朝
メールのチェックをしていると
けたたましい
エリアメール音6:02
政府から
「ミサイル発射、避難せよ」
避難と言っても
地下もなければ
コンクリート製の建物もない
ケメ子の部屋へ行き
「ミサイル落ちるかも」
「うわマジで
すっごいサイレン鳴ってるのそれか」
「逃げるとこないし
もうしょうがないね
ケメ子
私をお母さんにしてくれて
ありがとね
短い間だったけど
楽しかった」
「…うん
昨日のごはんも美味しかったよ」
ぎゅっと
ダッコして下へ
起きてきた
ばーちゃん
「このサイレンなんだい？空襲がい？」
「うんそうだよ
ばーちゃんは知ってるんだもんね
ばーちゃん元気でいてくれてありがとね
ばーちゃん今までありがとね」
「空襲がい…」
おかーさん
「公民館行ったほうがいいんじゃ」
「どこ行っても
落ちたら焼け野原だよ
みんなで一緒にいよう」
じーさんには
「まぁ
色々あったけど
ありがとね今まで」
猫を抱いて
みんなで居間に集まった
エリアメール6:14
ミサイル通過
「行っちゃったね」
ケメ子
「落ちなかったね」
「今まで平和過ぎてたからね
世界じゃ戦争は絶えないし」
掃除して
洗濯機回して
炊事して
いつもの
炊きたてごはんに
おみそ汁
なすの漬け物
ねぎ納豆
いただきます。
普通って
幸せなんだよ
当たり前の普通
人それぞれの普通
有り難い