴンドラの船頭」1914
ウンベルト・ボッチョーニ「空間における連続性の唯一の形態」1913(1972鋳造)
いつもの3Dキュビスムのコレクション。
ブールデル「弓を引くヘラクレス」1909
ブールデル代表作の小型版。上野に巨大バージョンがある。メトロポリタンにもあるとのことだが、そちらは覚えていない。
ブールデル「ペネロープ」1909
ブールデル「レダと白鳥」
やはりアーティストのアイデンティティは変わらないな。
自由度の高いコンテンポラリーにおいても、アイデンティティは必要だろうか。意見の分かれるところだ。