彼の名はキングオブ
9月末日、また事件が起こる。
俺はチラシ配りをしていた、そんな時、裸の男が現れた。
パンツ一枚で、手は血だらけ、目は据わっていた。
「なに見てんねん。」と因縁をつけられた。
ちょうどコンビニの近くで絡まれたので、別に何発かしばかれてもいいかなと思っていた。
17万の借りもあるしと。
コンビニの出入り口まで体を持っていかれ、自転車を振り回された。
しだいに仲間が集まってきた、弟らしい。
高校生ぐらい4~5人いただろうか。
皆で「拉致する。」とか「殺す。」といっている。
別にどーでもよかった。
しばかれたら金を取れるぐらいな、気持ちだ。
そんなこんなで5分ぐらいしたら警察が来た。
中の定員が呼んだのだろう、俺は急いでパトカーに跳び乗った。
するとパンツ1丁の男は急いで逃げ出した。
弟はパトカーの外から騒いでいる。
しかし、中に入ればこっちのもんだ、後は被害届を書くだけだ。
店に電話してノギが駆けつけてきた、メチャクチャ怒っている。
「あんたなんでにげへんかったん?」
「なにしてんの!!」
「保険使えるかどうかわからんねんけど。」
「とりあえず、自分の健康保険使ってね。」
でも俺は被害届を出すの一点張りだ。
なんだったらブチキレたかもしれない。
「救急車だけ呼べや!」
救急車を呼んでもらって、中央病院にまたはこばれた。
別にどこも痛くなかった、ただ心がいたかった。
チョット泣いたかもしれない。
でも次はナンボかかるんかなって感じだ。
17万の鬱憤だろう。
やっぱり目は異常なかった。
店に戻るとノギはブチキレていた、「マジ、ワジワジするわ。」と怒られ。
「今日はもう帰り。」と言われ、俺は店を後にした。
次の日、店に休む電話することになった。
すると曽根が電話でた。
「今日、目が痛いので休みます。」
すると怒りながら。「あーわかった、今日のクローザーおらんやんけ。」
「病院いきいな。」ガチャと思いっきり電話を切られた。
罪悪感はあったが、しかたがない。
1日休むと、不意にバイト先が気になるもんだ。
次の日、おそるおそる店にシフトを見にいくと曽根がいた。
「もう辞めんのか?」とのことだ。
俺は意地になってたので、嫌だった。もうチョイ頑張る。
俺「いえ、シフト見に来ただけです。」
曽根「そうか。」
ノギは1日早く辞めたらしい、なんでも親戚が不幸にあったとか、多分嘘だろう。
もしかしたら、俺のせいかもしれない。
でもしかたがない、あんな怒り方するほうが悪い。
10月から新しいマネージャーが来るとのことだ。
ノギが辞めたせいで急遽決まったらしい。
名前は松原、なんでも曽根の天敵らしい。
18歳の時、一度バイトを辞めたのは彼のせいみたいだ。
喧嘩して店を辞めて、別の店にいったらしい。
お前が一番気をつけろといわれた。
どんな人か会ってみたくなった。
明日から松原が来ると言うので、曽根はオーブンの掃除をしていた。
解体してキャタピラを掃除するみたいだ。
こういうのは慣れているらしい。
アルバイト時代から、コキ使われていたみたいだ。
なんでも、違う店に掃除だけしにいったとかどーとか。
社員になるためには必死だ。
彼の名はキングオブ
2、3日して塩崎君がC君の送別会をするとゆってくれた。
崎山の家で、一人暮らしだった。
C君は塩崎君と同期で頭がよく、語学留学の為にアメリカにいくらしい。
その送別会の席に、曽根がいた、俺はだいぶ嫌われたみたいだ。
おそらく人身のことをメチャクチャ怒っていたのだろう。
ビールのお金を出したのは曽根だった。
ビールを飲むと、キレた眼つきで怒られた。
「おまえが飲むな。」といわれた。
C君のことはメチャクチャ気に入ってるみたいだ。
おそらく夢がある青年と映ったのだろう。
しばらくして、曽根は退席した、彼女に会いに行くみたいだ。
そこからバイトだけの飲み会になった。
この時、入れ違いに、ジュン君という人が入って来た。
ジュン君は塩崎君の先輩で、バイト先の一番可愛い子と付き合っている。
名前は池田、ネイルの専門学校に入っているらしい。一緒に来ていた。
恐らく昔はNo1だったんだろう。偉そうだ!
俺はメチャクチャ酔っ払っていた、おそらく精神的に限界だったのだろう。
曽根にさんざん怒られるし、17万のことも怒っていた。
僕は散々、愚痴口いっていた、もう嫌だと。
もうゴネて辞めると、あまり酔っ払いすぎて覚えていないが。
何回かトイレで吐いてる時に、塩崎君に蹴られていた。
覚えているのはジュン君が怒ったところだ、嫌、キレタ!
「うるさい、わかった。」
「ゴネたいのだったらゴネさした方がいい。」
塩崎「でも!」
ジュン「ウルサイ!塩崎」
「俺も事故して、道具扱いされて、嫌やったし。」
「多分メッチャ後悔するで!」
「こんだけ、いってんねんで!」
と怒られた、何故か嬉しかった。
わかってくれる人がいる、それだけで幸せなのかもしれない。
怒られたのが逆に嬉しかったのだ。
C君「でもこんだけ酔っ払うってことは、だいぶ溜め込んでんねんな。」
ジュン「そーやな。」
飲み会は微妙な感じでお開きになった。
だから俺は、次の日バイトに行けた、まあ多分暇だしてのが、おおきかった。
次の日は二日酔いでフラフラだったが、警察署に行かなくてはいけなかった。
3時の約束だが、警察署には思ったより早くついた。
すると先に調書をとることになった。
取り終わると、鈴木さんが来ていた。
どーやら菓子折りを持ってきたみたいだ、一応足のことを心配していた。
親父さんは人身を取り消してほしいみたいだったが、後の祭りだ。
もう取り終わった事を伝えると、残念そうだった。
菓子折りは一応、ということで持って帰ることにした。
店にもどると、菓子折りのを、みんな食べたそうだ。
しかし、俺は17万を根にもっていたのであげなかった。
でもノギさんは食べたそうだ、可哀相なので一つあげることにした。
ちょっと嬉そうだったが、でも俺は根にもっていた。
C君が聞いたらしい、「なんの17万なのかと。」
するとノギは「そういう意味じゃない。」と言ったらしい。
C君「だから気にするなと、がんばれ!」
しかし、俺にあの時、放った殺気は本物だった。
おそらく店の金が盗まれたことの八つ当たりだろう。
ボチボチバイトも続けながら、何時辞めるか考えていた。
すると今度、本社でミーティングがあるらしい。
俺は事故の話があるというので参加することになった。
あんまり行きたくなかったが、しかたがない事故といわれると落ち目がある。
なんでもスーツで行かないといけないらしい。
富田先輩と、ノギの4~5名で行くことになった。
前日の晩、店から電話があったが、俺は出れなかった。
そのことを塩崎君に電話で相談したら、「知らない。」といっていた。
当日、なんとスーツで来たのは俺だけだった。
前日の電話は、なんとその電話だったみたいだ。
俺は急いで、家に帰り私服を取りに帰った。
その時、ノギから怒りの電話が架かってきた、「どこにいてんの?」
「駅には、時間までには間に合う。」と答えたが。
どーやら怒ってるみたいだ。
なんとか間に合って、時間どうり出発できた。
電車で聞くとなんと、昨日、富田君の家に塩崎君と曽根さんは遊びに来てたらしい。
昨日、電話ごしに曽根はいたのだ。
やられた!コイツだけは殺す。とこの時、誓ったのかもしれない。
殺意を覚えた。
帰り道、富田君とパチンコ屋に行った。
富田君とは気があったのかも。
ぼちぼちバイトしながら、やる気も日に日に無くなってきていた。
ノギさんは9月一杯なので送別会が何回か行われていた。
この時、曽根は赤いバラの花束を用意していた。
俺はそれを見て、なんて汚い花束だと思った。
酒は曽根がおごってくれていた。
この人は自分で辞めさしといて、いい顔だけする。
なんて汚い人だ。
塩崎君が堺まで遊びに行こうと言い出した。
俺に車を出してほしいみたいだ、俺の車で向かうことにした。
この時に曽根が俺に言っていたな。
「恋愛とは黒さがバレたら負けだと。」
「まず性格を直したほうがいいと。」
「バレなきゃいいと。」
堺につくと社員のTが合流してきた。
Tは昔、南海店の店長だったとか、けど俺は社員は嫌いだった。
Tは色白で伊達男でヒョロリとした顔だった。
4人で3時間ぐらい遊んだかな。
バスケットに、ゲーセン、ボーリングだ。
俺はちょっとういていた。
気がつくと3人は外に出ていた。
料金は後払い制で、2000円だった。
塩崎君は奢ってもらったのだろう。
帰りは気まずそうに運転していた。
俺は寝ていた、地元の吉野家について起きると曽根に。
「おまえは寝てろ!」
と怒られたが、吉野家の金は曽根が出してくれていた。
彼の名はキングオブ
遅刻も多くなったし、チラシ配りなどもサボり気味だったし、ピザだけ食べて仕事をしない、そんなでかい態度が曽根は、よく思わなかったのだろう。
ある雨の日、曽根に一度レジ金を閉めてもらうことになった。
この時、3時頃だ、あきらかおかしかった。
なぜか強張った感じ、嫌、思いっきりポシェットを取って、素早くレジ金を入金し。
おもいっきりポシェットを返された。
なにも言わず、曽根は強張った感じで立ち去った。
6時ぐらいにそそくさと帰っていった。
これは、威嚇みたいな物だったかもしれない。
で最後、11時に帰る時なぜか千円足りなかった。
この時、レジ金を閉めたのはノギだ。
「なんで足りひんの?」と聞かれても。
思いあたる節は曽根しかいない。
「一度、昼間の分を確認さしてくれ。」というと
気まずそうにこう言った。
「一度、金を閉めてるからそれはない。」
うーん俺は納得できなかったが、しかたがなく説得させられたかんで千円払わされた。
この時、直感的に多分曽根だということはわかっていた。
だから多分、店のお金をパクッテいるのも曽根だろうと。
でもこの前ビールおごってもらったし、まあいーだろうぐらいの気持ちだった。
まあいいかぐらいの気持ちで千円払うと、ノギが気を使って店のアイスをおごってくれた。
一個千円のアイスクリームだ。
しかし、それからというものやる気がなかった。
なぜなら、お金をパクられてまで続ける意味があるのかと思ったからだ。
でもバイクの仕事が嫌いじゃなかったのだろう。
ピザも食べれるしいいかなぐらいに続けていた。
すると日に日に曽根のイジメが酷くなってきた。
2人でいる時、強張った目で見つめられるし。
俺だけ一方的に大声でボロカスに怒られるし。
冗談でも殺すと言われたら、嫌なものだ。
おそらく俺は嫌われたのだろう。
いてもいなくても一緒と言われた。
物覚えの悪いほうだった。
でも俺は耐えることにした、いつか絶対にコイツが困る時に辞めてやると思って。
憎んだのだろう、だいぶ。
でもどんだけ怒られても親父の方が怖いと思っている自分がいた。
俺の親父も飲食店の店長だった。
後、なんでこの人はこんなにモテるのか考えていた。
仕事終わり、閉店時間にいつも女の人と電話していた。
なんでこんなにモテルのかな?怖いのに。
よく飲み会は行われていた。
俺ははき癖があってよく、お酒を飲んでは鏡の前で吐いていた。
それを見て、みんなは心配してる感じだ。
ある日、曽根がピザカッターを落とした。
それを俺が洗っていると崎山が偉そうに言った。
「なに落としてんねん」
俺「おれじゃないですよ。」
崎山「嘘つけ!」
曽根「おれじゃ!崎山。」
「ほんまなんもいわんな!」
「絶対、いつか病気なんで!」
この時は、優しいと思った。
ノギはやる気がない感じだった。
怒るのは曽根にまかして、自分はなにかに脅えているみたいな感じだ。
恐らく店の金を盗まれた事により、人間不信になっていたのだろう。
自信も自分も全部なくしてる、早く店を辞めたいみたいな。
店は曽根でもってるような、どっちが店長かわからない感じだった。
そんな時事件がおこる。
八月の夏休みの盆前にだ、この日はなぜか急がしかった。
閉店前の1時間前にバタバタと電話がなった。
俺は急いで配達に行った帰り道で、前の車がウインカーをつけっぱなしだ。
何時曲がるのか、三つぐらい曲がり角を過ぎた時、ウインカーのついてる方から追い抜こうとしてしまった。すると四つ目だろうか、ちょうど曲がり角でぶつかってしまった。
ちょっとした接触だった。巻き込み事故という奴だ。
しかし、バイクのボックスで車のドアは潰れてしまった。
そして俺の脚もクルブシに、微妙だが血が出てしまった。
しかしバイクは無傷だった。
車の中から出てきたのは20代ぐらいの女性のドライバーだ、スイマセンと謝ってきたが。
女性のドライバーのよくやりそうなことだ。
とりあえず警察を呼んだ、そして店に電話した。
この時、俺は足が痛いとか、痛くないとかいっていた。
ドライバーの名前は、鈴木というらしい。
しばらくしてノギが来て、事故を起こしてスイマセンと謝ってたが、俺は内心、契約書のことで頭がいっぱいだった。
もしお金を取られたらどうしおよう、でも血も出てるし。
でも人身を取ったら勝てるとは思っていた。
ノギはずっと謝っている感じだ。
やっぱり店の名前の方が大事らしい。
しばらくして警察が来て、事故者同士の話し合いになった。
警察は事務的に中立に話をしている。
味方がきたと思った、警察は足の事を心配している。
「大丈夫か?」「救急車呼ぶか?」かと。
俺は取れる物はとっといた方がいいと思って、つい言ってしまった。
「救急車呼んで。」と。俺も人間不信になってたんだろう。お金もぱくられたし。
するとノギは怒りはじめた。
「なんでよぶの。」と、怒り口調で言った。
でも呼んでしまったのはしかたがない。
しばらくして救急車に乗り込むと、これで大丈夫だと思った。
なんだったら勝ったと思ったし、お金も取れると思った。
中央病院に運ばれると、治療がはじまった。
俺の脚はレントゲンを取ってもらったが異常はなかった。
微妙に出てた血も、包帯もいらないといって治療は終わった。
すると鈴木と、その親父も来ていた。
親父さんは貫禄があった、中年太りでボストンバックが似合っていた。
「大丈夫か?」と心配され。
気を使って缶コーヒーをおごってもらった。
俺は当然だと思っていた、人身事故なのだから。
しばらくしてノギもかけつけて、話し合いになった。
俺「とりあえず事故を起こしてスイマセン。」
鈴木「いえこちらこそすいません。」
ノギ「でどうするかですけど。」「示談で終わらす手もあるんですけど。」
親父「いや一応、救急車も呼んでるし、保険使おうと思うんですよ。」
「ドアもこわれてるし。」
ノギ「そうですか、わかりました。」
そんなやりとりが5分ぐらい続いた、しかし、俺は終止無言だった。
なぜならゴネたら勝てると思ってたからだ。
おそらく最初に痛いとか、痛くないとか、言ってたのが、効いたのだろう。
あたりや、まがいの奴だと思われたのだ。
まあ別に、俺はお金さえ払わなければいいかなと思っていた。
話し合いは終わり、ノギの車で帰ることになった。
すると助手席に座るなり、ノギはメチャクチャ怒り始めた。
「ぬけてる、というかなんというか。」
「保険使うのに17万かかんねんけど、どーやって払うかはあんたしだいやで。」
これはブチキレた感じでゆわれた。
これが一番効いた、17万だ。
お金を払いたくないから人身を取ったのに、逆に取られると思った。
恐らく救急車だけ呼んで、何もしなかったので、ぬけてる奴と思われたのだろう。
店につくと曽根は優しかった。
「大丈夫かと。」優しく声をかけてくれた。
でも俺は、包帯も何もしていなかった。
その姿を見て憮然とした感じで、車の中で寝にいった。
そこで反省文を書くことになった。
事故を起こして申しわけない。
この教訓をいかして精進して頑張って行こうと思います。
店の為に、皆のために。
と、恐らくノギはこの反省文を見て驚いたのだろう。
あんた文才あるんちゃうかな、嫌、哲学的な、と褒めてくれた。
おそらく何も言わないのは、優しさだとわかったのだろう。
頭の切れる奴だと、気をつかってコーンサラダを俺にくれた。
しかし俺は、17万の鬱憤が溜まったまんまだ。
家に帰ってどうしようか考えていた。不安だった。
腹もだいぶ立っていた、コケにされた気分だ。