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もも院長のブログ

なんやかんやつぶやいていきます

こんにちは

もも院長です

 

今日は鍼の響きについて

書いてみようと思います

 

「鍼って、刺した時にビリッと響くけど、あれって何?」


治療を受けた方から
痛いわけではないのに

ズーンと奥まで響く感覚

東洋医学ではこれを「得気(とっき)」と呼び

治療効果の目安の一つとしています


では、実際に何が起きているのでしょうか


現代科学で見ると

あの響きは神経が反応して発する電気信号の感覚であり

身体の自然治癒スイッチが入ったサインとも言えるのです

 

鍼が皮膚や筋肉を通ると

感覚神経の末端がわずかに刺激されます


すると神経膜のイオンチャネルが開き

ナトリウムやカリウムの移動により電位変化が起こります


この微弱な電気信号が脊髄や脳に伝わることで

私たちは「ビリッ」「ズーン」といった響きを感じます


つまり

鍼そのものに電流が流れるわけではなく

体の神経が反応して生じる電気信号を感覚として捉えているのです

 

響きの種類によって

反応している組織も異なります


浅い部分でのピリッとした感覚は

表層神経のAδ線維が反応したもので

深い部分での重だるい感覚は

筋膜や筋肉のセンサー(筋紡錘やゴルジ腱器官)

の働きによるものです


この反応により筋肉の緊張がゆるみ

血流が改善されるため

痛みやこわばりの緩和につながります

 

古典的な東洋医学では

得気を「気至れば病止む」と表現し

治療効果の指標とされてきました


現代科学でも

鍼刺激によって脳の中枢(中脳水道周囲灰白質や視床下部)が活性化し

内因性オピオイド(エンドルフィンなど)の分泌が促されることが報告されています


つまり

響きは身体の修復モードが働き出したサインとも言えるのです

 

ただし注意点もあります


響きが強すぎる場合

筋肉が防御反応を起こし

かえって緊張や痛みを生じることがあります


治療効果を最大化するには

「心地よい」と感じる程度の響きが最適です

 

鍼の響きを感じたときは

単に「電気が流れた」と思うのではなく


「身体が正しく反応してくれている」と捉えてみてください


神経、筋肉、脳が連動し

自然治癒のスイッチが入った瞬間

それが鍼の響きなのです

 

心地よい鍼の刺激

身体の中ではこんなことが起きています

 

おもしろいですね