ローランサンと文学・演劇 | 温室メロンの備忘録

温室メロンの備忘録

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亡命の間に何があったのだろう。世界大戦が終わり、パリに戻ったローランサンは、文芸の分野でも創作活動を進めてゆく。

「扇」


まずは詩集を出版。挿絵も当然ローランサン自身で。左側はそのエッチング作品(1922, 姫路市立美術館)で、右側が書籍(1922, アーティゾン美術館)。


中でも出世作となったのが、


「牝鹿」@セルゲイ・ディアギレフ劇場, 1924


この公演の大好評を受けて、衣装や装飾関係の仕事が殺到するようになったのだそう。

ジャック・ド・ラクルテル「スペイン便り」1926, アーティゾン美術館




他の著書の挿画も担当されている。オリジナルのエッチングによる33点の版画から1葉。


作品的に群を抜いていると感じるのが「椿姫」の挿画作品。



専用の一部屋が作られ、全13点が展示されていた。書籍はアーティゾン美術館、挿画12点はマリー・ローランサン美術館の所蔵。


アレクサンドル・デュマ・フィス「椿姫」1937


「椿姫 第1図」1936


全作品を載せるのは冗長なので、数点選ぼうとしたのだが、半分にしか減らすことができない。いずれも異なる魅力があり、甲乙付け難いクオリティの高さだと思う。


「椿姫 第5図」1936


よくよく見れば、平安美人と共通要素が多い。


「椿姫 第6図」1936


「椿姫 第8図」1936


「椿姫 第9図」1936


「椿姫 第10図」1936


「椿姫 第11図」1936


ガブリエル・シャネルと同様、70年代のモードシーンをリードした1人であることに違いなさそうだ。