雑誌の記事を読んでいて、どうにもこうにも分からないwouldの使われ方。
2月21日付The Sunday Times magazine
陶器で有名なエマ・ブリッジウォーターの記事より。
彼女が30歳ごろの話の出来事です。
母親が落馬事故により52歳の若さで脳にダメージを受け、二度と回復しませんでした。
妹のNellとCloverが、自宅で介護されている母親の世話をしてました。
そして、こう続くのです。
I would visit with my tiny children every weekend.
wouldの使い方って、日本の学校ではちゃんと教えてもらえないので、
英語学習者は本当に困ってしまう単語の一つです。
助動詞の過去形だけではないんです。
私が驚いたのは、if節が省略されたwouldの仮定法。
さすがに何度も出てくるので、逆にwouldが使われると最初に仮定法と思って受け取っています。
でも今回は仮定法でも、助動詞の過去形でも意味が通じない。
一体どういう意味なの?とネイティブの友人に聞いてみました。
「あぁ、これは『何度も訪れた』って言っているんだよ。」
「なんで普通の過去形I visitedじゃだめなの?」
「過去形だと一回だけ訪れた事になる。wouldだとoften訪れた事を指すよ。(この文の段落の最初に)30歳の頃の話と書かれているからこれが過去の話だと分かるから、今回は反復された動作の事って分かるよ。文末にもevery weekendと書かれているから、より詳しい状況が説明されているね。」
えぇぇ、wouldにそんな意味があるの!?
聞いた事ないんだけど
友人と話終わった後に文法書を観てみたら、
*参考 総合英語 Forest 4th Edition p112
「習慣」を表すwill/would
「よく~する」という現在の習慣や反復動作を表すのに、willを使う事ができる。
「よく~したものだった」という過去の習慣や反復動作を表すにはwouldを用いる。
この用法では、often, sometimesなどの頻度を表す動詞を伴う事が多い。
ちゃんとしっかり文法書には出ていました
ビックリ!
ちなみに、「最後のevery weekendがなかったとしてI would visit with my tiny childrenだけでも、このwouldが反復動作と分かるの?」と聞いてみたら、「分かる」という答えでした。
ひゃーーー。本当にwouldって奥が深い!!
【追記】
このwouldの使い方、表現のための実践ロイヤル英文法でも調べてみました。
過去の習慣的動作を表すものにused toとwouldがあります。
大きな違いはused toには現在との対比を強調する点がある事です。
この本はHelpful Hintという、グレーの背景で囲まれた説明があります。
英語と日本語との比較研究を続け、日本人の書いた英文を永年にわたって審査・添削してきた経験をお持ちのピーターセン先生が当該各所に書かれている文に関連して、ネイティブの立場から日本人の英語のどこがおかしいのかという理由を具体例を交えながら書かれたものである。(中略)ネイティブ感覚というものがどのようなものであるのかも併せて学んでいただきたい。
この本のコメントを読んでいても、このHelpful Hintが参考になるという意見多数。
今回もなかなか深いところの説明があるのですが、詳細は実際に本を読んでもらうとして、
ただ単に「~していた」ではなく、「~したりしていた」といった感じの文になる。
と細かいニュアンスまで説明されています。
(正直、ここまで細かい違いを英語で説明する機会はないですが💦)
細かいところまで知りたい人にはなかなかよさそうな本でした。
せっかくなので英文法総覧でも調べてみました。
p192 PartⅡ 品詞
14.15.1 過去の習慣を表す場合
解説 used toは、過去の習慣的動作を表す。この場合は、wouldを用いても、あまり大きな違いは生じないが、wouldは過去の偶然的な不規則の習慣を示すことが多く、often, frequently(しばしば), sometimes, always, for hours(何時間も)などの副詞(句)を伴うことが多い。
used toは、過去におけるやや長い期間の規則的な習慣を表す。また、used to が客観的な意味を含むのに対して、wouldは個人的関心を示すときに用いることが多い。
辞書によって色々と解説が違ってより深く知ることが出来て便利です