「Love Step」(341) | HAPPY DAY

HAPPY DAY

☆ベリーズ文庫(現代・ラブファンタジー・異世界レーベル)マカロン文庫・コミックベリーズ・マーマレード文庫・マーマレードコミックス・LUNA文庫・夢中文庫・ネット文庫星の砂にて執筆させていただいています。

「ある日、事件が起きて・・・・・・彼女から笑顔が消えた 男性恐怖症になり心に深い傷を負った彼女だったけれど、彼だけは怖がらないでくれた そんな彼女を彼は心から愛おしかった 彼女が一緒に住むことになってどんなにうれしかったか」




「ゆきちゃん・・・・・・」



杏梨は雪哉の胸に顔を埋めた。




今まで恐怖におびえていた心がだんだんと温かくなっていく。




「ゆきちゃん、もういい・・・・・・ありがとう」

 
  
雪哉の胸から顔をあげて見つめると、自分から雪哉の唇にキスをした。




あんなに悩んでいたなんて知らなかった・・・・・・。

ずっと、ゆきちゃんに支えられてきていた。




「わたし、もう大丈夫だから」



「杏梨 愛している これからどんな事があっても愛し続けるよ」



「わたしも愛してる ずっと側にいてね・・・・・・」



いたわるようなキスが額に落とされる。



そして震える目蓋、頬へキスを落としながら唇へ。



「・・・・・・抱いて」



呟くように言うと起き上がりパジャマのボタンを外し始めた。




「やめるんだ 今日はショックが大きかったんだ もう寝た方が良い」



杏梨の手に触れ、ボタンを外すのを止めようとした。



「ぃや、ぉ願い・・・・・・」



あの男の手と唇の感触を忘れさせて欲しかった。



「杏梨・・・・・・」



雪哉は杏梨のパジャマに手をかけた。




* * * * * *



雪哉の腕がシーツの上を彷徨う。



杏梨?



ハッとしてまたたく間に目が醒めて身体を起こす。



ベッドには自分ひとりだった。



「杏梨!?」



雪哉は心配になり寝室を出た。




「ゆきちゃん!おはよう~」



ダイニングテーブルに朝食の用意をしていた杏梨は顔を上げてにっこり笑った。



「・・・・・・」



頭に手をやり雪哉はため息を吐いた。



「どうしたの?ゆきちゃん?」



黙ったまま雪哉は杏梨に近づくとぎゅっと抱きしめた。



「ゆ、ゆきちゃん?どうしたの?」



痛いくらいに抱きしめられて驚く。



「・・・・・・いなくなったかと思った」



杏梨は笑って雪哉の頬にキスをする。



「ゆきちゃんの所以外に行く所なんてないよ?」



続く



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