野見山暁治展@常設展+ | 温室メロンの備忘録

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いつものように常設展は散歩がてら。毎回新しい作品と出会えるのが楽しみだ。まあ観たことを忘れている作品も少なからずある。

パウル・クレー「双子」1930


2対の2本脚とは珍しく具象的だ。可愛らしい。


パウル・クレー「小さな港」1937


こちらは典型的なクレー作品。バウハウスで教鞭を取られた理論派だと知った時は驚いた。


デ・キリコ「吟遊詩人」1948


パリ市立近代美術館が、同じ構図の作品を2点所蔵されているのだそう。


デ・キリコは過去作品を模倣して描くことが多かったらしい。制作年を偽ることもあり、自身の作品であるにも関わらず、贋作呼ばわりされているのだと知る。不思議な話だ。


ロートレック「サーカスの舞台裏」1887頃


モノクロのイメージはなかったが、年代を見ると20歳前半の初期の作品のようだ。


モーリス・ド・ヴラマンク「色彩のシンフォニー(花)」1905-06


強い圧を感じる。当時マティス、ドランと共に出典していた展示室が、フォービズム誕生のきっかけになったのだそう。佐伯祐三画伯が大きな影響を受けたらしい。


荒川修作「クールベのカンヴァス No.2」1972



古賀春江「素朴な月夜」1929


以前観た絵は、もっとセザンヌ的だった気がする。悪くない。日本のシュルレアリスムを学んでみたくなった。ずっと女性だと思っていたら男性だった。


国吉康雄「夢」1922


シャガールのオマージュかな。


藤田嗣治「猫のいる静物」1939-40


以下の2作品は、ローランサン展で展示されていたのだが、こちらに残しておく。


藤田嗣治「少女像」1927


モノクロスケッチなのに、あの乳白色の肌が思い浮かぶ気がする。さすがに先入観か。


藤田嗣治「人形を抱く少女」1923


肌が乳白色に描かれていない。


なぜこの2点が、ローランサン展での展示作品として選ばれたのか。ローランサンとの共通点に気づいた時のインパクトは、単純に示されるよりも多分大きかった。


4階フロア


昨年逝去された、野見山暁治画伯の小企画展。



野見山暁治「タヒチ」1974


タヒチの風景。不思議なのだが、タヒチを描いたと言われれば、想像力を掻き立てイメージを膨らませられそうな気がする。


野見山暁治「風の便り」1997


福岡県の糸島の風景。


風景の心象を、具象と抽象を行き来しながら描く風景画とでも表現すれば良いのか。初めて画伯の作品に触れるので、ピンボケた解釈かもしれないが、まずはそんな印象。


野見山暁治「振り返るな」2019


青山一丁目、赤坂御所の風景。青山一丁目駅のステンドグラス壁画の制作に際して描かれた作品。


明治神宮前駅にも、別のステンドグラス壁画があるそうで、今週末、明治神宮に参詣する時にでも立ち寄ってみたい。


【追記】2024.1.20

野見山暁治「いつかは会える」2008


明治神宮の参詣前に、ステンドグラス壁画を見学。神宮前交差点方面の改札構内にあった。明治神宮+原宿の風景なのだろう。


より躍動感が感じられる、こちらの表現方法の方が、画伯の魅力が伝わってくるように思う。