ぽっかりと時間が空いたので、灘までやってきた。よく耳にする地名だが、来るのは初めてのこと。小春日和だ。
横尾忠則現代美術館
画伯のY字路シリーズの展覧会が始まったので、このタイミングで観ておこうと。
壁の補修工事中。1階でチケットを買い、エレベーターで4階に。
「キュミラズム・トゥ・アオタニ」2021
建築家の武松幸治氏の監修により制作された空間。摩耶山を臨む大窓の周りに、多数の鏡を複雑に組み合わせ配置してある。
窓からの景色が様々な方向に幾度も反射し、まるで巨大万華鏡のように異世界の映像を映し出す。
窓を背にして壁側の鏡を見るとこうなる。摩耶山の風景が、分析的キュビスムのように再構成されている。キュビスムとミラーでキュミラズム。画伯による造語とのこと。
ブラックやピカソのキュビスム作品を観ている気分になる。これほどの革命的な作品を、この地にひっそりと展示するのは少し惜しい気がする。ただ、逆にこの地限りだからこそ、成立しているのかもしれない。
目玉廊下をさっと観て、3階に下りる。