こんにちは
もも院長です
すっかり冷え込んできましたね
これから年末に向けて
何かと忙しくなってくることでしょう
忙しくなると
無理をして
身体の調子を整えることが
ついつい後回しになってしまいがち
忙しい中でも
自分の身体に愛情をかけることを
忘れずに
充実した年末をお過ごしください
今日は腹診のお話をいたします
もも鍼灸院では
身体の状態を把握するのに
腹診をもっとも重要視しております
腹診は身体の今を読み取るための大切な方法です
お腹の反応を見るポイントとして
一番重要なものは「募穴」です
募穴にはそれぞれ対応する臓腑があり
その部分に圧痛や硬さや冷えが出ると
どの臓腑が弱っているのかがわかります
腹診の大きなメリットは
患者さん自身が反応を自分で感じ取れることです
どこが張っているか
どこが痛いか
どこが冷たいか
という反応を患者さん自身も体感できます
そして治療で反応が消えたときも
患者さん自身が変化を感じることができます
これは脈診にはない特徴です
脈診では治療後の変化を患者さんが直接体感することは難しいため
腹診は治療効果をわかりやすく実感できる手段となります
反応が強いほど
臓腑の働きが落ちていて
気血の巡りが滞り
身体がうまく修復へ進めなくなっていることがあります
募穴の反応を丁寧に取り除いていくと
臓腑は本来の働きを取り戻し
身体は最短で修復へ向かって動き始めます
臓腑の調整は
身体が回復する力を取り戻すために欠かせません
ここからは
腹診で特に重要な募穴と
臨床で反応をよくみる部位をご紹介します
肝の募穴である期門は
第六肋間の中鎖骨線上にあります
ここに張りや刺すような痛みがある場合は
肝気の滞りや横隔膜の緊張が進んでいるサインです
心の募穴である巨闕は
剣状突起の下から少し下がった正中で
臍上六寸に相当します
みぞおちそのものではなく
そのすぐ下が正しい位置です
ここに圧痛や硬さがある場合は
心の働きの不足や胸の気の停滞を示しています
心包の募穴である膻中は
左右の乳頭を結ぶ線の正中にあります
胸の中心にあり
呼吸やストレスの影響が出やすい場所です
ここに圧迫感やつかえ感がある方は
まずここが反応していることが多いです
肺の募穴である中府は
鎖骨の外端の下で第一肋間に位置します
ここに反応がある場合は
肺の気の弱りや胸部の気滞が現れていることがあります
脾の募穴である章門は
第十一肋骨の先端にあります
触れるとわずかに後方に逃げる細い肋骨が目安です
ここに痛みや冷えがあると
脾の運化が弱り
食後のだるさや胃腸の重さとして出やすくなります
腎の募穴である京門は
第十二肋骨の先端にあります
さらに腎をみるときに大切なのが肓兪です
肓兪は臍の外方0.5寸にあります
腎気の虚や下焦の働きの弱りを正確に示す場所です
冷えやだるさや慢性的な不調がある方は
多くの場合ここに反応があります
瘀血の腹証でよく出るのが中注と大巨です
中注は臍の下1寸で外方0.5寸
肓兪からまっすぐ1寸下に取ります
大巨は臍の下2寸の外方2寸です
婦人科系の瘀血や腹部の停滞をみるときに
ここに鋭い痛みや沈むような圧痛が出ることがあります
これらの募穴や関連部位に出た反応を
ひとつひとつ丁寧に整えていくことで
臓腑は再び働き始め
身体は自ら修復へ向かう力を取り戻します
腹診は
患者さん自身が体感でき
変化も感じられるため
治療効果をわかりやすく実感できる手段です
募穴診は
身体が何を求めているのか
どこを整えればよいかを教えてくれる
最も素直で信頼できる方法です
腹診を通じて臓腑の働きを整えることが
最短で回復するための基本の土台になります
東洋医学は
臓腑のバランスを整えることを
最も重要視しております
忘年会等
何かとせわしなくなってくる
この時期ですが
鍼灸でお身体をしっかりと整えて
新年を迎える準備をしていきましょう

