楽しい退院
骨折で長い事入院しているポメラニアンのロクちゃん
。
大分良くなってきたし、子犬なのであまり長い事飼い主さんと離れていると、人格(犬格)形成にも良くないので、週末だけ仮退院していただくことにした。
「今日、明日と退院ですけれども、くれぐれも安静でケージの外には出さないで下さいね」
「はーい、わかりましたっ
」
とても嬉しそうに、超特急で帰って行かれました。
そして、月曜日。
飼い主さんとロクちゃんがやってくる。
「先生、とっても楽しかったです」
「それはよかった
」
「あのね、ロクと二人で銀ブラしてきちゃった
」
は?銀ブラ?
銀ブラっていうのは、銀座をブラブラって意味だよね?
おらが町の○○銀座じゃないよね?
この病院の近隣の駅に、○○銀座ってあったっけ?
うーん、確か、ないはず・・・
えっ?ほんとの銀座?
じゃ、二人で
に乗って?いや、
かもしれないな・・・じゃあ、そんな暴れてないか。
ていうかそんな問題じゃないよー、だってケージから出しちゃいけないって言ったのに![]()
そんな私の青ざめた顔の気付いた飼い主さん。
「先生、大丈夫。ずっと抱っこしてたから。楽しかったねー、ロク
じゃ、先生ヨロシク
」
あまりの爽やかな笑顔に怒る気にもなれませんでした・・・
大阪の笑い
昨晩、セミナーがあった。
講師は大阪在住の先生。もちろんバリバリの関西弁。
「先生達ねー、いくらぐらいの機械持ってはります?100万?200万?だめですねぇ。そんなのなんの価値もありません。もう、すてなはれ
」
一同、シーン・・・・
それぐらいの機械持ってる人多かったはずです。
うちの病院もそうだし。
「ちょっと。なに皆さんシーンとしてらっしゃるの?ここ、笑うとこでっせ。もう、これ大阪だったら、僕が言い終わらんうちに、どひゃーっとくるとこ。関東の先生はこれだからいかんなー、皆もっと笑って!」
やっと、くすっと笑いが。そうか、冗談だったのか![]()
「まあ、でも嘘でもないです。いい機械にこしたことないです。僕のお勧めの機械はね・・・・」
アウディの上級のが買えそうな値段のものを羅列。
そうだよね・・・
また、若い先生を中心に一同沈黙が訪れました・・・・
失言
診察の終わった患者さんと雑談をしていた。
「私ね、最近忙しくてね、ほら、具合があまりよくなくて、市大病院に検査に行ってたのよ」
「あら、それは大変でしたね」
「それがね、○○さんに市大病院いいわよって言われて行ったんだけどね、待合室で一緒になった人に聞いたら、なんとあそこの先生、××大出身が多いっていうじゃない、嫌だわー」
・・・・・・・・・
「嫌ですか・・・あの、私達も××大なんですが・・・」
「えっ、いや、あの・・・ほら!××大は地元じゃないから、ほら、先生同士のパイプっていうかほらね、どうなのかと思って、でもいい大学よね
・・・あら、ロンちゃん
帰りたいのね、やだー、そんなに引っ張らないで。じゃあ、また
」
すたすたとお帰りになりました。
獣医は国立が15校程度(?)、私立が5校あります。国立は各大学一学年20人程度、私立は150人以上になりますので、出身大学を聞けば私立に当たる事が多いのでは、と思います。
そりゃ、T大やK大にはかないませんが、医学部となればわれら××大だってかなりなものだと思ってます。
でも、ロンちゃんの飼い主さん、私達なんとも思ってませんよ、慣れてますから・・・
その生き物は?
ウサギを連れたご家族(おかあさん、小学2年生男子、幼稚園女子)が診察に来た。
診察中、子供達は退屈なので大抵きょろきょろと診察室を見回したり、入院室を覗きに行ったりする。
この子たちは診察台の下にしゃがみこんでいる。
「
うわっ、ここの台の下、毛がいっぱいだ!」
子供は正直である。大人は指摘できないこともしていただける・・・
「あ・・・、掃除、しておきますぅぅ」
「
おにいちゃん!ここに何かいる!」
「
えっ! ほんとだ!この中になんかいるよ!ねえ!見てよ!」
えー、何?診察台の下に動物?
ちらっと見るが、もちろん何も居ない。
「
ねええ!!見てよ!」
どうしても見て欲しい子供達。
なによー、と思いながらしゃがむ。
「
ほら、この中だよ」
と指差す先は空気清浄機。
?
「あーーー
」
空気清浄機の吸入口から見えたのは、
動物の毛がびっしり付いたフィルターでした・・・
「
あーー、これ動物じゃねえよ。毛だよ。うわっ、きたねー!おばさん、掃除した方がいいよ」
はい・・・おばさん、早速お掃除致します・・・
お腹すいた?
先日、子宮蓄膿症という病気の手術をして、シーズーの子宮を摘出した。
飼い主さんはおばあちゃん、おかあさん、幼稚園児というご家族。
手術後はできるだけ取ったものをそのままお見せするようにしているのだが、今回はちょっとショッキングかなぁと思い、臓器をデジカメで撮影する。
手術後30分ほどで飼い主さんが面会にいらした。
写真はだいたい実物大ぐらいにプリントしておくのだが、思ったよりも早くいらしたのでやりそびれてしまった。
わんちゃん
との面会も終わり、仕方ないのでデジカメの画面で臓器の写真を見せる。
「本当はもうちょっと大きいのですが、プリント間に合わなくてすみません。このU字型をしたのが子宮でして、内部に膿が溜まっているのでこのように少し膨張しています」
「あーほんとだ、こんなの溜まってたんだー、
ちゃん大変だったねぇ
」
半べそのおばあちゃん。
すると後ろの方から
「ねえ、これ海老?」
小さい僕が聞く。
「えっ!こ、これはね
ちゃんのお腹からでてきたんだよ
」
「ねえ、これ、咬める?」
「えーーー!いやー、咬めるとは思うけど、咬んだら僕のお腹壊れちゃうと思う・・・
」
「ふーん、おいしそうだね
」
一同絶句・・・・
きっととってもお腹が空いていたんですね・・・
術後の臓器を食べられるか、って聞かれたのははじめてです・・・・・
落胆する院長
木曜日の昼、メールが入る。
「今日の夜、8時ごろ来れる?骨折が入っちゃって
」
「すみません、今日夫が夜勤なので出られないんです
」
「そうか・・・、わかりました。K先生呼びます」
別の病院の先生を呼んでくれるらしい。すみません院長。
夜11時。今頃まだオペやってるんだろうなー、と思いながら寝ようと思いベッドに入る。
ん?隣に寝てる子供が
あつい・・・
発熱している・・・
「今まだオペ中ですよね?お疲れ様ですm(u_u)m実は娘が今発熱しています。また明日メールします」
午前1:48、返事が
「今終わりました、k先生急患入って遅れちゃって、始まったの遅かったからこんな時間になっちゃった
熱下がるといいね。おやすみ」
朝5:30。期待しつつ起床。触る前から右肩にもわっと熱気が・・・
だめです・・・むしろ上がってます・・・
「すみません、やっぱりだめみたいです。今日は休ませてください」
「そっか、お大事に。ひとりで頑張ります・・・」
オペの翌日は、器具の片付け、入院の世話、医療ゴミを出す、そしてもちろん診察とすることはたくさんあるのです。
でも今日は24日!給料日前なので暇なはず。頑張ってください、院長!
祈りつつ、私は自分の子の看病をする。
夜7:00。ピロリーン。メールが鳴る。
「今日、忙しかった・・・みんなカード切ってたよ
」
あー、そうだった。最近カードを取り扱うようにしたので、給料日関係ないのでした。忘れてました・・・・
すみません院長m(u_u)m
羨ましいもの
下の娘にとって、上の娘のなにもかもが羨ましい。
例えばこんなものも・・・
「ママー、きれいになった?」
私の膝に頭を乗せていた上の娘が聞く。
「なったよー、もう出てない」
「あたしもやるー
」
下の娘もやりたがる。
「やらなくても大丈夫だよ。出てないから」
これは
鼻毛
の話です・・・
上の子は毛深い。鼻毛も例外ではなく、小2だというのに週1くらいで切ってやらないと鼻毛が出てしまう。
そんなの珍しいと思うのだけど言うとかわいそうなので、爪きりや耳掻きのように当たり前の事だと話してある。
なので特別に自分だけ鼻毛を切ってもらう時間は、妹に一歩差をつける時だ。
下の子はほとんど体毛がなく従って鼻毛もほとんどない。これから長い間女として生きる上で、こっちのほうがよっぽど楽だと思うのだが、それを言ってしまうと絶対上の子をいじめるので、それも言えない。
ある日、下の子が鼻をかんでいた。
「ママー、鼻毛が一本出てきた!やったー
」
「よ、よかったね・・
」
「いっぱい出てきたら私のも切ってね
」
「わかった、出てきたら切ろうね・・
」
そんなに嬉しいか、娘よ・・・
我慢できないこと
昨日の夜中、仲間の獣医同士で集まり手術をしていた。
うちの病院は院長と私と二人だけなので、こみいった手術の時はどうしても人手が足りないので、よその病院の先生達に御願いしてきてもらうことになる。
粛々と手術を進めるなか、
「ふが、ふががっ・・」
という音が。
「んっ?犬の気管に何か?」
と院長が急いで調べるが何も無し。
また
「ふが、ふが・・・ヴアー、あーー」
と妙なうめき声が。
「あー、だめだー、誰か俺の鼻の横を掻いてくれ・・・」
執刀していたI先生が顔の痒みに耐えられなくなっていたのでした。
横で雑用をしていたS先生に頼んで掻いてもらう。
手術中なので当然グローブも帽子もマスクもつけている。自分の顔、という汚いところを触ったりしてまた、無菌的なオペに望むわけにはいかないので絶対自分では掻けない。
「鉗子にガーゼ挟んで、マスクの横から突っ込んで掻いてよ」
ごしごしとS先生はI先生の鼻を掻く。
「あー、ありがとう、すっきりしたー」
I先生はすがすがしい顔でまたオペに望む。
そして、S先生は鼻を掻いたガーゼを捨て、使った鉗子は洗い場へ投げ込む。
こんなことのために使われるガーゼもある・・・
手術中は何時間か手が使えないので、我慢しなければならないことも多い。トイレなどはもちろんのこと、この顔の痒みも皆が困る代表的なものである。
昔一緒の働いていたY先生は、極度の猫アレルギーであった。
手術をしなくてはならない猫にも反応してしまう。
もう、術前の準備をしてるところから、水っ鼻が止まらない。
「ぼー、ごまっだなー(困ったな)ばながめながっだら(鼻かめなかったら)バズグ(マスク)ぐしょぐしょになっちゃう」
後ろを向いてごそごそしている。
前を向くと
「ほらっ、これで大丈夫
」
「えーー、まじ?」
驚く私。
Y先生の鼻には、これでもかってくらいの綿が詰められていた・・・
3年ほど一緒に働いたが、Y先生と私の間に恋愛感情が生まれなかったのはいうまでもない・・・
営業の人?
「はーい、次の方
どうぞー」
と患者さんを診察室に招き入れているドア越しに、待合室に入ってくる男性が見えた。
ちょっと前かがみで、手を前に揃えている姿勢。
(あー、飛び込みの営業の人だな・・)と思い軽く会釈して診察を進める。
動物病院も電柱広告やら医療器具やらよくセールスの人が来る。そういうときに診察を中断してまで対応することもないかな、と思ってこのワンちゃん
の診察が終わってから、ゆっくり話しかける。
「えー、今日は何か?」
とちょっと高飛車な私。
「はい、○○メリーですが、お薬を取りに参りました。診察券は家内が持っておりますものですから今日はないんですけれども大丈夫でしょうか」
ありゃー、患者さんだったのねん・・
院長もいたので診察中でも薬ぐらい出すこと出来ました・・・すみません20分も待たしてしまいました![]()
多分お仕事は営業をしてらっしゃるのでしょうね。患者さんは普通、特に男性は前で手を重ねていたりはしない。むしろ私達が女性獣医師であるせいか、受付に肘を乗せて、
「ねー、薬だけいいかなー」
と呼ばれたりする。
動物病院にいらっしゃる方は、特に男性の方、ワイシャツは白以外、手
は後ろに組んでいただきたいと思います・・・
その人は?
院長と雑談。
「昨日、ホームセンター行ったらカルカンが安くてさー、思わず買いだめ
」
「へー、いくらですか?」
「68えん!」
「それはすごい」
などと、たわいない会話の途中に、
「そういえば、リチャードソン・ジリスいたよ?」
「?誰ですか?」
「リチャードソン・ジリス!」
「えっ?リチャード・・?そんな外人いましたっけ」
それって、有名人?カントリー歌手?知り合いにいたっけ、そんな人・・・
院長しばし絶句・・・
「外国のだとは思うけど、あのー、誰っていうか・・・リス」
「あーーー、ジリスって地リスってことね
」
私は獣医ですが![]()
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は診ますが、![]()
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こういった動物たちは専門外です。こういったのはエキゾチックペットといって診る先生はほとんど独学で専門的に勉強しています。
リスはシマリス、タイワンリスくらいならしってますが、なんとかジリスっていうのは初耳でした![]()
でも、獣医師として恥ずかしいので、子供の動物図鑑で種類ぐらい覚えます
(反省)