い、痛い
土曜日の夕方、すっかり暗くなり、もう誰も来ないかもね、などと院長と二人で後かたずけをしているところに、ゴ-ルデンレトリバーのドルフ
が来院。
お話を伺うに、今元気ではあるのだが、ちょっと血液検査をしたいなという容態。
「じゃあ、診察台の上に・・・・のらないんでしたっけ?」
「えー、主人がいれば乗るんですが・・・」
院長、私、奥様とでがんばって乗せる。40kg、重たい・・・
ドカッ![]()
あーん、降りちゃったよ![]()
今は体重が計れました・・・
よいしょ、と乗っける。
ドカッ![]()
今度は聴診ができました・・・
よいしょ
ドカッ![]()
い、今は採血のために足を持ちました・・・
ハア、ハア、ハア・・・![]()
くたくたになった3人。
「じゃあ、床で採血しますか・・・」
一同、一丸となって押さえ込む!
私は正座みたくなって、前肢を押さえておりました。
ドカドカドカ
突然、私の股に痛みが・・・
「・・・・・・い・た・い」
思わず倒れこむ私。
「こら!ドルフ!先生かわいそうでしょ!まだこんな年なのに」
股を蹴られてよい年齢、っていうのが存在するかはわかりませんが、お心遣いありがとうございます。
嫌になったドルフくん、私の股のあたりを踏みしめておりました・・・
咬まれたりとかは予想してましたが、蹴られるっていうのは予想外でした。
私、女ですが、痛い![]()
ドルフくん帰った後、私の白衣とズボンは足跡だらけでした。もちろん、あの部分も。
その夜、ベッドで寝ていたら、またその部分に激しい痛みが!
なぬ?これは夢か?
いいえ。寝ぞうの悪い下の娘が私が邪魔だったらしく、やはりどかどかと蹴っ飛ばしておりました。
泣。
正月休み
院長と今年の年末のお休みを考えていた。
「私、30,31,1とスキーに行くので
」
「はい、私実家に行くくらいですから大丈夫です」
うちの病院はホテルをやらないので、病院は年末年始は休業する。ただ、入院患者が出た事を考えると二人いっぺんに遠出することはできない。
「じゃあ、30-3日ってことでいいかしら」
「はい。では休みのお知らせを作らないと・・・じゃあ、今日は頑張ってワードでやってみます!」
「大丈夫?あっ、そうそう。私さっきいいものもらってきたのよ・・じゃーん
」
そこには小児科の年末年始のお知らせの紙が。
「ねえ、これのさ、○○医院っていうのを切り取ってさ、コピーしようよ」
「いいですね。あっ、でもこっちは28日から休みですよ。そこも直すとなるとちょっと汚くなっちゃうかも」
「あーん、ほんとだ、残念・・・じゃあさ!うちも28日から休んじゃおうか
」
「だめです
そんなことで休みの日かえたら
」
「あら、そう・・・じゃあ、momo77ちゃん、打ち出しよろしくねん」
あん、困った・・・
2時間後、やっと!出来上がりました![]()
比の計算
今朝、院長より
が。嫌な予感。
「今日息子が発熱したので、午前中小児科に行きます。すみませんがよろしく」
あはん、またひとりぼっちだよー。のんびりTVを見ていた下の子を追い立てて保育園へと急ぐ。
挨拶もそこそこに職場へと急行。
一人となると、早めに掃除、犬舎掃除なんかを完了させて置かなければならない。
9時、診察開始。紹介患者の大学病院の予約を取ったり、フードの発注等の作業に追われるうちに患者さんがなんだかぞくぞくと・・・
なんで?こんな普通の月曜日に?
そうか!皆さんボーナスが出たのね。
そのせいか、新患が多い。新患の中に鳥の患者さんが2人いらした。
一人ぼっちの時に、実は鳥さんはつらい。
診察というより、調剤にだ![]()
小鳥。セキセイインコなどは、まあせいぜい30gくらいだろうか。
その体重に人間(通常は60㎏と換算されている)の薬を、この体重に照らし合せて出すわけである。
「えーと、パーキロ10mgだから、つまり10mg:1000g=X:30g 外側の積と内側の積はイコールだから、えーとXは0.3。この錠剤は100mgだから333等分すれば・・できない・・・なので1/4錠にして粉にして水で希釈して・・・・」
なんて細かい事をやってるうちにどんどん時間が![]()
「あのー、薬なんだけどいいかしら?」
なんて声が受付で聞こえてくる。
「すいません、今日私ひとりで・・・待っていただいてもいいですかぁ」
いつもなら診察中に私が出してしまう薬も、順番通りお待ちいただく。すみません。
さあ、どこまで計算したっけ?あー、忘れちゃった。
また途中から始める・・・
リーン![]()
電話が。
話し終わる。まだ、薬出来てないよ![]()
小動物の調剤。
獣医師は意外と真剣にやってます。
特に鳥の調剤やってるとき。
どうぞしばらくの間、話かけないで下さい![]()
癒し猫
昨日、ぽちたまを見ていたら、患者さんたちを癒す病院猫が出ていた。
子猫が来ると、診察台にぴょんと飛び乗って舐めてあげたり、入院しているワンちゃんの近くによってかまったり。
いいねえ・・・
それと引き換え、うちの病院にゃんこったら・・・![]()
処方食には穴を開けるし(2006.11.6ブログ見てください
)、診察中の猫ちゃんのキャリーバッグに勝手に入ったり、入院患者(特に
)のケージの前で、シャーーっと威嚇したり。
普段は診察時間中も自由に過ごしているので、犬舎にもトコトコ歩いていく。
そして、特に大型犬に向かって、横っ飛びしたりしながらシャーシャー言ってる。
大型犬は上の段に入れられないので(狭いし重いから)、必然的にニャンコの餌食となる![]()
「あー
またシャーシャー言ってる!
を刺激したらダメって言ってるでしょ!今この子元気ないから何にもしてこないけど、元気になったらねー、どんなことになっちゃうか、知らないよ
」
とまあ、猫相手に怒っても、もちろん聞いていない(多分聞こえないふりをしているね、この猫
)
狂犬病
昨日、ニュースで二人目の狂犬病患者の方が亡くなったと報道があった。
それを見ていた子供達、神妙な顔つきである。
「ねえ、ママ。狂犬病の犬に咬まれたら絶対死ぬの?」
下の娘に質問される。
おー、5歳児にしてはいい質問だ。
セミナーの時の外人講師さながら、
「オー、グッド クエスチョン!」
などと答える私。
子供達ポカーン・・
「狂犬病はね、咬まれた場所によって病気が発病するまでの時間が違うの。ウイルスが脳にまで上がってしまったら発病してしまうのでそれまでにワクチンをうってやっつけることが重要です。例えば、足をかまれた人は何ヶ月も生きられたりするけど、首をかまれた人はすぐ発病してしまって死んでしまったりという具合でね。」
「・・・・」
説明が長すぎて、すっかり飽きてしまった子供達。
「そうだ。○○(上の子)、これさ、朝の会で発表しなさいよ、タイムリーな話題だし。」
「えー、やだ、なんか楽しい話じゃないし、だいいち興味ないし」
あっ・・、そうですか・・・
そういえば下の子の質問だったけ。
「あのさー、わかった?」
返事無し。
マンションの廊下へと消えていた下の娘でした・・・
尿道カテーテル
うちの夫(ふつーの会社員)が今、銀座にできた有名ブランドのビルを担当している。
「ガラスとガラスの間にさ、ゴミが入っちゃっててさ、普通の現場だったらOKなんだけどさ、やっぱり○○○だろ、クレームきつくてさー」
「ふーん、そうなんだ。じゃあ取れば?」
「簡単にいうけどさ、それがガラスの間がこんなで・・・だからすき間がなくてさ・・・3ミリの穴しか開かないんだよ。」
夫の説明、わるいけど全く解らなかった。要するに狭い隙間からゴミを取りたいらしい。
夫がごそごそと掃除機のあたりを探している。
「おー、これこれ」
出したのは、窓のさんなんかを掃除する細いパイプ。でも細いといっても、2cmはありそうだな。
「ねえ、それって入るの?」
「いや・・・この先に何か細い物をつけて掃除機で吸いたいんだけど・・・ママ、なんかない?」
なんかない?たってさ・・・
「じゃあさ、猫の尿道カテーテルはどうかな?想像してみて。結構細いよ。」
「うーん、見たこと無いから想像できないけど(確かに犬と違って外からは見にくい)、細そうだね、それ宜しく
」
株式会社○○ ¥340 但し尿道カテーテル代 ○○動物病院
こんな領収書通るのかな?まあいいや。
この日の夜、
「ママ、細くてすごくいいんだけど、ゴミがすぐ詰まっちゃって。もっと太いのない?」
「じゃあ、犬用だね。但し犬用は10本単位で買うから6000円だけどいいかな?」
「・・・。いいや、会社が払うし。宜しく」
次の日、
「いやー、よかったよ。尿道カテーテル様様だね
」
それはよかったです。
いろんな使い道の尿道カテーテル。
まさか、あの有名ブランドのビルに使われてたなんて、誰も思わないだろうな。
あっご安心を。もちろん新品です![]()
小さなスナック
トイレに入った。スイッチをパチッ! 電気・・・点かない。
暗い・・・![]()
電球が切れていた。
薄暗いまま
用を足す。
「院長、電球切れてるみたいです」
「わかった。昼休み買っておくね
」
夕方、トイレに入る。パチッ! あら、点かない。っていうか電球ないし。
また、薄暗いまま
。
「あのー、電球は・・・」
「あー、間違えて大きいの買ってきちゃった
だから今日は現像の時のライトで入ってね
」
うちの病院のトイレは、レントゲンの現像をする暗室を兼ねている。
といってもそんなに大それた機能ではなく、手前が暗室、奥が
ってだけ。
現像用のライトは、感光しないようにクラーイ赤色灯である。
夜、トイレに入る。パチッ! 赤色灯がぼわーんと点いた。
うーん、暗い・・・
一人で用を足していると(当たり前だが)、寂しい気持ちになってくる。
これは寂れた街のネオン、場末のスナック(行ったことないけど)って感じだねぇ・・
そして、頭にはあのメロディが・・・
あなたと出かけたぁ ちっいさっな すなっくぅ
(違うかも)
羊羹
「もしもし、ご無沙汰しております、ワタナベでございます」
昼休みに電話がかかってきた。
「先生、お忙しいところお呼びたてしてすみません、また天皇陛下もお食べになる、三越でしか販売されていない・・・」
あの、羊羹ね、と思ったけれど、はずかしいので口には出さずに置く。
「本当は発売されていないのですけれど、特別に取っておいて頂いた羊羹で、でもレディス4で放送してからじゃないと発送できないと言われて・・・」
毎年頂く羊かん。とっても美味しい![]()
でもね、そのお話のくだりも毎年聞いているので、そこは申し訳無いのですが、お弁当をレンジで温めながら聞かせていただきます・・・
だってお昼休みでお腹すいちゃったんだもん。
「それで、先生、毎年お礼状を頂いてありがとうございます、でも今年はどうぞ、お送りくださいませんように」
「はあ・・」
「主人はけちなものですから、先生にあの羊羹を送っているとわかって、去年は大変で、今年はこっそり送りますので・・」
「そうなんですか、すみません」
いやーん、そんな争いの過中にいるなんて![]()
でも、じゃあいらないとも言えず・・・
なんか、謝ちゃったよん![]()
「私は自分の年金で細々とやりくりして送ってますので、大丈夫ですから」
えー、そんなー。ますます悪い![]()
「じゃあ、先生。14日頃とどきますから
」
こっそり、羊羹を頂くことになるであろう、院長と私であった。
言うことを聞かない飼い主
![]()
「なんだか具合が悪くて」
朝から
。しかもつかみどころのない漠然とした
。食欲が無いのか、どこか痛そうなのか何の説明もなし。
「とにかく血液検査もしたいので午前中に来てください」
きびしく返事。
「つかまり次第連れて行きます」
なぬ?なんで具合の悪いペットが外にでてんのじゃ![]()
チリーン
(ドアチャイムの音)
その患者さんがやってくる。
うちの父である。
只今、男やもめのうちの父。
1匹、
2匹(まあ私が置いてったんだけど
)と暮らしている。
犬と猫は可愛がっている。
しかし、調子が悪くなってから連れてくるまでが実に遅い。
犬の方も、子宮蓄膿症、膀胱結石と2回もお腹を開いている。
子宮の方はしょうがないとしても、膀胱結石の時はなぜ、血尿が出ているときに連れてきてくれなかったか・・・結晶なら処方食で溶かすこともできたのに。
しかも、取り出した結石を自慢そうに散歩仲間に見せたりして
勘違いも甚だしい。
そして今日は
を連れてきた。
「下痢しててさ、食べないんだよ。なんか痩せちゃって」
3.5キロ。1キロも減っている。
「あのさ、1日2日じゃ1キロも減らないと思うけどさ、いつから?」
「うーん、1ヶ月くらい前・・・・からかな」
「あっそ
」
お腹を触っていると、何か硬いものが?嫌だなあ、何か腫瘍でも出来てるのかなあ。
X線をとる。
んー。ん?うんちかー。しかもこんな猫のお腹に単一の乾電池みたいな便が・・・
「とにかく、この便出さないともう腸の中いっぱいだから出します。預かります」
「頼むよ
」
んったくもう。
しかも昨日は院長休み。一人ではきびしいなあ。
そうだK先生に手伝ってもらおっと![]()
「K先生、ちょっと手伝ってもらいたいものがあるんですが」
「いいよー」
そして到着。
「ねえ、なんなの、腹腔内マスって。オペの準備してないよ」
「えへへ、これです・・・」
触診するK先生。
「え?宿便じゃない。ここで取るの?やだなー、臭くなるじゃないー」
「ほんとうにすみません
でもやらせてください
」
二人黙々とお尻から指を入れて便を崩す。
疲れるので交代で。
「あのさー、飼い主さんにもっと早く連れてきてくださいって言っといてね」
「いやー、これ実家の猫・・・」
あっそっか。momo77ちゃんちはお父さん一人か・・・じゃあ無理か・・・」
親ほど言うことを聞かぬものはいない。
二人とも知っていました・・・
黒いもの
昨晩、セミナーがあった。
子供に
「ママー、いかないでー
」
と言われながら
に乗った。
目的の駅に降りて会場へと急ぐ。
手前になんとか教育会館があって、もう夜8時だというのに
これでいいのか ふやそう学童保育
というノボリを持った人が立っていて、何人かの人がこちらへ吸い込まれる。
あー、今夜私が行くべき所はこっちなのでは・・・と思いながら、足を進める。
事前登録をすれば少し安かったのだが、うっかりし忘れた。
それでも、他のセミナーよりはかなりお得な値段。まあしょうがないと思い、会場へ入る。
「はーい、こちらですよ」
「あの、事前登録なんですけど・・」
「えー、先生もったいないわー、登録しておいて、当日だめです、と言ってくれたらよろしいから、次は登録しといて!まあ、今日は規則だからしゃあないなあ、お名前は?」
「○○動物病院です」
カリカリと領収書を書くおじさん。あれ?
この人、今日の講師では?
「はい、どうぞ
」
領収書を渡してくれた顔を見る。
やっぱりそうだよ。
普通、まず、講師自ら受付でお金をいじる事は無い。
ていうか初めて見たよ、私![]()
しかも、この先生、獣医の中で知らぬ者はいない有名な先生。
奥でふんぞりかえっててもおかしくないのだ。
この気さくさが大阪なのか、それとも大阪の人って、お金の計算を人に任せておけないのかしら・・・
さて、セミナーがはじまる。
白熱する話の中、遅れてうちの院長が到着。
なんか、閉院間際にどやどや来ちゃってさー、(患者さん)遅れちゃった
あらー、お疲れ様でした。(私は休みである)
などと筆談する私達。
それも終わり、前に映し出されるスライドなんか一生懸命見ていると、肩をこづく院長。また何か書いている。
前の人、づら?
えっ?前を見る。
あら・・、あのベタッとして、固まっていて、少し浮いている独特のかたち。
はい、そうみたいです。
クククッ・・・
もうだめだ・・・
しばらく下を向く。
でもまたスライドを見なくちゃいけないので、上を向く。
斜め前に黒い固まりが嫌でも目に入る。
クククッ・・・
今日のセミナー、お金だけでなく、内容も半分無駄にしました・・・![]()