5月末にしては暑いのか、それともこれがふつうなのか。ペダルを漕ぐこと一時間弱、汗を流しながら今年も川崎市の生田バラ苑を訪れた。
利便性から言えば新宿御苑、鳩山会館、横浜の港の見える丘公園なども適地だし、多少の不便さを無視できれば京成バラ園や深大寺植物園も選択肢に入る。雰囲気だけを考えれば鳩山会館の雰囲気は群を抜いているだろう。
そのような中で生田バラ苑を選んでいるのは、家からサイクリングがてら行けること。そして、何より市民でなくとも無料で見学できる心意気が気に入っているからだ。
花のピークはとっくに過ぎ、大半は花がしおれているにもかかわらず、園内はたいへんな賑わいだった。私の場合、目的が「家で育てるのにいい品種を探すこと」なので、色やで花型がわかる一輪あれば十分。来園者の中には同様の考えの人もきっといらっしゃったのではないか。
海外を訪れたり住んだ経験がある人が増えたりするに従い、ガーデニングへの関心はいっそう高まっている。
「花を愛する人に悪い人はいない」との説があるとか。かなり都合のいい話だが、少なくとも園内の人々の表情がみな柔和だったのは確かだと思う。