中国ドラマ 祝卿好~永遠の幸せを君に~ | 明日は明日の風が吹く  ~多発性筋炎の毎日~

中国ドラマ 祝卿好~永遠の幸せを君に~

2022 全22話

原題:祝卿好

英題:My Sassy Princess

『祝卿好〜永遠の幸せを君に〜』

袁冰妍(Yang Bing Yan)ユエン・ビンイェン
郑业成(Zheng Ye Cheng) ジェン・イェチョン

 

太陽と月の秘密のジェン・イェチョン、

瑠璃のユエン・ビンイエンの共演、

 

どちらのドラマも視聴しているのですが、私は瑠璃で

お初だったジェン・イェチョンが苦手です。

 

どおしても鼻に目がいってしまう。

鼻が大きい女優さんなんですね。

 

長楽郡主・劉泠/ユエン・ビンイエン

 

 

金鱗衛指揮使・沈宴/ジェン・イェチョン

 

 

本作は、皆の大好物の制服モノ(飛魚服)で、彼が着たら

それはそれは美しい。

 

 

5歳で母親を殺され、7歳で父親を殺そうとした女主、劉泠は

美人だけど横暴だと評判。

この女主の性格が本当にイライラした!!

 

錦衣衛の司令官、沈宴は沈ファミリーの後継者でもあり、

冷酷で厳しいと評判。

このふたりが結ばれる王道のラブストーリーである。

 

時代背景であるが。

・・・

ほんとに謎。

錦衣衛といえば明代、と皆が認識してるはずである。

 

ここでどーでもいいかもしれないが錦衣衛話を・・・

 

錦衣衛とは

1371年に儀鸞司という軍事組織があり、

1382年に再編・改称され錦衣衛となる。

なので作ったのも再編したのも明代の太祖洪武帝である。

以後1661年に南明代(明の亡命政権)の永暦帝のもと、

錦衣衛の司令官の馬吉翔と錦衣衛が殺されるまで錦衣衛は存在した。

290年の歴史をもつ組織である。

 

で、錦衣衛というのは最初は普通の軍事組織であったのだが。

再編された時に、ちょっと意味合いを変え特別警察的な

仕事を主に担当することになる。

言わばFBIみたいな感じで、簡単な窃盗事件とかじゃなく

連続殺人みたいな特別な事件を取り扱う。

なので解決すると目立つし、皆から賞賛されるしで。

ヤングの憧れの職業となる。

 

そのうちに業務内容は少しずつ変化していき。

FBIであったそれはCIAの様相を呈してくる。

日に日に秘密警察、言わばNARUTOで言うところの

暗部の仕事をするようになって行く。

 

そして、母体が特殊で言い換えると皇帝の私兵の

ような背景があるために。

錦衣衛の持つ権力は特別なものとなる。

錦衣衛のトップは王朝の内閣の斬首という権限まで

持つことができるほどとなる。

なので、昔はヤングの憧れの職業だったのが。

日に日に黒化してゆき。

泣いてる子も黙る、な、血も涙もない恐ろしい暗殺集団に

変化していくのである。

 

300年近い明代の歴史の中で、錦衣衛を牛耳る者も

微妙に変化していくのだが。

最初は皇帝直轄だった組織が、宦官がそれを

牛耳るようになっていく。

なぜか、と言うのは皇帝交代の歴史から察する

ことが出来よう。

 

で、話をドラマに戻そう。

司令官と呼ばれる沈宴は飛魚服をきているので

錦衣衛だと認識できる。

では明代なのだな、と思う。

しかし王族である劉泠の苗字は”劉”だ。

では母方の姓を名乗ってるのか、と思ったが。

皇太子の名も”劉望”だ。

驚いたことに国の名前が”魏”だ。

そして、途中女主が降嫁させられる相手は”拓跋部”の男だ。

めちゃくちゃだ。

 

例えば、皇帝の名前が違ってて架空としても、

実在の人物を反映している作品(長安十二時辰)などもある。

しかし本作はまったくの出鱈目だ。

 

そして作中で”錦衣衛”ではなく”北典正司”の司令官だという。

なので飛魚服は着ているが背景は架空だ、という結論に達した。

 

なぜ飛魚服だったのか。

それはおそらくかっこいいからだ。

ここ最近わりと多く見かける飛魚服。

そう、おそらく今中華な大陸では飛魚服がブームなのでは

ないだろうか。

飛魚服をイケメンが着こなす様を見たい、という

需要が増えているのだと推測する。

 

飛魚服でトルネード、はプリーツスカートをひらひらさせて

くるくる回る様を表すwordである。

これは@錦衣之下でれん君(任嘉伦)が見せてくれた技である。

 

飛魚服を着てるドラマ

 

 

 

 

まずは女主だが。

沈宴に一目惚れの果てに、好きだ好きだ、と騒ぐストーカーである。

 

脳内は”幸せな結婚をゲットする”で埋まっている女である。

もう他はどーでもいーのである。

相手が困ってようが、大事な仕事があろうがお構いなしな自分中心な女である。

相手はマジでシリアスに困ってるのに、

「お風呂入りたい」

とか言うんだよね。

でも、なぜか風呂に入ってるの沈宴。

 

 

しかし、しかしである。

10集過ぎまでイエっちも抵抗して頑張ったが、

とうとう落ちてしまう。

そっからセオリーの”ハードル”設定で降嫁問題勃発である。

ここで皆のため(あなたのため)に身を引きます、

で拗らせることに。

・・・

物語の組み立て上、このような切ない別離は

必要なのだろうが。

結局くっつくのわかってるからいらいら

しかしないんだが。

そのセオリーをぶち破って

「はん?

ほかはどーなってもいいの!

沈宴としか結婚する気ないから!」

ってはっきりという性格設定はどこへ行ってしまったのか。

犠牲者ぶる姿に興醒めである。

そもそも王族の娘ならこんなこと当たり前であろう?

 

いつも思うけど。

こーゆー状況ってわりとデフォルトだから思うけど。

「実は〜〜こんな事情で他のとこに嫁行かなきゃいけなくなった。

どうしたらいいだろうか?」

と。

忌憚なく相談すればいいんじゃないだろうか。

ものの数分で解決、解決しなくても余計な涙を見ずに済む。

 

 

 

 

このドラマは、筋がどうとか。

気持ちが痛いほどわかるわ、とか。

はたまた手に汗握る権謀術数を堪能する、とか。

そーいった類のドラマではなく、

 

 

鄭業成をひたすら愛でるドラマである。

 

 

話の筋も単純だし、きれっきれの冷静な頭脳も持ってるが

そこの見せ場などはない。

主に彼のルックと素晴らしすぎる立ち回りを感心するのが軸である。

 

 

とにかく10集までのどSな司令官がサイコーだった。

古(いにしえ)の人間は貞操観念が非常に強かったし、

とくにストイックな武人ともなれば尚のことであろう。

おそらくは契りは生涯愛する嫁とだけ、という。

要するに沈宴はチェリーボウイなはずなのだが。

そうは思えない言動。

 

女がぐいぐい口説いてくるのに、レジェンド級の色気でリターン。

結果、女はレジェンド級色気の前にあえなく撃沈。

 

 

耳元で

「わたしはあなたが手に負えるような男ではないのだ」

なにそれ。

言われてみたい。

手に負えるかもしれない、

「消えろ」

なにそれ。

傷つく、言われてみたいけど。

 

ぎゃーすか騒いでる女に壁ドンで

「おとなしくして?」

で、唇を待ってる女にほっぺに少しだけ触れる。

 

なにそれ。

チェリーボウイなはずなのに。

誰に聞いたわけでもないのに。

ポテンシャルが高すぎる。

 

ルック→世界遺産級

武術→きれっきれ

頭脳→孔明ほど

家柄→朝廷官僚の息子

色気→デューク東郷ほど

超ハイスペック男子である。

 

女に自分の仕事をする様を見せて

「どうだ、これがわたしの仕事だ(悲惨な人殺し家業だ)」

の漢心がこもった”目”に鄭業成の成長を見てしまった。

明らかに以前の彼とは違う、深みのある目線である。

これはわりとねっちりと見続けた者にしかわからない違いであるが。

 

 

ほんとに彼のポテンシャルは留まるところを知らない。

今はラヴ史劇などに出演しなければいけない感じなのだろうか。

彼は本来ならばこんな(失礼・ぺこり)軟派なドラマなどは

もったいないほどの俳優なのだ。